新しい八重山の唄と踊りができた。BEGINの比嘉栄昇さん(48)が「島人ぬ宝さがしプロジェクト」のテーマソングとして作った「昔馬馬車」がそれ▼名蔵アンパルにあった馬車道をテーマにしたもので、今も土台の一部が残る。崎枝で飲食店を営む石垣喜幸さん(42)・千彩さん(46)夫妻がプロジェクトに応募して日の目を見た▼気づかない人も多かったのではないか。比嘉さんも知らなかった。私もそう。行ってみて「あっこれか」と初めて気づかされた▼比嘉さんは、実際に馬車道を使っていた川平のお年寄りから、何の用事で馬車道を渡っていたのか話を聞き、イメージをふくらませた。歌詞は「川平の少女達がおしゃべりしながら裁縫道具を買いに」「崎枝の老夫婦が三線抱えて生年祝いに」などと当時の様子をほうふつとさせる内容▼「今の古典も昔は新しい唄だった。昔のものを大切にしつつ、新しい唄をつくりたい」と考える比嘉さんに同級生の唄者や踊り手が賛同。方言訳を入れ、情景が浮かぶような踊りを創作した▼18日の野外音楽イベントでお披露目された。八重山の唄と踊りの新たな息吹を感じる瞬間だった。石垣市は7月16日、テーマソングの浸透を目的にライブを開く。振り付けを学べる動画を製作してホームページで公開するなど、ぜひ普及を。(比嘉盛友)
新しい八重山の唄と踊りができた。BEGIN…
那須ブラーゼンが石垣合宿 新城銀「いいシーズンを」
国内最高峰のロードレースシリーズ「Jプロツアー」に参戦している那須ブラーゼン(清水良行監督)の選手ら8人が24日午前、空路石垣入りした。27日まで石垣島で合宿する。同チームには石垣市出身の新城銀二選手(19)が所属している。
合宿は3月18日の開幕戦「宇都宮クリテリウム」、4月1日の第1回ツール・ド・とちぎに向けたもの。
清水監督(34)は「この時期那須では、路面凍結や気温が低すぎてロードを走れない。石垣は暖かくストレスなく練習ができる」と述べ、新城選手は「石垣合宿は短い期間だが、しっかり調整して、いい状態でシーズンを迎えられるようにしたい」と今季への抱負を語った。
24日午前、南ぬ島石垣空港に到着した選手らは食事後、バイクを組み立て、そのままトレーニングを開始した。
27日午後には名護に移動し、名護で11日間の合宿を行う。
那須ブラーゼンは、日本初の観光地での地域密着型ロードレースチーム。市出身の新城雄大選手も所属していた。
ニシ浜(波照間)1位に輝く 国内ビーチ
旅行の計画や宿泊施設の予約などをサポートしている世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」が22日、発表した「トラベラーズチョイス世界のベストビーチ2017」で波照間島のニシ浜ビーチが国内1位に輝いた。6位には竹富島のコンドイビーチが選ばれた。同サイトに投稿された口コミをもとにランク付けされた。
ニシ浜ビーチは、2014年以来、毎回ランク入りしており、ことしは昨年の2位から順位を上げた。投稿者の口コミをもとに同サイトでは「透明度が非常に高く、真っ青な海だけではなく、サンゴ礁やウミガメも見られる自然が美しい場所」などと紹介している。
コンドイビーチは、昨年の5位から一つ順位を下げた。他にもトップ10には、竹富町を含む県内8カ所のビーチが選ばれており、宮古島の与那覇前浜ビーチが2位となった。
ランキングは、2015年11月から16年10月まで1年間の投稿数や旅行者の評価をもとに集計された。
高さ制限緩和の方向 区域でバランスを考慮
石垣市風景計画等見直し市民検討会議(議長・漢那政弘副市長、委員15人)は24日午後、最終の第3回会議を水道部庁舎会議室で開き、焦点となっていた建築物の高さ基準について区域によっては緩和する方向性を確認した。会議では積極的な緩和と慎重な対応を求める意見に分かれたため、議長の漢那副市長は「一律の基準ではなく、守るべきところと緩和するところのメリハリ、バランスをとりながら考えていったらどうか」と提案、一致を見た。
