石垣に寄港したことしのクルーズ船は、昨年の132回(35万3597人)を大幅に下回る107回となり、来島者数は29万人前後にとどまる見込みだ。年内のクルーズ船寄港は26日の「スーパースターアクエリアス」で終えたが、暫定供用を開始した南ぬ浜町(石垣港新港地区)のクルーズ船専用岸壁の延伸工事が進むなか、官民挙げたハード・ソフト面の充実による満足度の向上が求められそうだ。
石垣市港湾課によると、寄港回数107回のうち、寄港数が多かったのは、スーパースターアクエリアス(総㌧数5万1309㌧)40回、スーパースターヴァーゴ(同7万5338㌧)17回、マジェスティック・プリンセス(同14万3700㌧)12回、サン・プリンセス(同7万7441㌧)11回と続いた。
2隻の船が同時に寄港する「ダブル寄港」は8回あった。
市によると、八重山の入域観光客数を下支えするクルーズ船に対して来年は、新たな船会社の参入で寄港需要の増加を見込んでいる。
さらには、国内最南端の拠点港として、20万㌧級のクルーズ船が接岸可能な延伸工事、稼働式エプロンルーフなどの付帯施設の整備が進んでいる。
クルーズ観光について市観光文化スポーツ局の大嵩久美子局長は「ことしは悪天候による外的要因などで寄港が減ったが、施設整備のハード面に加えて、民間事業所がさらにクルーズ客を受け入れるソフト面の強化が必要」と振り返る。
市港湾課によると、11月末時点での寄港回数は104回、来島者数は28万6495人で前年を大きく下回っているが、来年は185回の寄港が計画されている。大嵩局長は「受け入れ態勢を民間と行政双方で協力してさらに高めたい」と展望した。