まちなかじゅんかんバスに乗ってみた。辛口の友が「エアバス」と評するあれ。乗客が少なく「空気を運んでいる」らしい▼13年10月から運行しているから4年目。桟橋通りから西側市街地、約12㎞、31バス停を44分で巡っている。同じ路線を時計回りと反時計回りに、平日なら24本走る。13年2月、実験運行した結果、移動手段を持たない交通弱者の需要があると見込んだ▼路線上では30分に1回、バスに会える。だから乗客の少ないのが余計に目立ち、赤字が心配になる。運転手さんによれば、乗客は離島ターミナルや新川方面から八重山病院に通う人が中心という。ターミナル出発時、乗客は3人。新川小学校で1人、スーパー前で1人降り、あとは一人旅▼少ないけれど交通弱者は確実にいる。高齢運転者の交通事故多発の報道を思う。テレビは高齢者の運転免許返上を簡単に言い募るが、それは交通弱者と買い物難民を生む。その暮らしの深刻さが想像できないか。誰でも年をとる▼新築工事が進む県立八重山病院、ことし着工する新市役所は空港跡地だ。加えて空港アクセス道路が開通すれば、人やモノの流れも違ってくる▼まちなかバスの路線や需要も変わるに違いない。数は少なくても必要とする乗客がいる限り走ってほしい。がんばれ、まちなかバス。(慶田盛伸)
まちなかじゅんかんバスに乗ってみた。…
伊良部(石垣中女子)沖縄代表に選抜
3月28日から東京都で開催される中学バスケの第30回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2017(日本バスケットボール協会主催)に、石垣中女子バスケ部の伊良部由侑が沖縄選抜として出場する。伊良部は昨年12月に宮古島市で行われた1次選考会に八重山選抜チームとして出場。そこで県内6地区の選抜チームの中から24人に残り、さらに1月末の最終選考で12人に選ばれた。伊良部は「選ばれたからには精いっぱい、自分の力を出し切りたい」と意気込みを語った。
伊良部は身長163㌢。石垣中ではフォワードを務める。同校女子バスケ部の上原奈保子監督は「基本的にオールラウンドのプレーヤー。持ち味はドライブのスピード。シュートセンスも高い」と評価。
上原監督は「なによりバスケがうまくなりたいという気持ちが全面に出ている。見ていて気持ちがいい」と向上心の強さを挙げる。
そんな伊良部だが、昨年6月に交通事故に遭い、約1カ月入院。医者からは年内はバスケは無理だと告げられた。しかし超人的な回復力と、毎日のリハビリで10月の大会に出場。12月の選抜に間に合せた。
伊良部は「たくさんの人に支えられて、バスケができている。選抜で活躍してバスケで恩返しがしたい」と思いを述べ、「選抜で経験したことをチームに持ち帰り石中のレベルも上げたい」と語った。
伊良部は大会まで毎週土日は沖縄本島の合同練習に参加しているが、旅費や宿泊代はすべて実費のため、18、19日のミニバスケットボールの大会で寄付金を募る予定。
第2戦、ロッテ13−1で勝利 交流戦
千葉ロッテマリーンズとラミゴモンキーズの「アジアゲートウェイ交流戦パワーシリーズ2017in石垣島」の第2戦が、12日午後1時から石垣市中央運動公園野球場で行われ、ロッテが12安打の猛攻で13対1と大勝。通算成績を1勝1敗のタイで終えた。石垣市出身の大嶺翔太は5番三塁手で先発出場し、3打数1安打3打点と勝利に貢献した。球場には、2日間で延べ6800人の観客が足を運び盛り上がりをみせた。
試合はロッテが一回表、安打や四球で無死満塁の好機をつくり、4番井上が右翼越えの走者一掃の適時三塁打で3点を先制。続く大嶺(翔)が左翼への犠飛で1点を追加。四回表には敵失や連打でつなぎ、大嶺(翔)の中前への2点適時打などで一挙6点を追加、試合を決めた。
投げては、先発関谷を含む投手7人の継投でラミゴ打線を4安打1失点に抑えた。
ロッテの伊東勤監督は「試合内容は別にして、(ラミゴとの)交流が続けられるよう、お互い努力していきたい」と話し、12安打13得点の打線には「1人が打てば、他にも刺激となって打つ」と試合を振り返った。
大嶺(翔)は交流戦2試合にフル出場し、7打数3安打4打点2四球1犠飛。守備では三塁と一塁を守り無失策だった。
試合結果
千葉ロッテマリーンズ
400600120−13
000000100−1
ラミゴモンキーズ
(ロ)関谷、田中(靖)、高野、東條、成田、阿部、金森−江村、宗接
(ラ)劉昱言、張明翔、葉文淇、林國裕、林柏佑−張閔勛、劉時豪
