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土肥氏らが状況確認 大兼久古墓群

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岩陰墓で人骨の状況を確認する土肥直美氏(奥)と市教委文化財課の大濵永寛主任=26日午後、石垣市川平

 来年度に建設を予定している川平地域の認定こども園整備を前に、石垣市教育委員会文化財課(下地傑課長)は確認されている大兼久古墓群(おおかねくこぼぐん)の発掘調査を行っている。

 同課によると、自然の岩陰を利用した囲い込み岩陰墓7基と、琉球王府時代に船が出る際に航海安全を祈願した場所とされる拝所があり、人骨のほかに沖縄産の無釉陶器や施釉陶器、きせる、かんざし、寛永通宝などが出土。沖縄産の灰釉わんや白化粧わんが確認されており、年代は18世紀から19世紀と推測される。7基のうち1基からは、ガラス製ビーズや金属製の小盃なども見つかっている。

 岩陰墓では、複数の人の骨が奥に集中し、手前に空間があるものや、長めの骨が入ったパナリ焼のつぼが置かれている状況などが見受けられた。

 同課では来年1月中旬ごろまで調査を行って来年度、出土品を接合するなど整理し、報告書を作成する予定。

 26日には、形質人類学を専門に沖縄の人骨を研究をしてきた土肥直美氏(73)=元琉球大学医学部准教授=が人骨の状況を確認し、「崖葬で石垣島でもよく見られるタイプのお墓。長い骨がたくさん残っているので、体つきなども推測できると思う。あまりはっきりしていない当時の葬り方のヒントが得られるかもしれない」などと述べた。

 同課記念物係の大濵永寛主任は「古墓の調査は以前野底で行って以来で件数自体が少ないので、貴重なデータが得られるのではないか。興味がある方は見学も可能なので、問い合わせてほしい」と話している。連絡先は同課(83ー7269)。


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