公共下水道を処理している石垣西浄化センター(新川)に、くみ取り・浄化槽の汚泥を受け入れることのできる共同施設が完成し、18日から運用を開始した。公共下水道以外のくみ取り・浄化槽汚泥を処理するし尿処理場(大川)は、供用開始から49年で耐用年数と処理能力が限界に近づいていることから、市は浄化センターに共同施設の整備を進めてきた。今後、汚水の一元管理と共同処理が可能となる。
浄化センターは、供用開始区域内で下水管に接続した家庭から送られてくる生活排水などの汚水を直接処理する施設。し尿処理場は供用区域外の家庭や下水道に接続していない供用開始区域内の家庭からバキュームカーで運ばれてくるし尿・浄化槽汚泥を処理する施設。
供用開始区域の拡大に伴ってくみ取りし尿と浄化槽汚泥は減少していくため、し尿処理場に大規模な改築費用を投じることは不経済になるとして、市は2014年度から共同で利用可能な施設を下水道事業で整備できる「汚水処理施設共同整備事業(MICS)」に県内で初めて取り組んだ。
ことし3月までに汚泥消化設備、し尿受け入れ設備を完備した。し尿受け入れ量は1日当たり20・1立方㍍。処理後に発生するメタンガスは乾燥機のボイラー燃料として再利用され、残さについては乾燥工程を経て堆肥として農地に還元される。総事業費は34億7443万円で国庫補助は66%の22億8215万円。
この日は運用開始式があり、中山義隆市長は「汚水処理施設の一元管理と集約・共同処理による効率化が図られ、受け入れ過大となっている現し尿処理場の適正運用が可能となる。本市の公衆衛生環境が向上し、まさに美ら海を守る施設となる」と期待した。