「タイムカプセル」というと、多くの学校で卒業記念行事として行われている。ほとんどが、開封時期を成人式に合わせており、新成人の楽しみのひとつ▼何度か開封光景を見たことがあるが、誰の目もキラキラ輝いている。子ども時代の「宝物」を何度も触り、感激のあまり涙を流す人もいる。亡き親に宛てた手紙があると、もらい泣きする▼先日、久しぶりに県営浦底農道を通った。東部の星野地区から西部地区の桴海太田を結ぶ山越え道路だ。結婚を許されなかった桃里村の女と桴海の男の悲話伝説の地だ▼浦底農道は1986年(昭和62年)に整備されたが、その山の谷間に架かる浦底橋には、タイムカプセルが埋められている。橋のコンクリート打ちの前に、住民から募った「思い出」を密封容器に収めた▼県職員は2~3年で転出、当時の職員の中には定年退職した人も少なくない。担当課に記録はあるが、この話を知らない職員が多いと思う。県は絶対に忘れないでほしい▼橋の中のタイムカプセルには、筆者の家族写真や手紙もある。橋の架け替えは60~70年と聞いた。開封時にはこの世にいない。手紙は子孫に宛てたものになる。自分の人生の一部が残るというワクワク感、もっともっと欲しい。あらゆる公共施設に市民の思い出を収めることを要望したい。(黒島安隆)
「タイムカプセル」というと、多くの学校で…
平田君が日本水産社賞 海とさかな作文コンクール
第32回海とさかな自由研究・作文コンクール(主催朝日新聞社・朝日学生新聞社)の表彰式が7日、東京都中央区のロイヤルパークホテルで開かれ、創作部門(作文)で平真小学校3年の平田誇(ほこる)君の作文「海の声が聞きたいな」が日本水産株式会社賞を受賞した。
平田君は9日、同校で受賞報告を行い、「海をきれいにしてほしいと思って書いたので、受賞できてうれしい。来年はもっと良い賞を受賞できるように頑張りたい」と笑顔をみせた。
副賞の図書カード5万円分をアンパルの自然を守る会の西村友三郎共同代表に手渡し、「掃除の神様から賞をもらえたので満足。海をきれいにする人々に使ってください」と話した。
作品は、新聞配達の最中に道路のごみが海に流されないかと心配し、自らごみ拾いを実践した体験をつづっている。
松原範夫校長は「この賞が学校の子どもたちの励みになる。これからも頑張ってほしい」と激励した。
コンクールには全国の小学生から3万1159点の応募があり、17作品が表彰された。
「ぴてぃし」が準優勝 JAキッズ野菜料理コン
第6回JAおきなわキッズ野菜料理コンテスト2013決勝大会(JAおきなわ主催)が7日午後、地区予選を通過した代表9チーム(各組4人)が出場して那覇市の沖縄県学校給食会であり、八重山地区代表の「ぴてぃしチーム」が準優勝に輝いた。
「大切な人に食べさせたい思いやり料理」をテーマに沖縄県産の野菜・果物を使い、料理の腕を競った。
ぴてぃしチームは、石垣牛とアダンの黒紫米ずしの「マーハヌ御膳」と、島カボチャを混ぜた「クーガーシ紅芋蒸しケーキ」2品を1時間30分で仕上げた。
メンバーは赤嶺丈次くん(白保小5年)、坂東篤磨くん(同)、加屋本明華(てりは)さん(登小5年)上地端姫(みずき)さん(同)。
秘密保護法成立に抗議 労組や政党などが緊急集会
【那覇】機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法の成立に抗議する緊急集会が9日午後、那覇市の県民ひろばで開かれた。県内の労働組合や政党、沖縄平和運動センターなどで構成する基地の県内移設に反対する県民会議が主催。廃止に向けて取り組んでいくことを確認した。