▽三塁打=井上(ロ)
▽二塁打=高濱②、井上、吉田(以上ロ)、林承飛、張閔勛、余徳龍(以上ラ)
サンゴの生態を学ぶ 海フェスタ
県が7年間行ってきたサンゴ礁保全再生事業の成果を紹介する「さんごの海フェスタin石垣島」(沖縄県主催)が12日午後、石垣市健康福祉センター集団検診ホールで開かれ、サンゴの生態について学ぶクイズやゲーム、サンゴの苗づくり体験などのワークショップを通して多くの家族連れが身近なサンゴに触れ合った。
イベントでは、市内の小学校などでサンゴやサンゴ礁の学習プログラムを展開する「わくわくサンゴ石垣島」のメンバーがサンゴの成育環境などを交えて基礎知識を深める「サンゴクイズ」や平野海岸のサンゴ礁で発生した高い海水温が原因とされるサンゴの白化現象を報告するパネルシアター、サンゴの苗づくり体験が行われた。
きいやま商店が出演したライブでは、県サンゴ礁保全再生応援ソングとして制作した「1、2、サンゴー!」が披露された。
家族4人でサンゴの苗づくりを体験した内海太一君(平真小3年)は「(サンゴ苗が)オニヒトデや高い水温に負けないでほしい。人が海にごみを捨てると汚れてサンゴが住みにくくなる。大切なサンゴを守りたい」と感想を話した。
市民広場確保、議場は3階 市新庁舎、各課配置ほぼ確定
石垣市は13日までに、旧石垣空港跡地で建設する新庁舎の基本設計案をまとめ、各課の配置をほぼ確定した。1階には市民の利用頻度の高い窓口業務の部課のほか市民広場、食堂、売店など来庁者も憩える空間を確保。2階には企画部門など専門性の高い部課をレイアウトした。設計業者側の提案段階で1階に位置づけられていた議場は、1階を市民利用の空間として優先するとともに、議会の要望も受けて3階に。市は19日午後2時から、健康福祉センターで基本設計説明会を開催する。
1階は▽市民課▽市民生活課▽介護長寿課▽障がい福祉課▽福祉総務課▽児童家庭課▽納税課▽税務課▽会計課▽教育委員会。市民保健部と福祉部の各課には市民相談室も設ける。
2階は▽総務課▽企画部▽農林水産部▽建設部▽市長室▽庁議室|などのほか、市民が会見場として利用できる記者クラブ室も完備。3階の議場は本会議場、委員会室、市民相談室を設ける。
駐車場は来庁者用259台(軽76台、普178台、障がい者用5台)、公用車・職員用214台(143台、66台、5台)。
市はことし3月末までに、新庁舎の敷地面積3万159・01平方㍍のうち、民有地を除く3万125・94平方㍍(国有地2万4541・78平方㍍、県有地5584・16平方㍍)の用地を取得する。残りの民有地については相続関係がはっきりしないため、家庭裁判所を通して相続人がいるか確認の手続きをとっている。
市は2017年度内に実施設計を終え、建築工事の発注を予定。20年の早い時期の開庁を目指している。
空港跡地は、不発弾が多数発見されているが、新庁舎建設地が県立八重山病院建設に伴って行われる周辺磁気探査事業の範囲内となっていることから、建築工事に際しては不発弾による影響はないものとみている。
総事業費は64億円を見込む。このうち約48億2000万円については緊急防災減災事業債を活用する予定。事業債の70%は地方交付税で戻ってくる。
新庁舎は、伝統的な石垣のコミュニティーを引き継ぐ「集える庁舎」をイメージ。19日の説明会では基本設計の概要のほか、隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾氏が設計コンセプトも説明する。
アンケートの公開は当然
▽…第2回石垣市風景計画等見直し市民検討会議では関係団体と市民を対象に行ったアンケートの結果が報告され、委員からは広く公表するよう求める声が上がった。アンケートは市民の協力を得て行われた上、検討会議でも報告されたのだから公開は当然。この場で委員に諮らなくても、市が積極的に公表すべきものだ。
▽…ロッテの独身選手33人を対象に行われたバレンタイン総選挙。ファンから最もチョコをあげたい第1位は成田翔投手(19)に決定した。記念トロフィーを贈ったミス八重山南十字星の豊里舞さんは「なかなか近くで見ることはないので緊張しました。(成田投手は)近くで見てもかっこよかった」と話した。投票はしなかったという豊里さんだが、八商工の先輩で大嶺祐太投手のファンだと教えてくれた。
