【与那国】議長不在が続いている開会中の9月定例与那国町議会は、2日午前10時から議長を決める選挙を5回行ったが決まらず、3日続けて未決が続いている。議長選はこれまで計19回行われ、町議会事務局によると過去最多だという。一方、議長が決まらなかった場合は議会機能の停止で議案の上程ができないほか、県内の議長で組織する県町村議会議長会や八重山三市町で構成する八重山市町村圏事務組合の総会などにも影響を与えそうだ。町議会は3日午前10時から開会して引き続き議長選を行うが、与野党とも「落としどころがない」としており、異常事態が続く見通しだ。
この日の議長選は、与党の前西原武三氏と野党の田里千代基氏が無記名投票で5回連続して同数の最多得票となり、地方自治法により「くじ引き」で当選者を決めたが両者が辞退を続けた。
現状に町議会事務局の米城資晴事務局長が午前の議長選終了後、県内の他市町村議会で与那国町議会と同様に議会勢力の過半数割れを懸念して議長職を譲り合った過去の資料などを町議に配布し、早期の議長決定を促す異例の場面もあった。ただ、14日間で予定している会期で議長が決まらなかった場合、臨時議会を開いて引き続き議長選を行う可能性も高まっている。
先が見えない議長選について与党の前西原氏は「明日、明後日も結果は一緒。議員も感情的になっている」と話し、田里氏は「町民には迷惑をかけているが、今後3年間の外間守吉政権を打開するため野党として責任を果たしたい」と述べた。
今議会には不在が続いている教育長の人事案件が外間町長から上程される予定だが、与野党双方の議員は「教育長人事の賛否だけが問題ではない。今後の町政運営を左右する大事な議長選」と話した。