石垣市がまちなか親水広場整備事業で整備した新川川なたつ橋西側の井戸「ナータジーカー」で22日夕、井戸水くみ上げ式が行われ、井戸に設置されたポンプから勢いよく水が出ると、式の参列者から「おー!」と歓声が上がった。
同事業は市内にある井戸を復活させ、街中の観光スポットとしての利用や市民の憩いの場、災害時の水利用を図るのが目的。
昨年7月30日から8月16日まで公募し、その中の9件から、復活の可能性や災害時に水利用ができることなどをクリアした5カ所を整備した。
このほかの井戸は「カジヤーヌカー」(新川)、「キナヤヌカー」(登野城)、「まつむとぅ家」(同)、「大浜郵便局」(大浜)。
ナータジーカーは、井戸主の大工昌慶さん(72)の祖先が約230年前に住民の飲料水用として掘った井戸といわれる。集落の西側にあったことから「インヌカー(西の井戸)」とも呼ばれ、市上水道ができるまで利用されていた。
式では中山義隆市長が「夏の暑い時期には観光客や学校帰りの子どもたちに水を出して涼をとってもらいたい」とあいさつ。
大工さんは「素晴らしいスポットができ、昔のような井戸端会議が復活するのではないかと楽しみにしている」と話した。
井戸水は水質検査が行われておらず、利用は飲料以外となる。