風景計画では、緩やかな規制・誘導が行われる自然風景域、農村風景域、市街地景観域と、法的拘束力のある景観地区(3カ所)があり、建築物の高さや前面道路・隣地境界からの壁面後退距離などが景観形成基準で定められている。
具体的にどの区域でどの程度、高さ基準を緩和するのかについては、事務局(都市建設課)が5月ごろまでにまとめる原案(見直し案)に数値を盛り込む。事務局は「市民アンケートでは基準が分かりにくいという意見があったので、分かりやすさも心がけたい」と話している。
市は原案作成後、住民説明会、縦覧、公聴会などの手続きを進めることにしており、各風景域や景観地区の住民が原案をどう評価するかが今後のポイントとなる。
この日の委員会では「一番大事なのは高さ。大幅に緩和してもらいたい」「高さ制限があると、費用対効果を見込みにくく、緩和する方向で検討すべきだ」、「地域住民の賛同が大前提」、「観光客は人工物を目的に来ていない。全体的な緩和はどうなのか」、「先祖から引き継いできた風景がなくなってしまう。緩和には気をつけなければならない」、「農村集落の建物や大型リゾートなどについては区分して議論しなければならない」などの意見が出た。
川平景観地区については川平公民館が現行の高さ基準の維持を市に要請していることを受け、委員からは「景観地区は現行通りでいいのではないか」「川平の人たちと話し合って決めてほしい」との要望も上がった。
五輪出場のチャンス
▽…第1回全日本選手権大会として行われたフライングディスク競技のビーチアルティメット。フライングディスク競技は五輪種目外で行う国際総合競技大会「ワールドゲームズ」に入っており、協会は2024年の五輪種目追加を目指している。東京五輪で追加された競技はすべてワールドゲームズで行われているもので、アルティメットが将来、五輪種目になる可能性は十分。今から始めれば、石垣の子どもたちにも五輪出場のチャンスあり。
▽…大川婦人会(宇根悦子会長)がことしから新組織体制で活動を展開している。五つの部を五つある町内会がそれぞれ担当。これにより、町内会が中心となって動くようになるため、町内会のつながりもより強固になるという。宇根会長は「三役だけ動いてはいけない」と述べ、他婦人会への波及効果に期待する。
▽…八重山地区小学校社会科研究会定例会で観光教育について講演した玉川大学の寺本潔教授はまず、島外の人たちがなぜ観光に来るのかを学ぶことから始めるようアドバイス。そうすれば地域の自然、文化、歴史、伝統、施設、イベント、産業、おもてなしなどに学習の幅が広がっていくことになるという。観光教育も観光産業と同様、裾野が広い。
値上げになる指定ごみ袋をまとめ買いして…
値上げになる指定ごみ袋をまとめ買いしておこうかと口にしたら、トイレットペーパーや洗剤の様に多量消費するモノなら分かるが週に一、二度使うモノを買いだめするのはどうかしらんと家人は冷ややか▼買うのはどうせ小袋でしょう。1枚当たり数円の値上げで、あなたがこれまで以上に小袋使用に傾いたら周りの迷惑よ。どうぞ、この値上げを機にごみ袋の適正な使い方も研究して頂だいと申し渡された▼言われてみると週2回の燃やせるごみ出しを担当して以来、使うのは小袋主体、よほどの量でない限り中や大袋の出番はない▼そもそも家族と小生のごみの定義が違う。箱や袋、包装紙も使えそうなものは取っておくし、捨てる場合も小さく折りたたむか、破いて千切り生ごみのクッションにしているので小袋でも十分収まる▼こんな使い方のどこを指して迷惑と言うのか。この詰め込み方を中袋や大袋にしたら、それこそ重くなるに決まっている。回収業者の腰痛の原因が某所のごみ袋にあると言われた日には目も当てられないではないか▼それを言ってるのよ。あなたのは小袋でも家族には重すぎるのよ。うっかり袋を引っかけようものなら破れて中のものが飛び出し、新しい大、中袋にやり直しになるのよ。もったいない主義もいいかげん卒業してよ。(仲間清隆)
