中高齢者に良い運動のひとつが自転車。ひざへの負担が少なく、バランス感覚を保てる。減量効果も抜群で、周りの人に勧めているが、賛同するものの、実践者はいまひとつ▼理由は「暑い」。女性だと「紫外線が怖い」「犬が怖い」らしい。確かに八重山の紫外線は強烈だ。美白に自転車は大敵という。完全防備の対策で乗れば、たちまち呼吸困難▼もうひとつの理由、「犬が怖い」は理解できる。以前は放し飼いが多く、ルンルン気分で出かけても、自転車乗りは犬に追いかけられ、かまれたり、転んで血を流すケースも少なくなかった▼さらに捨て犬も後を絶たず、名蔵では一時、野犬化した群れが家畜を襲った。筆者も白水地区で十数頭の犬に追われ、「殺される」と思った。また川平では、バイクで走行中、道路横からいきなり追いかけてきた犬に驚いて転倒、多額の修理代に泣いた▼最近は犬をめぐる事故や補償問題が大きく取り上げられたり、小型のペット犬を飼う人が増え、マナーも大幅に向上している▼しかし市街地を少し離れると、畑や牧場などの番犬が徘徊(はいかい)しているのを見かける。都市部では、自転車乗りが犬を恐れるというケースはあまり聞かない。誰もが安心して自転車で運動できる環境を望みたい。それにはペットを飼う人の協力が必要だ。(黒島安隆)
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