同センターの山城博治議長は「天下の悪法がついに国会を通過した。何が秘密でどんな刑罰があるのか。すべてが秘密でどこで息をすればよいのか」と訴え、「全国民の闘いにして廃止にすべく、沖縄から闘っていこう」と呼びかけた。
社大党委員長で参院議員の糸数慶子氏は「残念ながら時間をかけずに成立してしまった。悔しい思い」と振り返り、基地の辺野古移設容認を含む公約に転換した県選出の自民国会議員を批判。「国会内外で廃止に追い込むために頑張りたい」と決意を表明した。
共産党県委員長で衆院議員の赤嶺政賢氏は「最大の問題は秘密の中身、範囲を広げることにある。国家権力が情報を握ると、大本営発表にしかならない」と危惧し、集団的自衛権との関係性も指摘。「絶対に撤回させないといけない」と強調した。
集会は、約150人が参加。「秘密保護法反対」「憲法を守れ」などとシュプレヒコールを繰り返した。
建設場所を変更へ 福祉避難所整備で石垣市
災害時に支援を必要とする高齢者や障がい者らが避難施設を兼ねた交流施設「福祉避難所兼ふれあい交流施設」の整備事業で石垣市は、建設場所の変更を検討していることが9日、分かった。今年3月にまとめた基本計画で県家畜保健衛生所跡地の市有地2212平方㍍を明記したが、おおかわ幼稚園西側にある県八重山農村青少年教育センターの敷地(市有地)で整備できないか県と調整している。
同センターは大川公民館、おおかわ幼稚園を含む市有地4950平方㍍内の一角1363平方㍍にある。市福祉総務課は幼稚園が登野城小学校に移転する将来構想を見込み、市有地の一体的な利用を図る観点から同地での整備を目指している。
ただ、施設は国庫補助を受けて整備したことから、現段階では取り壊しができない状況。県と協議した結果、同センターの使用目的となっている研修、調理、土壌検査が別の施設でも行える可能性があることが分かったため、撤去しても補助金の返還がないよう県が調整を進めているという。
市は2013年度の実施設計、15年度の着工・完成を予定していたが、ずれ込む見通し。13年度予算に盛り込まれた設計委託料2228万円について市は、12月補正で減額している。
補正予算案を審議した総務財政委員会(平良秀之委員長、委員7人)で、大浜方信福祉総務課長は「設計業務をいったん中止して次年度以降に行いたい。事業が遅れることは申し訳なく思っているが、市有地を一体的に活用したい」と説明した。
委員からは「一括交付金の使い方として課題がある。この予算を水に流すことになる」「当初計画が甘いと言わざるをえない。もったいない」との指摘があった。
源泉徴収業務怠る 国税の指摘で発覚
竹富町(川満栄長町長)が委託料や報酬支払いなどの際に所得税の源泉徴収を行わず、沖縄国税事務所から支払いを求められていることが9日、町議会12月定例会の質疑で判明した。町は過去5年にさかのぼって源泉所得税と加算税、延滞税を納付するため、総額838万円を補正予算案に盛り込んでいる。川満町長は「このような結果になってしまい、深く町民におわびしたい」と陳謝したが、異例の事態に町議からは町の責任を問う声が相次いだ。
源泉所得税は、法人を除く個人や事業者に対して報酬・委託費などの支払者(町)が所得税を差し引いて徴収し、国に納付するもの。
国税事務所の指摘では、2009年度以降87件で源泉徴収が行われておらず、町は源泉所得税738万円と加算税69万円、延滞税19万円を納税しなければならない。源泉所得税については報酬や委託費を受けた事業者から年度内に徴収するが、加算税と延滞税は町予算で捻出する。