マイグラント全勝V 第1回全日本ビーチアルティメット
第1回全日本ビーチアルティメット選手権大会(日本フライイングディスク協会主催)が25日、南ぬ浜町人工ビーチで開催され、東京都のマイグラントが全勝で優勝を果たした。大会には全国から社会人や大学の5チームが出場、男女混合のビーチミックスで競った。
普段は芝のフィールドでプレーするアルティメット大会に出ているというマイグラントの塚田泰弘代表(39)は「第1回のタイトルが欲しかった。狙い通り取れてよかった。会場も素晴らしく、想像以上にプレーしやすかった。今後はビーチ大会にも積極的に出ていきたい」と喜びを語った。
日本フライングディスク協会の師岡文男会長は「ここ石垣島からビーチアルティメットの歴史を刻む第1回大会が行われる。石垣は台湾も近く、香港にも直行便が就航している。将来的にはアジア・オセアニア大会の開催も期待できる」と話した。
エキシビションマッチに参加した石垣島アスリートクラブの具志堅陽咲さん(平真小6年)は「得点も決めることができてうれしかった。ディスクを真っすぐ投げるのは難しいが、楽しくできた。石垣でも大会があれば出てみたい」と述べた。
結果は次の通り。
▽マイグラント7−5かねぽん▽ユズ9−1フェニックス▽ユズ7−5かねぽん▽フレッシュ!6−4フェニックス▽マイグラント11−3フェニックス▽ユズ7−5フレッシュ!▽かねぽん10−3フェニックス▽マイグラント10−2フレッシュ!▽マイグラント9−5ユズ▽かねぽん10−5フレッシュ!
①マイグラント(4勝)②ユズ(3勝1敗)③かねぽん(2勝2敗)④フレッシュ!(1勝3敗)⑤フェニックス(4敗)
平真花同好会がキク栽培 登野城小の卒業式に向けて
来月23日の登野城小学校(浦崎喬校長、児童537人)の卒業式に向け、平真花同好会(田底用正会長)が当日会場に飾るキクの電照栽培を行っている。
同会は1997年、当時の平真小PTAの環境整備委員会のメンバーだった農家の田底会長や電気関係の仕事をしている新城利光さんらが設立。同校の上原太郎教頭が会員ということもあって提供することに。
昨年10月から土づくりを始め、同12月には田底会長のビニールハウスを同校に設置。同12月末に6年生75人が苗を植え付け、水やりを行ってきた。新校舎完成記念式典や入学式でも飾る計画という。
会員約10人が25日、大きな花を咲かそうと、余分なつぼみを取る摘蕾作業に汗を流した。田底会長(61)は「キク栽培について聞いてくる子もいるようで、教育にもつながっている。子どもたちに喜んでもらえれば」と話した。
同会は昨年11月、真喜良小学校の創立20周年記念式典にもキクを提供した。
移住の保育士確保に期待 モニターツアー受け入れ
県内への移住に関心のある人を対象に地域の暮らしを体験してもらう県の移住体験ツアーで、石垣市は24日から、保育士の確保を推進するため島外の保育士に限った2泊3日のモニターツアーを受け入れている。ツアーは居住地から石垣空港までの往復交通費、往復航空運賃、滞在中の食費が自己負担となっているが、定員10人に13人が参加するなど関心の高さをうかがわせた。市は、保育士として移住する際に渡航費50万円を補助しており、「人材の確保につながれば」と期待。保育園側からは「一過性で終わるのではなく継続してもらいたい」との声が上がっている。
ツアー初日の24日は市役所で、保育園側との個別対話が行われ、保育士を求める保育園6園から保育方針や施設概要などについて説明を受けた。25日には希望する保育園を見学したほか、島での生活をイメージできるよう、アパートなど不動産物件の紹介を受けたり、スーパーなど生活施設を訪れたりした。白保で民泊しながら、住民の暮らしも体験している。
