待機児童の解消を目的に県外の保育士を対象にした石垣市の移住体験ツアーが21日から2泊3日の日程で行われている。今回で3回目。これまでに2人が移住して保育園で働いており、1人が来年4月の移住を決めるなど、効果を上げている。今回のツアーには東京、神奈川、大阪から5人が参加し、ことし2月の1回目に13人、11月の2回目に3人が参加した。今回を含めると計21人になる。参加者は保育施設のほか、不動産物件やスーパーなど生活環境を把握、市内の民家で宿泊し島で生活も体験した。
ツアーは、市の保育施設や生活環境を知ってもらうことが目的。往復交通費や滞在中の食費は参加者負担だが、保育士として市に移住する場合には渡航費として50万円が補助される。
22日に市内6カ所の保育園を視察した渋谷勇輝さん(30)=東京都=は「移住は地域に溶け込めるかが重要。民泊でいろいろと話も聞け、参考になった。すぐにでも移住したいが、住むところの確保が難しいようだ。そこらへんの支援もあればうれしい。移住補助(50万円)は移住する動機になった」と話した。
元吉真紀子さん(30)=大阪府=は「子どもたちがのびのびと過ごしている。石垣なら自分のやりたい保育ができると思う。移住したいと思った」と感想を述べた。
5人を受け入れたやしの実保育園の山盛元園長は「もっと保育士がいれば、産休や育休時にもしっかり対応できる。施設も大きいので、もっと子どもを預かることもできる」と移住に期待した。
22日夜には、視察先の保育園の園長らと交流も行われた。