クリーンセンターの焼却炉改良工事実施設計費の財源として2021年度当初予算に盛り込まれている防衛省予算について、3月定例市議会で審査した総務財政委員会(砥板芳行委員長、8人)は「民生安定施設の助成金」とのみ説明を受けていたため、与党の砥板委員長ですら防衛予算と認識していなかったことが22日、分かった。取材に「民生安定は防衛用語ではない。与野党の全員が認識していなかった」と明らかにした。
平得大俣への自衛隊配備計画では石垣駐屯地建設計画に伴って、市の事業に防衛省予算が活用されるのは今回が初めてとなる。市議会一般質問で同日、総務財政委員の宮良操氏が取り上げ、「議会や委員会、地元にどう説明したか」とただした。
これに天久朝仁市民保健部長は議会への説明について一般質問への過去2回の答弁で「民生安定助成金」を紹介しながら「常任委員会では簡潔明瞭な説明が求められており、これに沿って対応した」と述べた。
総務財政委の予算審議で説明を行った大城智一朗環境課長は「民定安定施設の助成金。クリーンセンター実施計画補助金2640万円。クリーンセンター焼却炉基幹改良工事の実施設計分の補助金額となります」と当時の説明メモを読み上げた上で「その際に議員から質問がなく、理解していただいたものと判断していた」と答弁した。
中山義隆市長も「民生安定助成金が防衛予算であることは議員も議員生活が長いので十分理解していると思う」「名目上分かるように民生安定施設助成金と(予算書に)書いているので、その時点で議員が『防衛予算か』と聞けば『はい、そうです』という話になった。今後、民生安定という言葉が出てきたら防衛予算かと聞いて下さい」と暗に議員側の不十分なチェックを批判した。
宮良氏は「クリーンセンターの周辺地区が反発するから、こういう形になったのではないか」と疑問視、「勉強不足は認めるが、当局側ももっと丁寧な説明をすべきだ」として質問を終えた。