参加者のうち、村田沙矢香さん(27)=京都府=は「保育士が足りないという来てくださいという企画に興味があった。いろんな保育園から話を聞く機会があったので考える材料になった。民泊しながら地域の人たちの話も聞くことができる。移住を考える人にとっては、ここでのつながりがつくれるので心強い。移住しやすくなると思う」と感想。
東真千子さん(40)=福岡=は「寒くないところ、自然豊かなところに住みたいと思っているが、実際にどういう保育が行われているか、実際に来てみないと分からない。移住する場合は仕事も家も見つけなければならない。ツアーでは両方分かるので移住を検討できる」と満足げ。
林真由さん(29)=神奈川県=は「自然豊かなところで保育の場をつくりたいと思っており、いろんなところを見て視野を広げたい」と話した。
7人の見学を受け入れた社会福祉法人ちいろば保育園の小倉隆一園長は「いい出会いの場となる。時期を早めて継続してもらいたい」と要望した。
パイン、島の魅力に
▽…石垣市商工会館ホールで行われた石垣パインを活用した商品の発表会では18商品が並んだ。パインは甘みと酸味のバランスが魅力。これを生かすのに苦労したようだ。どれもおいしく、すぐにでも販売できる完成度の高い商品も。欲を言えば、パンチのある商品がもう少しほしかったが、開発は緒に就いたばかり。参加者からは「パインの関連商品がいっぱいあると、石垣島の魅力になる」と期待の声。
▽…黒島牛まつりの目玉となる牛が当たる抽選会で珍事があった。舞台前に運ばれる景品の牛の道を観衆らが空ける際、そこには倒れ込む男性の姿があり、会場は一時騒然。どうやら男性は酒を飲み過ぎ寝ていたようで、千鳥足ながら牛に道を譲ると無事に一件落着。アナウンスからは路上寝込みならぬ“会場寝込み”というユニークな指摘もあった。飲み過ぎはほどほどに。
▽…八重山農林高等学校のライフスキル科の生徒3人が難易度が高い資格に合格した。このうち、全国高等学校家庭科保育技術検定の言語表現1級に加屋本真士君が同校から初めて合格した。実技では、野菜嫌いな子どもに父親が野菜の育つ思いを語りながら好き嫌いしないで食べることを教えるストーリーを独自創作の絵本で表現。好き嫌いをなくす話しは良くあるが、絵本にする価値はありそうだ。
>は「不等号(ふとうごう)」といい、…
>は「不等号(ふとうごう)」といい、大小を示す数学記号である。中山市政には、この>が多い。陸上自衛隊配備受け入れ表明や小規模幼稚園休園問題は、その最たるもの。国策や「役所の論理」優先で、地域や市民は置き去りだ▼あまかわ幼稚園に定員もれがあり4人の子が「幼稚園落ちた」。救いの手はないか▼そして今度は川平公民館である。集落北方のリゾート開発をめぐる先年の「農振除外反対」要請は無視され、先月の「景観地区の建物高さ制限維持」要請も相当に怪しい。市は直接利害を有する地域なのに「風景計画等見直し市民検討会議」に川平を入れず、アンケートの対象にもしなかった。地域の声を聞くのに不都合があるのか▼市は都合3回の会議に具体的にどこで、どの程度高さ制限を緩和するのか示さなかった。委員から多くの慎重意見が出されたが、具体的には事後に事務局がまとめる原案で示すという。順序が逆だ。まず案を示して意見を伺うべきだろう。それを「一律でなく区域でバランス考慮」とし、「満額回答」を得た▼計画見直しの狙いは何か。川平景観地区でのリゾート開発と、風景計画では平得大俣や外山田を含む農村風景域等の基準緩和だろう▼地域や市民より国策、企業、役所の論理。>の小にされた市民は黙しない。(慶田盛伸)
石垣パインで新商品 ブランド化に期待高まる
石垣市から委託を受け、市商工会が進めている「ものづくり・マーケティング総合支援事業」で、石垣パインを原料に完成させた商品の発表会が27日、市商工会館ホールで行われ、9事業所から18商品がお披露目された。石垣パイン加工場からカットやピューレの原料10㌔の無償提供を受け、昨年12月から商品開発を進めてきたもの。市商工会は今後、「石垣パイン」のロゴを商品に使用してもらうなどしてブランド化を推進する考え。原料はキロ当たり800円で提供する。
