八重山古典民謡保存会那覇支部が、25日から名称を「那覇八重山古典民謡保存会」に変更して活動することになった。関東支部は東京八重山に、東海支部は東海八重山にそれぞれ変わる▼同支部は1979年に結成され、今年で35周年を迎えた。全国で活動を展開する会員は、八重山古典民謡の研究に大きな功績を残した大濵安伴先生著「声楽譜附八重山古典民謡工工四」に基づき、八重山の島々に伝わる伝統音楽の継承と普及発展に努めている▼名称変更は、近年の懸案事項だった。これまで独立した組織でありながら、各支部が公演活動などで公的機関を使用する際に、上部機関の証明を求められることがあったことから、石垣市の本部保存会の理解を得て改称が決まった▼今年は結成35周年の節目の年。記念して9月21日午後6時から那覇市民会館で「先師顕彰公演」を開催する。組織の発展に力を尽くした大濵安伴、大濵みね、糸洌長良、森田孫榮、並里吉昭、通事安京6氏の功績をたたえる▼八重山古典民謡は、八重山の風土と暮らしを豊かな感性により美しい叙情で詠い上げる。詩句のすばらしさと旋律の美しさは、愛好家を魅了してやまない▼次の時代へ正しく継承するにはどうするのか。変化の激しい現代社会の中で後継者の指導育成を担う同会の役割は大きい。(鬚川修)
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