【西表】イリオモテヤマネコの交通事故防止に関する連絡会議は3日、イリオモテヤマネコの事故を防ぐため、交通事故や目撃情報の多い西表島北東部の高那から大見謝までの5.5㌔をモデル区間に指定。このうちの600㍍区間の県道白浜南風見線に高さ1㍍のヤマネコフェンスを、今年7月以降に設置することを確認した。これにより、アンダーパスやネコボックスと呼ばれる野生生物用のトンネルに誘導し、フェンス効果やヤマネコの出没状況を確認する方針だ。
ヤマネコの交通事故死は昨年、過去最高の6件、今年は3日現在、2件発生している。
ヤマネコフェンスは、アンダーパスやネコボックスが6基整備されている区間の歩道側と車道側の両側に設置。ヤマネコの道路への侵入を防ぐほか、モデル区間と事故件数を示す看板を終着点に整備する。
フェンスは竹富町と環境省西表自然保護官事務所が連携して設置。これに地元の公民館を交えて、フェンスの見回りや台風対策、周辺の草刈などの維持管理を行う。約300万円が見込まれる設置予算は、竹富町ヤマネコマラソン積立基金やふるさと応援寄付金を活用する。
県八重山土木事務所は、フェンス設置後に野生生物のネコボックス利用のモニタリング調査を実施。フェンス設置効果を検証する。
環境省那覇自然環境事務所野生生物課の阪口法明課長は「フェンス効果が検証できれば、別の箇所への設置も今後検討していきたい」と述べた。
同日午前、県や竹富町、環境省西表野生生物保護センターなどを含む会員23人がモデル区間設置予定箇所を視察。午後から竹富町離島振興総合センター会議室で同連絡会議を開き、同区間とフェンスの設置を確認した。