石垣市は、し尿処理場内で稼働中のメタン発酵試験用プラントで生産されるメタン発酵後の消化液を有機液肥肥料として使用できるようにするため、農林水産大臣に登録申請を行っている。農政経済課によると、今月中に登録される見通しとなっていることから、3月6日に液肥に関する説明会を開催する。次年度から2年かけ、生ごみの液肥化から有機農業、飲食店などでの有機作物の使用から生ごみの回収に至る「小さな循環」の構築を目指す。
石垣空港開港以降、観光客の増加などでごみ量が増大していることなどから、市は生ごみなどを原料とするバイオマスを利活用して循環型社会を構築しようと2014年度に試験用プラントを設置、液肥の生産を開始した。
プラントは1日1㌧の原料を処理できる施設。給食の残り、浄化槽汚泥、泡盛かすを原料にメタンを発酵させている。来年度以降、ホテルや飲食店などの生ごみを使用するなど、観光関連業者を巻き込んだ取り組みに拡大したい考え。
同課は「液肥を使用した土づくりにより、地力を増進させ、安全安心な石垣島農産物の生産を図りたい。また、有機質肥料を使用した減化学肥料栽培によって生産された農産物については、ブランドの創出や有利販売を行っていきたい」としている。
発酵後にできる消化液を分析した結果、いずれも平均でペーハー7.5%、全窒素0.3%、全リン0.07%、全カリウム0.02%だった。
有機液肥に関する説明会は6日午後2時から市健康福祉センターで。これまでの取り組みや今後の展開、液肥分析結果などを説明する。同日午後4時からし尿処理場施設内でプラントと散布用機器について説明した後、試験散布を実施する。問い合わせは委託先の一般財団法人沖縄県環境科学センター(098ー875ー1941)。