発表会ではマリネ、中濃ソース、カステラ、生菓子、シフォンケーキ、黒糖タルト、ゆで玉団子、ジャム、発酵ソース、タルト、ヨーグルトアイス、サブレなどバラエティーに富む商品が並び、関係者らが試食をして味を確認した。
タルトとパインの乳菓子を開発した宮城菓子店沖縄本島工場の幸野則広工場長は「九州で食べていたパインはこんなものかと思っていたが、石垣島のパインを食べたときはおいしさに感動した。パインの味そのものを生かした菓子を発信したい」と話した。
サブレ、パインヨーグルトなど5品を出展したANAインターコンチネンタル石垣リゾートの赤嶺晴美ベーカー・ベストリー長は「夏場だけでなく冬場でも石垣パインを使った商品が出せるのは、すごくうれしい」と可能性の広がりを実感した様子。
パインをソーセージの代わりにホットドッグ状のデザートに仕上げた(株)ドラゴンクリエイトの呉島英男代表取締役は「石垣島パインドッグは外は熱々、中はキンキン。レッドドラゴンで今日、明日にもメニューとして出したい」とPRした。
パイン農家の大嶺保志さん(39)=川原=は「パインの時期が終わると、おいしいパインを食べられないので、改善したいと思っていた。皆さんの協力で石垣パインの魅力をもっとアピールしてもらいたい」と期待した。
牛と綱引き2年ぶりに復活 第25回黒島牛まつり
【黒島】第25回黒島牛まつり(同実行委員会主催)が26日、黒島多目的広場で盛大に開催された。時折雨が降ったが会場には約2700人が訪れ、牛にちなんだ多彩なイベントとにぎやかなステージを楽しんだ。地域活性化を目的に約200人の島民総出で続けてきた手作りの行事はことし節目を迎え、実行委員長の宮良りみさん(54)は今後に向けても「『肝ぴしち色ぴしち』(心を一つに)の精神で全力で取り組みたい」と意欲を示した。(3面に写真特集)
同まつり独自のユニークなプログラム「牛との綱引き」は2年ぶりに実施され、参加者は、八重山闘牛大会で2連勝している雄牛「光ちゃん号」(体重約800㌔)と対戦した。
最初は5人一組で挑むも牛に圧倒され、その後は10人一組で仕切り直し。それでも歯が立たず、全3戦とも牛が勝利した。
約400㌔の干し草ロールを転がす「牧草ロール転がし」でも熱戦が展開された。男女のペアが干し草を乗り越えて、農業用一輪車でともにゴールを目指す「ジャンプDEラブロール」も来場者から大きな拍手を受けていた。
他にも、子牛へミルクを与える体験や牛の爪を削る削蹄(さくてい)の実演、沖縄角力(すもう)などでにぎわった。
ステージでは、黒島小中学校児童生徒の「満月太鼓ばやし」でイベントが幕開け。石垣在黒島郷友会らが10年余ぶりに庭の芸能を披露し、「タイラク」や「獅子の棒」、「獅子舞」が会場を彩った。
島出身の島仲久さん、東筋秀吉さんも歌と演奏を披露。その他にも多くのゲストがステージを飾った。
まつりのテーマは「小さな島から見いだす大きな可能性」。宮良さんは「島民一人一人が実行委員。まつりの準備を通して若い人が成長できるイベントにもなっている。今後は地域振興だけでなく、観光にも寄与できるイベントにしていきたい」と話していた。
陸自計画、「配備に向け手続き開始」 中山市長が施政方針
中山義隆石垣市長は、27日開会した市議会3月定例会で2017年度施政方針演説を行い、主な政策を説明した。「配備に向けた諸手続きを開始することを了承した」と事実上の受け入れを表明している自衛隊配備計画について、「今後、具体的な計画が出てきた段階で情報をオープンにし、市民の声、市議会での議論を経て防衛省との調整を行っていく」と従来の考えを示した。民間企業が前勢岳で計画するゴルフ場付きリゾート施設については「総合的な観点から本市に必要な施設」として「関係法令に基づき、自然環境にも十分配慮しながら必要な協力をしていく」と述べた。