▽…はかま着付け講習会が開催され、県美容業衛生同業組合八重山支部の会員とともに、高校生の姿があった。勉強のためにと参加したそうだ。同組合では後継者育成や八重山支部の技術の底上げを図ってきた。富山支部長は、今回の講習の後継者育成と会員の技術向上効果に期待。
中国は戦争を欲しているか
■脅威高めたのは誰か
事実上の自衛隊配備受け入れ表明を受けて沖縄防衛局が早期の配備を中山市長に伝えたことで、石垣はいよいよ日本防衛の「盾」として“自衛隊の町”に変容することが現実のこととして目前に迫ってきた。そこで思うに一地方自治体の長の中山市長に、国を守る「盾」あるいは「防人」として石垣島を差し出す権利があるのだろうかということだ。先の市長選で中山氏に投票した市民がすべてそこまで負託したわけでもなく、住民投票で決めたわけでもないのにだ。
そもそも中山市長の受け入れの理由には非常に違和感を覚える。それは尖閣諸島の「国有化」後に中国の脅威が増していることを挙げていることだ。その国有化は市議会の野党議員に言わせれば「中山市長も張本人の一人」だからだ。
2012年4月17日、訪米中の石原慎太郎都知事がワシントンの講演で、尖閣諸島を東京都が購入することを突然明らかにした。「日本の実効支配をぶっ壊すため過激な行動を始めた中国から尖閣を守るため」が理由だ。
■尖閣国有化に市長も関与
中山市長は「関係者を通じて聞いていた。市と共同所有の形が望ましい」と1週間後の石原都知事との面談でいち早く「賛同」を伝達。一般からの寄付口座も開設したのだ。
結局、同問題は石原都知事や中山市長らにあおられて政府が5カ月後の同年9月、3島を20億5000万円で買い上げて国有化。これに中国が大規模な反日デモで抗議するなど激しく反発し、その後、中国公船の領海侵犯など現在の緊張関係の高まりに至っている。
いわば中山市長らが進めた尖閣国有化が現在の中国の強硬姿勢となったのに、それを安倍政権や市長らは「わが国周辺にかつてない脅威が増している」と今にも中国が攻めてくるような不安をあおり、安保関連法制定や米軍の辺野古新基地建設、南西諸島の自衛隊配備に利用している。そこにご都合主義の矛盾を感じる。
昨年は34回寄港予定だった中国からのクルーズ船もすべてが宮古にシフトされた。市長や市議会の中国脅威論の言動が原因との見方もある。市長は、自衛隊という武力でなく、民間交流など外交面で尖閣をめぐる中国との緊張緩和に努力し、安倍政権にも求めるべきだ。
■市長は凍結して仕切り直しを
首相や市長らが不安や脅威を強調する中国は本当に戦争を欲しているだろうか。タカ派以外の多くの識者の見方はノーだ。それは日本やアメリカと戦争を始めたら日米の企業、資本が撤退し、中国国内は大量の失業者で社会不安が激しくなり、共産党政権そのものが危うくなるからだ。
市長はこれまでシャトルバス運行や新火葬場などで反対の声を受けて対応を見直した。自衛隊もひとまず「凍結」して仕切り直しをしてはどうか。その上で尖閣が中国に奪われる可能性は本当にあるのか、アメリカ一辺倒でなく、なぜ安倍政権が中国などとも仲良くする全方位外交をしないのか熟慮し、最終判断するべきだ。
毎年、春先恒例の「第30回サラリーマン川柳…
毎年、春先恒例の「第30回サラリーマン川柳コンクール」(第一生命保険主催)の入選作100句が13日、発表された▼今年も流行や世相、労働者の悲哀をユーモアたっぷりに詠んだ作品が目立った。主な入選作品をみると、匿名ブログで話題を呼んだ「保育園落ちた」を取り入れた「落ちたのは、女子力、体力、保育園」と働く母親の嘆きがにじむ▼働き方改革が叫ばれる中、電通新入社員の過労自殺を受けた「効率化 提案するため 日々残業」「丸投げと バトン渡しは 五輪級」など、仕事が減らない職場の長時間労働是正を訴える句が時代を反映した▼注目される夫婦(男女)編では「こづかいも マイナス金利と 妻が言う」「職場でも 家でもおれは ペコ太郎」などと、家庭内で苦悩する男性の姿をおもしろおかしく描写した▼これまでのコンクール歴代1位作品には「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」「皮下脂肪 資源にできれば ノーベル賞」「宝くじ 当たれば辞めるが 合言葉」を筆頭に多彩でウイットに富んでいる▼定番となった妻の尻に敷かれる夫の嘆き節。それでも仕事に頑張るサラリーマンが、川柳で笑いを吹き飛ばそうとする姿にさまざまな現代を読み取ることができる。5月に今回の上位10選が発表されるが、今から楽しみである。(鬚川修)
