宿泊業、レジャー業で観光繁忙期となる7~8月の予約状況が低迷している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う県の緊急事態宣言、石垣市の非常事態宣言が影響し、夏場に向けての予約ラッシュはない。観光業にとって夏場は書き入れ時。関係者には危機感が漂う。
市内のホテル業界では現在、5月のゴールデンウイーク以降、来島客が減る一つの閑散期に入っている。コロナ禍を除けば6月の動きとして例年通りだが、異変も。「予約ラッシュはない」と語るのはリゾートホテル担当者。
コロナ禍以前の6月だと繁忙期に向けて予約が殺到したが、ことしの予約の伸び率は低調だ。県内のコロナ感染拡大が連日、関東圏のニュースで報道されていることが要因と見ている。
ただ、県内ホテルの予約状況で八重山は宮古島市に次いで良く期待感もある。コロナワクチン接種を終えた人が旅行に行く傾向など好材料も感じているが、同担当者は「県内の状況が状況なので、明るく見ていいのか分からない」と不安げだ。
市内の新型コロナ感染拡大を受け、八重山ダイビング協会は6月1~20日までの間、営業自粛を決定。自粛中のあるダイビン事業所では、市内の感染拡大を受け常連客が6月分の予約をキャンセルする傾向にある。中止客は教員・保育士・医療関係者が多い。
キャンセルの動きは7月末にも及ぶ。ある常連客は「この状態では行かないほうがいいね」と7月の4連休での予約を中止。マリン業者の男性は「このまま6月20日で緊急宣言が解除されるのか分からない。キャンセル料は取らないので、ぎりぎりまで様子を見てと客に伝えている」と話した。
昨年7~8月の八重山入域観光客数のうち、7月は対前年同月比63・5%(9万2501人)減の5万3282人、約1カ月間に及ぶ県の緊急事態宣言が発令された8月は対前年同月比74・4%(11万8311人)減の4万745人だった。