作付面積、出荷量とも右肩上がりで増加していたパイナップルが1月から2月にかけての寒波の影響で計画の8割程度の出荷となる見込みとなっている。冬の寒さが影響し、すでに収穫が終わっているソフトタッチ(ピーチパイン)とボゴールで規定の重さに届かなかったり、変形など規格外が多く出たことによる。6月上旬から収穫が始まり、これから最盛期を迎えるハワイ種も少雨による小玉傾向が心配されている。
JAおきなわ八重山地区営農振興センターによると2021年の同地区の計画では、ソフトタッチ25万玉、ボゴール76万玉、ハワイ種23万玉など合わせて126万2580玉、1190㌧を予定していたが、収穫が終了しているソフトタッチで20万玉、ボゴールで60万玉といずれも計画の8割程度にとどまっている。
これから収穫のピークを迎えるハワイ種について営農振興センターの担当者は「不確定要素があり予想が難しいが、こちらも8割程度になるだろう」との見方を示し、全体でも2割減の96万玉程度となりそうだ。
農家の男性は「ボゴールは最初のころと最後の方はよかったが、ピークのころに小玉となったのが痛い」と話し、別の男性は「ハワイ種はこれからだが、寒さで葉が枯れた影響が出ている。直販での注文はすでに入っているので全員に対応できるか心配だ」と懸念を示した。
JAおきなわでは、出荷量全体の8割程度を占める主力品種のボゴールとハワイ種にそれぞれ「ポコットパイン」「ジュワリーパイン」の新しい名称を付けブランド力向上と消費拡大を図る方針を示しているが、生産農家や関係者らは「台湾産パインの参入と不作、新型コロナの三重苦だ」と不透明なパインの行方に不安を募らせている。