主な政策のうち、旧空港跡地での新庁舎建設は17年度の実施設計の完了、18年の着工、19年度内の完成・供用開始のスケジュールを示し、「着実に取り組んでいく」とした。同跡地を横断する市道旧空港跡地線は実施設計、用地買収、工事着手を予定、南側の南大浜地区については用途地域指定を目指す考え。
現庁舎跡地については利用の考え方、方向性、事業のあり方を盛り込んだ計画の策定に取り組む。
石垣空港国際線旅客ターミナルの拡充整備は既存施設と仮設ターミナルの運用と並行して増改築工事を進め、18年度の供用開始に向け取り組む。
水産業の新たなブランドとして養殖実証試験を行っていたスジアラについて「陸上養殖が可能になった」として基本・実施設計を行い、ブランド化けの可能性調査を実施、民間と連携した施設整備を目指すとしている。
このほか、星空保護区の認定に向けた申請と星空保全条例の制定、消防伊原間出張所の10月までの移転、福祉避難施設の整備、健康福祉センターへの臨床心理士配置、石垣港離島ターミナル内へのプラネタリウムの導入、登野城小学校建て替え工事の完了と白保小学校新増改築の着工などにも言及した。
中山市長は全29の市制施行70周年事業について「自然、伝統文化、食、風景など石垣の魅力・強みの再発見・磨き上げや内外への発信、市民活動の充実・協働意識の向上など、新たな価値の創造につながる」と説明、「全市民とともに心を一つにして力強い一歩を踏み出していく」と決意を示した。
2期目の最終年度になっていることにも触れ、「マニフェストの実現も含め、総仕上げの一年。『日本一幸せあふれるまち石垣市』の実現に向けて職員一丸となって市政運営に全力で取り組む」とした。
安倍政権の国政運営をみていると…
安倍政権の国政運営をみていると、先の大戦から学んだ「戦争は秘密から始まる」との歴史の教訓を思わずにはいられない▼集団的自衛権の行使容認で戦争のできる国に道を開いた政権は、当初「廃棄した」と説明の南スーダン派遣自衛隊日報について一転、存在を明らかにし半分くらい黒塗りの状態で公開した▼権力が不都合を隠すのは今に始まったことではないが、国民に余計な口出しをされたくないと言う思いだろうか。情報公開の開示文書で黒塗りが多いのは、広めに塗っておいたほうが安心だという発想があるのだろう▼日本が太平洋戦争に突入し、敗戦へと向かう間、新聞は大本営発表を垂れ流し、ひたすら戦争をあおる役割を果たした。この重大な歴史的事実を謙虚に反省し、戦後の新聞は「戦争のために二度とペンを、カメラを取らない。戦争のために輪転機を回さない」と誓って再出発した▼政府が秘密を保持しようとする時ほど危険なことはない。その思いは敗戦を経験した先輩たちから私たちに引き継がれてきた。だからこそ国民には知る権利があり、報道機関には手遅れになる前に知らせる責務がある▼石垣市は今、陸自ミサイル基地配備に向けた手続きが進行し、まさに待ったなしの状況。中山市政の追及、野党議員の力量が問われる3月市議会を注目したい。(鬚川修)
じょーとーむんに可能性
▽…5日に伊野田公民館で開催される「じょーとーむん祭り」。数々の企画があった石垣市北部農村集落活性化支援の2016年度事業を締めくくる集大成で、住民たちが主体となって企画したものだ。今後に向けても農水産物だけでなく、雄大な景観など資源となり得るものはまだまだある。さらに可能性を探って事業化しても面白そうだ。
▽…八重山商工高校で機械電気科のジュニアマイスター認定者と情報技術科のITパスポート、情報セキュリティマネジメントの各合格者が報告を行った。3年生は口々に「資格を生かし、進路や進学に役立てたい」と卒業に胸を躍らせた。1・2年生は、先輩の背中をみて「来年はさらに上の資格取得を目指す」と意気込んだ。
▽…与那国空港の機能強化を進める与那国町が全日本空輸㈱(ANA)から航空機の地上支援を行う機材を購入。ANAは今後、旅客搭乗用ステップ車や高圧エアースターター装置の売却も予定。町は空港の機能強化でチャーター便の受け入れを拡大させ、観光産業の活性化を狙う。8日からは㈱フジドリームエアラインズのチャーター便が運航する。最西端の観光地をPRする機会だ。
