約100年に渡り市民の台所として親しまれてきた石垣市公設市場が18日、装いを新たにリニューアルオープンした。改装に伴い店舗数は約2倍に増え、店内飲食も可能に。関係者は食育や島の生活文化を体験できる新たな観光スポットとして期待している。公設市場は近年、市民ニーズや客層の変化により、市民の来場が減り、地下1階生鮮売り場の店舗数減少が課題となっていた。(8面に関連)
市は2019年度に改装工事に着手。国の一括交付金約1200万円で精肉、鮮魚店にHACCPに沿った加工場を設置。20年度には市の一般財源約2850万円で生鮮売り場を改装した。総事業費は約4000万円。
リニューアル前と比べ、テナント業者は12業者増の26業者に増加した。地下1階は17業者(8業者増)、1階6業者(3増)、2階3業者(1増)の内訳。現在は精肉・鮮魚店のほか、土産物店、ハンバーガー店、スイーツ店などがひしめく。
このほか、地下1階にフードコートを整備、最上階の2階にはイベント広場「青空市場」を設置し定期的にイベントを開く予定。
同日午前、ユーグレナモール内にある公設市場前で行われたセレモニーで中山義隆市長は「先人である商人の皆さまが築き上げた多大な功績と志への敬意を忘れず、郷土の発展に寄与する使命を担った施設として、公設市場がますます親しまれることを期待する」と式辞を述べた。
指定管理者・石垣市物産公社の宮城龍二社長は「地元の新鮮な農産、海産、特産物を堪能してほしい。観光客、島の方も利用を」とPR。石垣市商工会の下地寛正副会長は「魅力ある商品を販売することで、新たな観光拠点として多くの観光客、地元の方の来店を期待する」、石垣市中央商店街の仲本勉理事長は「協力しあって、近辺の商店街を活性化したい」とそれぞれ期待を込めた。
その後、午前9時30分に公設市場がオープンし、全館で割引価格での販売を実施するなどキャンペーンを展開した。
公設市場は1899年、魚市場として設置。1904年に現在地へ移転し、87年には半地下構造に改築した。今回のリニューアルで34年ぶりの改築となる。