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「旬ですが…」 カツオ漁に異変

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水揚げされたばかりのカツオを本島に出荷するため箱詰めする業者=17日午前、八重山漁協

 今月からカツオ漁のシーズンに入り、石垣島近海でも一本釣りされた新鮮なカツオが連日水揚げされているが、今年のカツオ漁は事情が違う。例年に比べ、海水温が低いなどの影響で全国的にカツオが不漁となり、漁獲量が低下。地元漁師は「漁獲量は少ない。ひたすら漁に出続けるしかない」とため息交じりに話す。市内の鮮魚店では「旬なのにカツオが少ない。出回らない店もある」と困惑している。(砂川孫優記者)

 

「探すしかない」

 

 16日午前、石垣島から北東3・2㌔の海域で漁を終えて帰港した第一源丸の上地肇船長(56)は「12日からカツオ漁をスタートさせたが少ない。(1回の出漁で)例年は1㌧から2㌧の水揚げがあるが、きょうは300㌔程度」と話す。

 上地船長によると、漁獲量が少なくても浜値は1㌔300円と変動しないというが「不漁が続けば需要と供給のバランスが崩れる場合も考えられる」と危機感。

 あずさ丸の金城一雄船長(63)は17日午前に帰港。この日は石垣島から南東約24㌔の海域で1・2㌧のカツオを水揚げしたが表情は浮かない。

 金城船長は「カツオが漁場にいない。ひたすら探すしかない。生活がかかっているので出漁する以外はない」と焦りが感じられた。

 

郡外から注文も

 

 市内の鮮魚店の女性店員(40)は「漁が始まったばかりかもしれないが(カツオが)出回っていない。こんなに少ないのは初めて」と驚く。

 カツオのなまり節を販売する女性代表者(57)は「不漁が続けばマグロに切り替えるかもしれない。全国的な漁獲量低下で本島や宮古から注文が相次ぎ、作業に追われている」と汗を流す。

 店を訪れた50代の女性客は「地元のおいしいカツオは本土の知人に毎年送り、喜ばれている。水揚げが少なくなってほしくない」と残念がった。

 八重山漁業協同組合では「全国的にカツオが不漁だが、今のところ漁獲量や値段に変化はない。今後の動向を注視したい」としている。


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