川満町長は「町が(徴収義務を)怠ったため、町の財源から捻出して支払っていくことに理解をたまわりたい」と理解を求めたが、新田長男氏は「町税から出すのは納得できない。当局の不手際だと感じているのであれば、責任の所在をしっかりすべきだ。そうしないと町民に説明がつかない」と追及した。
川満町長は「各課長を含めてこの問題にどう対応するのか協議し、会期中に道筋を示したい」と述べ、13日の最終本会議までに対応を検討し、報告する考えを示した。
事業者から徴収するとした源泉所得税について町議は「確実に徴収できるのか」(嘉良直氏)、「徴収できなかった場合はどうするのか」(島仲秀憲氏)と疑問視、西原章啓総務課長は「年度内に徴収義務者として義務を果たせるように努力する」と答えた。
また、質疑の中で川満町長は「正しいという認識のもと事務処理を行ってきた。監査委員も気が付かなかった」と答弁したが、休憩中に監査委員の新博文氏から「監査の段階で気が付くはずがない」と指摘されたのを受け、再開後に発言を撤回、謝罪した。
防衛や外交、治安に関する国の広範な情報を…
防衛や外交、治安に関する国の広範な情報を「特定秘密」に指定し、漏えい者に重罰を科す。国民の知る権利と発言の自由がふさがれ、物が言えない国になるとの警戒感が強い特定秘密保護法が、安倍政権で成立した▼マスコミや日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、学者グループなど国民の懸念の声があるにもかかわらず参院本会議での強行採決。赤信号みんなで渡れば怖くない的に〝付和雷同〟した自民、公明両党の賛成多数で可決、成立させた▼安倍政権には〝民が主〟の民主主義が本当に分かっていないのではないか。国民の声にも心ここにあらず、民意をくんで民意に従う気持ちは少しも見えない▼秘密法には官僚が恣意(しい)的に秘密を指定する危険性が危惧される。秘密という名のもとに何が起こるか分からぬとの不安が、黒い雲のように国民の心におおいかぶさる▼冷たい政権が次に打ち出すのは何か。日米同盟強化と米軍と自衛隊の一体化推進。集団的自衛権の行使容認などの動きから、識者は憲法改正だと警戒する▼国家権力がどう変わろうとも政治家の声だけがその国の声ではない。民は政権を支えもするが不満ならひっくり返す。対話重視の時代に安倍政権がこれ以上、国民の声に向き合わずとなれば新しい内閣によって人心の一新を図るほかない。(鬚川修)
白保竿根田原を遺跡公園に
■石垣島の古代人の顔復元へ
新石垣空港建設の2010年2月、国内最古の約2万年前の人骨が発掘され、「世紀の大発見」として全国から注目を浴びた白保竿根田原洞穴が、再び市民の高い関心を集めた。それは文化庁予算で同洞穴の遺構確認調査を進めている県立埋蔵文化センターが先月30日、新空港開港後初の一般公開を行い、翌12月1日は講演会を開き、石垣島には約2万8千年前から人が住み、同洞穴は約1万5千年も人が使っていた可能性を明らかにしたからだ。
同洞穴からは現在も頭骨の骨片や歯などが次々出土。そのうち1万6千年—1万8千年前の地層から発掘された頭蓋骨については保存状態が良好なことから、当時石垣島に住んでいた古代人の顔を復元する作業が進められているという。これが復元されると県内では港川人に次ぐ2例目になる。
そこであらためて提案したいのが同洞穴を遺跡公園として整備し、子どもたちの学習の場や観光資源として活用できないかということだ。那覇市は旧石器時代最古級の遺跡として知られる「山下町第一洞穴遺跡」を本年度から2カ年の事業で遺跡公園として整備している。竿根田原洞穴も期待したい。