学校をプラットホームに
■2年目迎える貧困対策
県議会が開会し、石垣市議会も2月27日から定例議会が始まった。新年度の予算と方向を決める大事な議会だ。その中で注目したいのが本年度を「解決元年」として本格スタートした「子どもの貧困対策」だ。県は新年度予算に本年度からさらに11億円余を上乗せする173億円余を計上。就学援助は対象者や1人当たりの援助費を増やし、さらに学習支援、ひとり親家庭の養育や自立支援などを充実強化する。
石垣市は内閣府の予算で本年度は支援コーディネーター3人を配置し、低所得層の子どもたちに無料で食事提供や学習支援を行う子どもの居場所として「子どもホッとステーション」や高校生対象の無料塾を開設したが、2年目となる新年度は県や国と連携してさらなる対策の充実強化を求めたい。
特に乳児から高校生まですべての子どもの状況を把握できる学校や幼稚園、保育所を支援の拠点・プラットホームとしてきめ細かな対策を望みたい。
■学校、保育所など支援拠点に
子どもの貧困対策に関しては、全国が6人に1人に対し沖縄は3人に1人と深刻なことから、県が県政の最重要課題に掲げて積極的なのに対し、石垣市の対応が気になった。それは県が県内小中高校の実態調査を実施した上で34の指標で数値目標も示して6カ年の対策をスタート。
これに対し石垣市は、昨年3月の定例議会で16年度に設置すると答弁した貧困対策協がいまだ設置されず、さらに対策の基本となる実態調査もなされないなど石垣市の対策がメディアで報じられることも少ないことから、翁長県政との政治的対立関係が宮古島市と比べても積極的に見えないこういう対応になっているのか気になった。
子どもの未来が政治的対立に巻き込まれることはあってはならないだけに懸念していたが、それが昨年12月、実態調査のアンケート用紙が市内全小中学校の保護者に配布されたようであり安堵(あんど)した。調査は子どもたちの現状を把握し対策の指標となるものだけに、石垣市もこれでニーズに応じたきめ細かな対策が進むことを期待したい。
■学童クラブ利用料も減免を
「学校のプラットホーム」化は国の子どもの貧困対策大綱に明記されており、その役割に期待は大きい。
確かに学校は各市町村の就学援助を通じて子どもたちの状況を把握しやすい場所だ。石垣市も生活保護世帯に準ずる要保護世帯の子どもを対象に学用品費や校外活動費、学校給食費、医療費を援助しており、2015年度は小学校481人、中学199人の計680人が援助を受けた。これは全児童生徒の約14%であり、かなり多い。
ぜひ先生方の協力で保育所や幼稚園、学校を子どもの貧困対策のプラットホーム・支援拠点とし、教育と福祉両面から子どもたちの未来が生まれた環境で左右されないようにしたい。
幸い高校生対象の無料塾は4人が受講し、22人が学習や夕食支援を受けるホッとステーションも一般から商品券や図書、米の寄贈など支援が広がっている。
さらに県内では県の子どもの貧困対策交付金で宮古島市など14市町村が放課後の学童クラブの利用料を減免している。石垣市も導入するべきだ。
ANA、地上支援機材を売却
【与那国】全日本空輸㈱(ANA、篠辺修代表取締役社長)は2月24日、与那国空港の機能強化を進める与那国町(外間守吉町長)に航空機の地上支援を行う機材「地上電源車」1台を売却した。同車は同日付で石垣から「フェリーよなくに」で与那国に輸送され、定期点検後に同空港で利用される。ANAは今後、旅客搭乗用ステップ車や高圧エアースターター装置(ASU)の売却も予定。町は空港機能を強化し、チャーター便の就航環境を整備することで観光客の誘客につなげる考えで、町担当者は「周遊やイベントチャーターにつなげられ、与那国観光をPRできる」と期待する。
