八重山家畜市場のセリで14日、新里牧場(新里朋矢代表取締役)=大浜=の美国桜を父に持つ雌の子牛「しんざくら」が1100万9900円(税込み)で島内の生産農家に競り落とされた。全国歴代最高の891万円(同)を上回る落札価格に会場は驚きに包まれた。新里代表は「落札された牛は上場する予定はなかったが、購買者からの強い要望でセリに出した。まさかここまでの価格になるとは」と顔をほころばせた。(8面に関連)
今回、最高額を記録した子牛は301日齢、体重294㌔の雌。血統は父・美国桜、母の父・安福久、母は高等登録牛の「しんの18」。
県内のこれまでの子牛の最高額は、去勢が黒島の220万円、雌が久米島の216万円だった。
新里代表は「この牛の兄弟は石垣牛として県の枝肉共進会でチャンピオンになっている。そこが評価されたと思う。今年最後のセリで素晴らしい値段をつけてもらった。来年の八重山家畜市場の初セリへの弾みになってほしい」と期待した。
沖縄県家畜改良協会の赤嶺雅敏事務局長は「25年ぶりに八重山の牛が全共に出場したことで機運が高まり、いい牛を作りたいというモチベーションが高まっている結果だろう。PR効果もあり、八重山の畜産の発展につながる」と期待した。
落札した生産農家は「本牛や母牛、その祖先は平久保で長年飼養管理されてきた牛で、その中で優秀な血統を備え、結果を残してきた。さらに優秀な子牛を生産することはもちろん、採卵を行うなど島内全体を押し上げるとともに、さまざまな取り組みも発信していきたい」と話した。
同市場の12月セリは13、14日開催され、子牛709頭が取引された。