■2万8千年前に渡来
2万年前の人骨は07—08年にかけて発見された9点の人骨を直接分析した結果分かった。それまで最古とされたのは3万2千年前の那覇市の山下町洞人、1万8千年前の八重瀬町の港川人。しかしそれは一緒に発掘された炭化物から推定したもの。骨片を分析した結果では約1万4千年前の静岡県浜松市の浜北人が最古だった。
この発見は「サンゴやコウモリの次は人骨? 新石垣空港建設に再び暗雲」と心配させたが、その後さらに国内最古を更新する約2万6千年前の人骨も発見されたものの、幸い同洞穴が空港本体から約150㍍も離れた場所だったため、予定通り工事は進められた。
来年度までの継続で現在、遺構確認調査が行われているが、これまでに800点以上の人骨などが発掘され、石垣島には約2万8千年ごろに東南アジアから人が渡来し、同洞穴に約1万5千年も旧石器人が住んでいた可能性があることは、この土地が当時よほど魅力的だったということだろう。
■日本人のルーツたどる
しかも本土では石器などの生活物は出てくるが、人骨の出土はなく日本人のルーツ解明に大変貴重だとされる。
それにしても不思議なのは、もし場所が三転4転もしないで新空港がカラ岳陸上案で建設されなければ、八重山郡民を2万8千年前の古代ロマンに誘うこの世紀の発見はなかったかもしれない。そこであらためて思うのは、それは新空港建設で長年苦労してきた八重山郡民への古代人からの最大のプレゼントなのだろうということだ。
それだけに同洞穴を「遺跡公園」として整備し、日本人のルーツをたどる八重山の大きな文化遺産として観光や教育に活用することを望みたい。
特に2年後の一般公開をめどに顔が復元される1万6千—1万8千年前に石垣島に住んでいたとされる旧石器人は、同公園の象徴となるだろう。
3選手が全国大会に参加 県代表jrバレーボール
JOCジュニアオリンピックカップ第27回全国都道府県対抗中学校バレーボール大会(主催・日本バレーボール協会など)の沖縄県代表に、八重山から女子の大嶺美里(石垣3年)と具志堅萌子(石垣第二3年)、男子の下野瑞生(大浜3年)の3選手が選抜され、25日から始まる大会に参加する。
3選手は7月27日に行われた最終選考会で男女各14人の1人に選ばれ、これまで週末から日曜にかけて本島で行われた合同練習に参加してきた。10日夕、八重山バレーボール協会の仲地武会長らの案内で中山義隆市長を訪れ、意気込みを語った。
登録選手12人に選ばれた大嶺選手は「チームに支えられてここまで来られた。自分のプレーが全国で通用するか楽しみ。思い切りプレーしたい」、具志堅選手は「小さい私を選んでくれたことは光栄。12人には入れなかったが、みんなとバレーボールができることはうれしい。二中の仲間のおかげで選ばれたので感謝しながら応援し、いろんなことを学びたい」と語った。
下野選手は「高さ、ジャンプ力で勝負し、10月にケガをして12人の中には選ばれなかったが、14人に選ばれたことは誇り。毎週練習に行かせてくれた父母や地域の人たちに感謝し、大会では自分ができる仕事をしたい」と話した。
下野雅道協会理事長は「選手が練習に行くため、個人や企業の皆さんから支援をいただき、感謝したい」と述べた。
大会は26日から静岡などで男子、長野などで女子の予選を行い、27日から2日間、大阪市内で決勝トーナメントを行う。
工事契約をめぐり紛糾 竹富町議会