与那国空港はこれまで、地上支援機材が常備されていないことで、県外航空会社のチャーター便のキャンセルが発生したほか、運航会社が就航時に機材を別の航空会社からレンタルで対応するなど、不便を強いられていた。
国内最西端の島として、観光産業の活性化を狙う町は、ANAから他空港で使用されていない機材の売却を受けた。ANAは今後、旅客搭乗用ステップ車とASUも同様に売却する考えを示している。
機材の管理と運営は、チャーター便などの就航率の向上と航空会社の負担軽減を図るため町が行い、機材が必要な航空会社に有償で貸し出す方向で検討。機材は3月8日から㈱フジドリームエアラインズ(本社・静岡市、FDA)が県外から同島に予定している18本のチャーター便運航時に利用される予定。
支援機材の売却にANA石垣支店の菅隆宏支店長は「当社が就航していない路線だが、オール八重山という気持ちで貢献したい。残りの支援機材も早期に手配したい」と述べた。
町の担当者は「三つの地上支援機材がそろえば各種チャーター便にも対応可能で数多くの旅行者の誘客につながる。空港の環境整備を図り、観光地をアピールしたい」と意気込んだ。
八重高 小林、山田、新村君合格
八重山高校3年の小林裕樹君(18)、山田昇太君(同)、新村駿君(同)がこのほど、琉球大学医学部医学科の推薦入試「離島・北部枠」に合格した。同枠は2015年に新設され、同校からの合格者は小林君ら3人を含めて計6人となった。卒業後は県が指定する医療機関で初期研修を合わせて9年間勤務することが条件。3人は「ハイレベルな医師になりたい」と意気込んでおり、医師不足が深刻化している八重山地域にとっても朗報となりそうだ。
同枠は本島北部と離島地域の生徒が対象で、大学入試センター試験の点数と小論文、面接で選抜される。3人によると、小論文は傷ついている母体に対する治療法や遺伝子情報の取り扱いなどがテーマだったという。
八重山病院の医師から医師不足の現状を聞き、高校2年あたりから医師になることを本格的に考え始めたという小林君は「専門はこれ、と決めてしまうと、離島ではあまり診れないと思う。幅広い診断ができるように努力していきたい」と将来を見据える。
山田君は「自分が将来役に立てる仕事で、期待に応えたいという思いでこれまでやってきた。入学後はさまざまなことを学び、好きな分野を見つけていきたい」、新村君は「地域医療についての学びを最大限に生かしつつ、それ以上に自分から積極的に取り組んでハイレベルな医師になれるよう勉強に励みたい」とそれぞれ意欲を語った。
後輩に対して小林君は「これまで先輩たちがサポートしてくれて、今度は自分たちの番だと思っているので、それも生かしながら頑張ってもらいたい」、山田君は「特に3年生になったら試験勉強が大変になり、精神面も鍛えられる。大いに成長してもらいたい」、新村君は「試験勉強も大事だが、身近な医療事情などニュースや知識を知っておくと役に立つし、勉強するモチベーションにもなる。そのあたりにも目を向けてほしい」と、それぞれエールを送った。
八商工生5人が合格
国家試験のITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験に、八重山商工高等学校(真栄田義功校長)情報技術科の生徒5人が合格した。
IT試験は、IT社会で働く上で必要となるITに関する基礎知識を習得していることを証明するもの。情報試験は、組織の情報を管理する人材育成のため、本年度から導入された試験。
同校から初の情報試験に合格した3年前幸地勇汰(はやた)君は「試験は経営者の立場からみた問題が出題された。資格を取る事により、パソコンのスキルがあがる」と話した。
IT試験に合格した3年の内野裕平君は「2年生の時、試験に落ちたので悔しくて今回頑張った」とリベンジを果たした。
各試験の合格者は次の通り。
▽ITパスポート=内野裕平(3年)、スリヤツキ・ビャチェスラフ(2年)、知花尚吾、川畑泰誠(以上1年)
▽情報セキュリティマネジメント=前幸地勇汰