「名勝川平湾及び於茂登岳保存活用計画策定委員会」の第1回会議が5日午後、石垣市教育委員会であり、川平湾と於茂登岳の現状を確認したほか、保存活用の基本的な考え方について委員が意見を交わした。
1997年9月に国の名勝に指定された川平湾と於茂登岳は、市の関係部局との調整ができず当時指定できなかった範囲を2015年と16年に追加指定した。
事務局の市教委文化財課は、指定範囲の拡大や07年の西表石垣国立公園の編入、指定地内に所在する指定文化財や貸付地、造林事業地、分収林地などのほか、計画策定にあたっての留意点などを説明した。
保存活用の基本的な考え方について委員からは「海岸部から森林部にかけての連続した自然環境は、周辺生物にとって重要。ゾーニングを検討するのであれば、植生の状況や生物の分布などを考慮した上で考えてもらいたい」「本土からの移住者はここの文化は関係ないと考える人も多い。どこまで細かい議論ができるのか。難しい面がある」「指定場所が持つ社会的意味を整理し、訪れた観光客が与える負荷などを吟味した上でないと、活用を考えるのは厳しい」「計画の中でモニタリングの事項を盛り込んで、変化を常に把握することが大事」など、多様な意見が上がった。
来年2月ごろに開催予定の第2回会議では、現地視察や現状変更などの取り扱い基準、地区区分案の検討を行う。
会議に先立ち石垣安志教育長が委員11人に委嘱状を交付。委員長に元文化庁記念物課主任文化財課調査官の花井正光氏、副委員長に元石垣市教育部長の松島昭司氏を互選した。
委員長と副委員長を除く委員は次の通り。
宮城邦治、佐々木健志、波多野想、島村賢正、大田静男、藤田和也、大得英信、山田善博、野底由紀子