開会中の竹富町議会(西大舛髙旬議長)12月定例会は10日、本会議を開き、新城島防災施設新築工事契約案など15議案を審議した。このうち契約金額5800万円の同工事契約案ではA・Bランクの11社を対象にした指名競争入札が不調となり、町内Dランクの業者と随意契約したことに質疑が集中し、議会が紛糾。地方自治法施行令の法令解釈や工事業者のランク分けなどをめぐって当局と町議の意見は平行線をたどり、質疑を打ち切る形でこの日の審議を終えた。同工事契約案で町は3日、A・Bランク11社を対象にした指名競争入札を実施。2回目まで3社の入札があったが落札せず、3回目は全社辞退で入札不調となった。
このため、随意契約に切り替えて町内のCランク1社、Dランク2社から見積もりを取り、最も価格の低かったDランクの業者との契約案を上程した。
西原章恵総務課長は「地方自治法施行令第167条の2の8号『競争入札に付し入札者がないとき、または再度の入札に付し、落札者がないとき』を適用して複数の業者から見積もりを取った。県にも指導を仰いでおり、法令上の問題はない」と説明。
これに新田長男氏は「Aランクの仕事をDランクの業者が行うことが可能なのか。指名業者を変えて再度入札に付すという方法は無いのか」、大石功幸氏は「Aランクの仕事をDランクの業者が行えるのであれば、ランク分けはいらない」と町の対応を批判した。
川満栄長町長は「地域からは来年7月の豊年祭に間に合わせてほしいという要望もあり、地元企業を優先して育成していく面からも総合的に勘案した。法律にのっとって粛々と実施していると判断してほしい」と理解を求めた。
町が指導を仰いだとする県市町村課は「日ごろから各種問い合わせを受けており、個人的な相談の範囲、参考という形で電話で応対した。法令解釈の紹介フォームで正式に確認を受けたものではない」と述べた。
また、今回の契約案について入札・契約案件の多い県土木総務課は「各自治体の規定に反していなければ問題ないと思う」という。
発達支援シスの構築を 障がい児もつ親の会が訴え
障がい児をもつ親の会5団体が10日、障がい児(者)の発達に応じて専門的なアドバイスなどを受けられる発達支援システムを構築するよう、中山義隆石垣市長に要望した。「システムは乳幼児期から学齢期、就労期、高齢期とライフステージにわたる支援の入り口。障がい児を含む子育て支援を実効ある形で行うためには必要だ」と訴えた。知念修福祉部長は「全庁的に考えないといけない。前向きに検討している」と回答した。
要請に訪れたのはダウン症児親の会「ぴゅあの会」の矢崎真一さん、肢体不自由児親の会「カラフル」の島内初美さん、沖縄自閉症児親の会「まいわーるど」の長谷部弘美さん、口唇口蓋(がい)裂親の会「シャボンの会」の松田由美さん、手をつなぐ親の会八重山支部の仲松芳子さんの5人。
要請書は▽何らかの支援が必要な子どもがどの年代に何人いるか把握するための情報収集機能▽利用できる制度に関する情報を一元管理して提供したり、専門職が心理的サポートを行ったりする相談窓口機能―の必要性を強調している。
各親の会からは「出産直後に診断されてショックを受けることが多いので、専門的な心理的支援をしてもらいたい」「本島で手術や治療を受けるため、交通費や滞在費など経済的負担が大きく、助成をしてほしい」「障がい児と診断されることにちゅうちょする場合が多いことから、診断がない場合でも支援が受けられる体制をつくってほしい」などの要望が挙がっているほか、「幼少期の適切な療育が本人の生き方を大きく左右する」など切実な訴えもある。
矢崎さんは「障がいの有無にかかわらず発達に関する相談ができる場所があれば」と話した。
輸送費高騰で町民困惑 協栄丸座礁から1カ月
