石垣市の中山義隆市長は21日午後、観光シーズンの7月1日から12歳以上の来島者に対し、市の条例に基づき新型コロナウイルスのPCR検査などを義務付けると発表した。陰性証明した来島者には市の事業「あんしん島旅プレミアムパスポート」を発行、市内事業所で割り引きなど優待特典を受けられる。
検査の義務化は市新型コロナウイルス感染症等対策条例の3~5条に基づき、市民と来島者を対象に行う。同条例に罰則と強制力はない。島外渡航が短期間の市民には帰島後1週間、会食など自粛を求める。
パスポート事業は人流再開後の感染拡大を防止する観点で、感染防止と経済の両立を図ることが目的。7月1日以降、市条例に基づき空路で帰省・帰任含む来島者に▽出発前72時間以内のPCR検査、抗原検査での陰性証明▽2回のワクチン接種証明―いずれかの掲示を求め、要件を満たした来島者に滞在日数を有効期限としたパスポートを発行。宿泊、飲食、観光施設などの事業所で割り引き等を受けられる。
石垣市教育委員会で行われた会見で中山市長は「5月の苦い経験を二度と繰り返さないよう、より実効性のある観光振興策を打ち出す」として同事業を発表。「来島者には一律に来島前のPCR検査、抗原検査を義務付ける。来島前の検査は自費だが、パスポートで負担額同等かそれ以上のサービスが受けられる」と強調、協力を求めた。
同事業の協力店は、市が定める感染症対策を行う。21日時点で対象店は101店舗だが、開始までに300店舗へ拡大を目指す。
同パスポート発行の手順は事前に陰性証明などを受け、南ぬ島石垣空港ロビーに設ける特設ブースで証明書を掲示した後、パスポートを受け取る。ブースは7月~8月末までの期間中、午前8時~午後8時まで設け、常時2~3人の委託業者が窓口を担う。同事業の関連予算額は約900万円。