【浦添】「ようこそ!40回目のサイエンスパーティーへ」をテーマに県内の小中高校、アメリカンスクールの子どもたちの研究成果を発表する第40回沖縄青少年科学作品展(沖縄電力主催)が10日、浦添市民体育館で2日間の日程で始まり、物理、化学、生物、地学、産業の分野から136作品が展示された。初日の表彰式では、平真小学校の山田貴志君(5年)が2年連続の最高賞となる県知事賞、富野中学校の土方海人君(3年)ら3人のグループと石垣中学校の田渕鈴夏さん(3年)が県教育長賞に輝くなど八重山から7作品と優秀指導者1人が表彰された。県知事賞の山田君は、会場内特設舞台の巨大スクリーンを使って成果を発表した。
山田君の研究「フナムシの体色変化の研究」は昨年の生態などについて調べた「フナムシの研究」をさらに掘り下げたもので、環境によって変わる体色の変化に着目。周囲の色や紫外線の影響などさまざまなケースの膨大な研究データをまとめフナムシがどのようなときに体色を変化させるか調べた。細部に及ぶ観察や分かりやすくまとめた実験結果をもとに考察したことが、研究の進め方の見本となると評価された。
土方君、水川滉大君(2年)、比嘉麻美さん(1年)の3人は「飛距離の出る紙飛行機の秘密・第3弾」を発表。実験用に紙飛行機の発射台を自作し、飛ばす角度や力によって飛距離がどう変化するか調べた。同研究は今回で3年目を迎え、前回指摘された点を踏まえて新たな目的を設定し研究する姿勢が認められた。
田渕さんは、継続研究として「名蔵アンパル干潟の生物と環境についての研究Ⅶ~キバウミニナの採餌特性から見た干潟の生態系④~」を出展。希少生物キバウミニナがアンパルでは数を減らすことなく生息することに着目。カヌーに乗って水中マスクを装着し、キバウミニナの生態を実地調査。希少種の生息地保全を進めるためにも重要な研究と評された。
2年連続の県知事賞に山田君は「とてもうれしい。フナムシは、おなかで子どもを育てる優しい面もあるところも知ってほしい」、土方君は「大きな賞をとれてとてもうれしい。入学が決まった沖縄高専でも仲間を募って研究を続けていきたい」、田渕さんは「集大成の研究でこのような賞がとれてうれしい。理科の先生や親に感謝している」と話した。
県知事賞、県教育長賞以外の入賞・入選者は次の通り。
【佳作】
▽「ちょうちょはどんな花がすき?」=山下守、中坂千彩、曽根田藍(以上西表小2年)、山下青生、那良伊しん、平良千姫(以上同1年)
▽「モデルロケット打ち上げ実験その1」=岡部壮良(石垣第二1年)
▽「石垣島名蔵川水系の水質とそこに生息する生物調査 Since 2014~水質の科学的調査および生物調査による河川環境の変化を追跡調査~」=富川あにか、石垣文蘭(以上崎枝中3年)、丸山葵、富川裕二朗、野里実優(以上同2年)、野里慎、國仲賢杜、立津琉人(以上同1年)、仲村速斗(石垣第二2年)、大江ひかる(同1年)
▽「名蔵湾に流入する各河川に生息する個体群同士はメタ個体群も形成しているか」=高嶺萌里、渡邊優奈、大濵海月、赤嶺萌百伽(以上八重高2年)
【入選】
▽「紫外線で何が起こるのか!?~南の島で目指せ美白肌!紫外線エフェクト~」=竹内未来、當銘夏季、横目優希子(以上八重高3年)
▽「水による太陽光発電の電力量の『異変』を探る」=本永健、宮良大地(以上八重高2年)
▽「石垣島の天気~Weather Stationでの観測を通して~」=松浦雅、前盛仁美、亀井悠李菜、渡久山瑚子、前三盛ひまり(以上八重高3年)
【優秀指導者賞】
知花健太郎(富野中学校)