【与那国】11月11日に与那国島北側の六畳ビーチ沖合約50㍍で座礁したミヤギ産業(株)(宮城哲榮代表取締役社長)=那覇市=所有の貨物船・協栄丸(278㌧)は、座礁から約1カ月が経過した9日現在、しけで撤去が困難となっている。座礁で、同島への物資運搬は現在、フェリー与那国が担っているが1社だけでは限界があり、与那国町では、同社と協力して、沖縄本島の船会社に那覇~石垣~与那国間のチャーター船が運航できないか打診している。
同社によると、現場は強い北風が吹き波が高く、二次被害の可能性があることから撤去作業ができない状況。
船体から燃料などの油は抜いてあり、撤去作業は波が穏やかになる春以降になる見通し。また、協栄丸は貨物船として輸送費に軽減措置が取られているが、フェリーは貨客船として軽減措置の対象外となり、物資の輸送費が高騰。「以前に比べ運送費が3倍以上になる商品もある」と町民が困惑。町では、軽減措置との差額の補助についても検討している。同町の外間守吉町長は「町民の生活にも直接影響してくるので、少しでも早く問題の解決に取り組んでいきたい」と述べた。
協栄丸は今年11月11日午前7時30分ごろ、石垣島へ向けて航行中に同所で座礁。石垣航空基地のヘリが出動し、乗組員7人全員を救助。けが人などはなかった。事故原因については、海上保安部が乗組員一人一人から事情を聴いて調査中。
養殖ヤイトハタ、出荷ピーク 八重山漁協
八島小学校東の登野城地区魚類養殖場で生産が行われているヤイトハタ(アーラミーバイ)が出荷のピークを迎えている。冬場を迎え、鍋料理などの具材として需要が高まっており、生産者からは「足りないくらい」とうれしい悲鳴が上がっている。八重山漁協が生産者から買い取って、一元的に管理・出荷を行っているため、一定の品質と価格が保たれており、漁業者の安定した収入につながっているようだ。
同養殖場では八重山漁協ヤイトハタ生産部会(大城徳松部会長)の14グループ約25人の会員が養殖に取り組んでいる。本格的な出荷は11月から始まり、来年3月まで続く。
養殖されたヤイトハタは、漁協が買い取って出荷用いけすで管理。数日間、えさ抜きをして生臭さを除去して品質を均一化した後、加工したり、活締めにしたりして本土・本島向けに空輸している。
漁協が出荷を一元的に管理するようになって、需要に応じて安定供給が可能となっており、例年30-40㌧の出荷量があるという。
出荷サイズは1.5㌔以上。11月29日に2年半ほどかけて育てた3㌔前後のヤイトハタ数百尾を漁協に卸した池田元さんは「夏に大きくして冬に出荷している。養殖は天気に左右されないのが魅力。市が防波堤をかさ上げしてくれたので、台風でも安心して養殖ができるようになった」と喜ぶ。
大城会長は「養殖は順調。前は天気が悪いときに一度に出して勝負するので価格が安定しなかったが、漁協が一元出荷をするようになって価格が安定した。今は安定した収入につながっているので助かっている。頑張りがいもある」と話している。
答弁は正々堂々と
▽…市議会一般質問で長浜信夫氏から不信任決議に対する見解を求められた玉津博克教育長。最初の答弁を前盛善治教育部長に任せたところ、仲間均氏から「あなたが教育長か。ダメだ。教育長が素直に答弁すべきだ」と一喝されてしまった。最初から答弁しておけばよかったのかも。
▽…町役場移転など川満栄長町長の選挙公約をめぐって白熱した質疑が交わされた竹富町議会一般質問。10数年前の会議録を調べるのに時間がかかるのは理解できるが、町のホームページにも掲載されている資料提示に時間がかかり、休憩が連発して2人目の質問が終わったのは午後4時すぎ。タブレットは各課長級にも配布されているのでは?
