石垣市長選(3月4日告示、同11日投開票)と同時に行われる市議会議員補欠選挙(1議席)で、保守系で会社代表の黒島孫昇(63)=真栄里=と革新系で農業の花谷史郎(35)=登野城・嵩田=の2氏に加え、市長選で3期目を目指す中山義隆氏も候補者の擁立を予定していることが26日、分かった。市長選に出馬する革新系市議の宮良操氏が告示10日前までに辞職すれば無投票当選の可能性もあったが、中山陣営からの出馬で選挙が行われる見通しとなった。
今回の市議補選は、前津究氏が県議選出馬で辞職したことに伴うもの。現議会勢力は与党系が14人と野党系7人の倍の数を誇っている。宮良氏が辞職すれば野党系は6人とさらに弱体化する。
市選管によると、宮良氏が告示10日前の2月22日までに辞職すれば2議席で争われ、23日以降に辞職すれば1議席のまま。辞職しなくても市長選立候補の届け出と同時に自動的に失職する。1議席となるか2議席となるかは、宮良氏の辞職時期によって決まる。
宮良陣営は、宮良氏とセットで戦う花谷氏の当選をまず優先。陸自配備に反対の立場を示す黒島氏が、市長選予定候補の自民党県議砂川利勝氏を支持しているもののセット戦術をとらないため、第3の候補の動きがない場合、告示前に辞職して反自衛隊勢力で2議席を確保する選択もあったが、中山氏の擁立の動きを受け戦略の見直しを迫られそう。
ただ、宮良氏が市議職にとどまり続けた場合、「議員報酬はもらい続けるのか」「立候補者のチャンスを奪うのか」などと有権者から反発を招くおそれもあるため、世論の動向も見ながら対応することになるとみられる。
市議選について陣営から一任されている中山氏は、支持する市議に9月の本選挙で影響が出ないよう人選を調整、近く発表する。「セットで戦う」としており、新たな票の掘り起こしで相乗効果を狙う考えだ。