9月10日の「世界自殺予防デー」にちなんだ自殺予防週間「命どぅ宝~かけがえのないあなたへ~」が同日から始まり、八重山保健所が相談機関を紹介するレスキューカードを市内のスーパーやコンビニなどを通して配布するなど予防啓発活動を展開している。自殺のキーワードは「孤独」とされており、保健所では「一人一人が自分や身近な人の危機に気づくこと、相談できる人とつながることが大切」と呼び掛けている。 保健所によると、八重山圏域では2009年から17年までの9年間で119人(男性99人、女性20人)の尊い命が自殺で失われた。2013年以降、増加傾向にある。40~50代の男性の自殺が多いのが特徴。
県が14年度に実施した自殺対策に関する意識調査では、八重山圏域は、自殺者数の現状について知っている人の割合が35・7%と県全体の48・3%に比べて認知度が低い。うつのサインに気づいたときの適切な対応を知らない割合も他圏域より低いという。
県民のストレス解消法として、男性は「酒を飲む」との回答が最も多いが、飲酒は思考・判断力を低下させ、長期的に抑うつ状態を引き起こすことから自殺のリスクを高めると言われている。
保健所は「自殺の背景にはさまざまな要因があり、自殺に追い込まれるという危機は『誰にでも起こりえる危機』」として予防対策の重要性を訴えている。
県合同庁舎1階石礁ホールと市立図書館で自殺予防に関するパネル展が開催されており、それぞれ14日、28日まで。