▽…トックリキワタの花が咲き始め、鮮やかなピンク色の花に県外の修学旅行生からは「12月にこんなきれいな花が咲くなんてすてき」など感嘆の声が上がった。新空港が開港し、観光客が増加している中、キワタの花を数多く植え、名護市や八重瀬町などの「桜まつり」のようなイベントが石垣市でできたら言うことなし。
あれだけの激しい反対にもかかわらず、…
あれだけの激しい反対にもかかわらず、ロクに審議も尽くさずに特定秘密保護法が成立した▼これで自由民主党は国民全ての幸福を目指す国民政党ではなく、一部集団の利益追求のための政党であることが判明した。これは先日、沖縄自民党県連が辺野古移設を容認して県民党でないことを示したことと全く同じである▼米国流にもう少しはっきり言えば1%の富裕層の権益確保のため残り99%の国民の自由を抑圧制限しようとの立法である憲法そのものであり、もちろん憲法違反である。何しろ中身がよく分からないのだ。時の権力の恣意(しい)によっていくらでも、その秘密の内容が変更拡大可能なのだ▼もともとこの法案は米国が米軍の機密を保持するため多数の米軍が駐留する日本に(つまり沖縄)押し付けたもので、安倍政権は「しめた!」とばかりにそれをずるく利用しているのだ▼もし沖縄側が辺野古移設を容認すれば、それこそ日米両政府は巨大米軍基地建設に着手し、それに対する一切の疑問、反対、抗議、情報収集などを圧殺する狙いがあるのだ▼悪法中の悪法である。戦前の治安維持法や特別高等警察(いわゆる特高)を連想する人もいるくらいだ。われわれはあくまでその非を糾断し、一年後のその法の施行を決して許してはならない(八重洋一郎)
「飲酒運転はやめて」 一瞬で幸せ奪う
八重山警察署は10日午後、同署で飲酒運転根絶のための社員教育リーダー養成講座を開き、管内の事業者約20人が参加した。
同署交通課企画・規制係の松川純次係長らが県内の飲酒運転の実態や、厳罰化の経緯などを説明した後、飲酒運転根絶アドバイザーの真栄田絵麻さんが講話した。
真栄田さんは12歳の時に飲酒絡みの交通事故で母親を亡くした経験を話し、「一瞬にして幸せを奪っていった。飲酒運転は犯罪。飲んだら乗らない、させない、許さないを意識してほしい」と時折涙をみせながら訴えた。
心理カウンセラーとして加害者の女性を支援していることも紹介し、「加害者にも深い苦しみや悲しみがある。飲酒運転は肩書も家族も名誉もすべて無になることを忘れないで」と呼びかけた。
「農耕車に注意を」 宮良基幹農道に手作り標識
石垣市と竹富町のキビ作農家や畜産農業経営者でつくる八重山地区農業機械士協議会(高嶺英康会長、会員67人)は、南ぬ島石垣空港の開港で交通量が増加している宮良基幹農道沿い7カ所に「農耕車注意」の道路標識を設置した。
標識は高さ3㍍。ドライバーに注意喚起を促すため蛍光塗料で塗装されている。
この日は竹富町からも会員2人が参加し、計10人で二手に分かれて設置作業を行った。
高嶺会長は「新空港開港に伴い、宮良基幹農道をアクセス道路として利用するドライバーが増えている。宮良牧中から白保に向かうこの地区は、農耕車の走行が多いので、交通事故を未然に防止するため標識を設置した」と話した。
新川川に不法投棄 男性を厳重注意へ
新川川河口の橋下に10数個のごみ袋が不法投棄されたのを受け、河川管理者の八重山土木事務所維持管理班は11日午後、ごみを回収し、その中身から投棄者と思われる男性の氏名と住所を確認した。本人が不法投棄を認めれば厳重に指導する方針。市民からの通報を受けた市環境課の職員も現場で立ち会った。
同事務所の大和田豊主任技師は「河川の安全とごみの散乱が懸念されたため早急に対応した。不法投棄は絶対に止めてほしい」と話した。
県と市によると、年末になると不法投棄が増加する傾向がある。県が管理する川への不法投棄は河川法で禁止されており、市では条例に基づいて指導を実施。悪質な場合は最高1000万円の罰金と5年以下の懲役が科せられるという。
町長、二度も訂正答弁 役場移転議決回数めぐり
開会中の12月定例竹富町議会(西大舛髙旬議長)は11日から一般質問に入り、宮良用範、島仲秀憲、渡久山康秀の3氏が登壇した。町役場の早期移転を求める町議会の議決回数で川満栄長町長の発言が相次いで変わり、二度にわたって陳謝と訂正を繰り返した。質問した島仲氏は「移転期日についてもこれまで二転三転しており、変わり身の速さは見事だ」と町長の政治姿勢を批判した。
