【那覇】沖縄県議会(新里米吉議長)の11月定例会は5日、砂川利勝(沖縄・自民)、次呂久成崇(社民・社大・結)の両氏が代表質問を行った。一度は根絶に成功したミカンコミバエの断続的発生について島尻勝広農林水産部長は「島全体を対象とした防除を10月に実施。現在は2回目の防除を実施中で新たなミカンコミバエは確認されていない」と述べた。また、石垣ー波照間航空路線再開について川満誠一企画部長は「粟国航空路線再開後となる」とし、見通しが立たないことを明かした。県側はほかに、ガソリン価格の本島との格差縮小や農業基盤整備、離島の医師確保などに取り組む考えを示した。
■砂川利勝氏代表質問
離島・過疎地域の医師確保の支援について砂川靖保健医療部長は「20年度以降は、琉大医学部地域枠を卒業した医師が離島やへき地での勤務を開始する見込みだ」とした。
当初、ことしの秋ごろに予定されていた粟国航空路線再開については「第一航空、粟国村、県で運航計画や収支見込の協議を重ねているが、協議が整っていないため再開は未定」と説明。粟国航路再開後に計画されている石垣|波照間線の就航については「新たな操縦士を確保し波照間空港を使った訓練を実施。大阪航空局などと調整し適切に対応していく」とした。
牛肉輸出など食肉業に対する県の取り組みについて島尻勝広農林水産部長は「輸出国の衛生基準を満たすようHACCP取得などを支援していく」とした。
台湾海軍演習による漁業への影響について「与那国漁協から所属漁船の操業に影響が出ていることは聞いている。安全操業に向け、関係団体、部局と連携し対応していく」と述べた。
波照間島に新たに就航した大型高速船が浮桟橋を利用できないことについて翁長雄志県知事は「船舶会社に漁港内での操船や乗船方法などの情報収集を行う。利用者の利便性や安全性の向上を図るため浮桟橋など施設整備を検討していく」との考えを示した。
■次呂久成崇氏代表質問
サトウキビの生産振興対策については「生産基盤の整備やハーベスターなどの導入による機械化促進などに取り組んでいる」、畜産業の今後の支援と取り組みについては「畜産担い手育成総合整備事業などで生産基盤強化に取り組んでいく」と説明した。
本島と離島のガソリン価格差縮小に向けた取り組みで川満誠一企画部長は「13年度に流通過程で生じる離島特有の経費についても補助を拡充したが依然として価格差が生じている」として、引き続き価格差縮小に努める考えを示した。
児童虐待防止について金城弘昌子ども生活福祉部長は「市町村要保護児童対策地域協議会を設置し課題を抱える子どもや家庭の早期発見や適切な保護、支援を図るため情報を共有し対応している」とし、高齢者虐待についても相談体制の充実などを推進していく考えを示した。
新県立八重山病院の敷地内の薬局について伊江朝次病院事業局長は「敷地内に保険薬局の区画は設定していない。患者の利便性に影響があることから調整を図りたい」と答弁した。
大型リゾート開発について宮城理土木建築部長は「地元住民から反対の声があることは承知している。開発事業者に地元との合意形成を促している」と述べた。