竹富町が単独採択地区となり、八重山教科書問題が一定の区切りを迎えたことから、あらためて教育と教科書について考えようという集いが7日午後、大川公民館で行われ、「現場の教員が使いたい、使いやすい教科書を採択できるようなルールづくりを」とアピールした。
教科書問題にかかわってきた15団体で構成する実行委員会が主催。約100人が集まった。
名古屋大学大学院教授の中嶋哲彦氏は講話で「現場の調査員が決めた教科書を採択するのが教育委員会の仕事。教科書選定は専門家の先生に任せ、教育委員会が責任を負うことが大事だ」と指摘し、八重山採択地区協議会の「協議会の責任と権限で選定する」との方針に疑問を呈した。
教科書問題に関して発言し続けてきた琉球大学准教授の山口剛史氏は「現場教員の調査が尊重される教科書採択のルールを作ることが重要だ」と強調、「住民もルールづくりに多くの意見を」と呼びかけた。
フロアの保護者は「僕は教科書を信用し、どれでもいいと思っていた。育鵬社版を読んでみておかしいと気付いたが、遅かった」と述べ、積極的に教科書を読むよう提起した。
一方、山口氏は「そもそも問題は教科書を一本化できなかったこと。大人の責任で教科書をしっかり議論して一本化することができず、民主主義とは何かを実践的にみせることができなかったのは残念」とも話した。
集会では、教育現場の意見を尊重する教科書採択を求めたアピール文を採択。県と3市町の教育委員会に郵送する。