町役場の早期移転を求める町議会の議決回数では、島仲氏が「二度の議決があったと川満栄長町長は言っているが、その当時の状況説明を」と追及したのに対し、川満町長は「昭和38年に議員提案で議決されているが、二度議決されたと言ったのであれば、事実は一度なので訂正させていただきたい」と陳謝。
さらに島仲氏が「平成14年10月の町議会で当時の那根元町長が提案し決議されている」と再質問。休憩を取り会議録を調べた後、川満町長が「議決は一度と訂正したが、二度の早期移転が議決されている」と再び答弁を訂正した。
これに島仲氏は「二度の訂正はいかがなものか。歴代町長や議会は自ら動いて役場移転の議決を求めてきたが、川満町長は議会議決にかける意思はあるのか」と述べた。これに対し川満町長は「議会の同意を得るのが難しい現状の中で提案することはできない」と答えた。
宮良氏は文化庁の文化遺産を生かした地域活性化事業(11—13年度)で実行委員会総会を開催せず、収支決算報告がないまま、事業計画などが行われていることを指摘、事業費の使途をただした。
西原啓栄教育委員会総務課長は西表島エコツーリズム協会と西表民俗芸能保存会がそれぞれ事業を実施するとともに、文化遺産体験プログラムやホームページの開発などを外部に委託していると説明。総会を開いていなかったことを詫び、「きちんと説明責任を果たしていきたい」と答えた。
教育長、任期全うを表明 難病患者への助成拡大
石垣市議会の12月定例会は11日、4日間の一般質問の日程に入り、初日は長浜信夫、平良秀之、箕底用一、仲嶺忠師の4氏が登壇した。9月定例会で賛成多数で可決された不信任決議をめぐり、玉津博克教育長は進退について議場で初めて言及、任期中の職務を全うする考えを表明した。石垣市が運営する特産品通販サイトは、初期導入費や維持管理費に対して売り上げが伸びていないことが判明した。がん患者など難病患者の渡航費支援事業は、10月から助成内容が拡大したことが報告された。
教育長に対する不信任決議について長浜氏が「教育行政の最大の汚点だ」と辞任を突きつけた。
玉津教育長は「世間を騒がせてしまい、混乱を生じさせ、市民と議員に深くおわびしたい」と陳謝した上で「反省すべきは反省し、説明すべき事項は誠意をもって丁寧に説明するなどして、残された任期中の職責を全うし、子どもたちの学力向上と将来の人材育成に寄与できる施策を展開していきたい」と述べた。
昨年12月18日からスタートした特産品通販サイトについては仲嶺氏が取り上げ、初期導入費210万円、年間の運営維持費189万円に対し、年間売り上げが約92万円にとどまっていることが分かった。
地元10業者が出店し、10品目を販売。販売手数料は月間の売り上げが10万円を超えた場合のみ10%を支払う仕組み。クレジットカードの決済手数料は3―5%。仲嶺氏は「費用対効果が悪い。手数料は安く、利用者には素晴らしいシステム。もっと広めるべきだ」と改善を求めた。
吉村乗勝企画部長は「計画を実行し、現在はチェックの段階。アイテム数を増やし、テーマを明確にし、生産者の顔がみえるようにしたい」などと答弁し、関係者と連絡会議を立ち上げて取り組む考えを示した。
がん患者など難病患者を対象に昨年10月から開始した渡航費支援事業は、今年10月から助成費が往復5000円から1万円、助成回数が年度2回から3回に増え、同行者についても「小児慢性特定疾患の患者」に限らず認めるようになっている。
質問した平良氏はさらに、県と宿泊費用の割引き協定を結んだ県ホテル旅館組合のほかの宿泊施設の協力も得られるよう、竹富・与那国町と連携して県へ働きかけるよう提案。中山市長も「良い提案なので、町とも連携し、先島市町村会でも強く要望していきたい」と応じた。
公立・認可保育所への第3子以降の入所を認めてこなかった「第3子基準」をめぐっては、知念修福祉部長が来年4月入所に合わせて見直す方針を明言。今月2日で入所申し込み受け付けが終了したのを受け、来年1月以降に空きが出れば入所できるよう対処する考えも示した。箕底氏への答弁。