高さ制限 課題を議論
石垣市風景計画等見直し市民検討会議(議長・漢那政弘副市長、委員15人)は14日午後、水道部庁舎で開いた第2回の会合で課題の抽出を行い、建築物の高さ、道路や隣地からの壁面の距離、緑地率など有効空間の基準を課題に挙げた。基準を緩和するのか、基準はそのままに弾力的な運用で対応するのか、次回24日の最終会議で解決方法を検討する。市はこれを踏まえ原案作成に着手する予定だ。
高さ基準は景観地区、自然風景域、農村風景域などで7㍍以下あるいは10㍍以下に設定されている。
委員からは「集落内の建物、アパート、ホテルなどが制限されており、地域や経済の発展の損失となっている」「島の発展、生活の営みとともに風景も変わっていく」「防災の視点からも見直しが必要だ」などと基準緩和を求める意見がある一方、「どこまで緩めるのか。際限がなくなる」「高さ制限があるおかげで、景観が保たれている」と慎重な声も。
このため、複数の委員は「エリアを分けて見直すべきではないか。バランスをとるべきだ」「農村集落では住民の要望に沿い、場所によって基準を緩和することが必要だ」「そこに暮らす住民が合意できるような見直しを」などと、地区の特性や住民の意向を踏まえ対応するよう求めた。
「石垣らしい家のコンテストをするなど市民が参加できるような風景づくりをしてはどうか」と提案があったほか、「集落、商店街、通りなどの人たちが主体的に取り組む仕組みをどうつくるか」「子や孫など次世代が将来にわたってきれいな石垣島に住めるようにすることが大事だ」などと将来を見据えた取り組みの重要性を訴える意見もあった。
■関係団体アンケート
対象に疑問の声
第2回石垣市風景計画等見直し市民検討会議では、関係団体と市民へのアンケート結果も報告されたが、関係団体アンケートについて「景観地区の公民館や団体が入っておらず、偏ったサンプルではないか」と疑問視する声が上がった。
関係団体アンケートは、経済産業の6団体を対象に行われ、「全体の61・8%が建築高さ基準に困っている」との結果が出た。
これに委員の一人は「開発する側の見解だ。困っていることだけを聞いている。この10年でどんな成果が出たのかが分からない」「市民が満足しているかどうか分からない」と指摘、事務局は「自由意見の中に入っている」と回答した。
両アンケート結果については市民に広く公開するよう求める意見も。市は、市民検討会議終了後に会議資料として公表する予定。
フォーラム 環境保全の重要性確認
【那覇】西表島と沖縄本島北部のやんばる、鹿児島県の奄美大島と徳之島からなる地域を「奄美・琉球」とし、早ければ2018年夏の世界自然遺産を目指す県は、14日、県立博物館・美術館「世界自然遺産に向けたフォーラム」を開催。世界自然遺産登録の先進地、小笠原村の渋谷正昭副村長の基調講演やパネルディスカッションなどを行った。今後は「さぁ、世界へ 目指せ!! 世界自然遺産」を合言葉に県民への普及啓発を図る。政府は今月1日、世界自然遺産登録に向けた推薦書をユネスコ世界遺産センターに提出。登録されれば国内の世界自然遺産は5件目となる。
基調講演では、渋谷副村長が「小笠原諸島世界自然遺産への道のり」の演題で03年から登録実現までの8年間の取り組みを紹介。村全体での議論を通した合意形成や外来種対策事業の開始、国立公園地区の見直しなどを実施したほか、保全対策や外来種対策事業の継続の必要性を説いた。
また、法律でカバーできない部分は、地域でルールを作り環境保全に努める重要性を指摘した。
渋谷副村長は「貴重な動植物の生態や保全対策事業など知れば知るほど守られる」と強調。県民、地域住民の関心が深まることを期待した。
パネルディスカッションでは「知ることで守られる、琉球諸島の自然価値」をテーマに沖縄環境分析センターの西銘史則代表取締役社長をコーディネーターに、宮城邦治沖縄国際大学名誉教授、海人写真家の古谷千佳子氏、タレントのベンビーさんらが意見交換した。
フォーラムに参加したNPO法人西表島エコツーリズム協会の徳岡春美さんは「西表では地域住民に遺産登録についての情報が少ない。住民説明会などを開き、町民の合意形成を図る必要があるのではないか」と話した。
■「奄美・琉球」登録だと国内最大規模
ユネスコに推薦書を提出
【那覇】県と環境省、林野庁、鹿児島県は、西表島と沖縄本島北部、鹿児島県の奄美大島と徳之島を合わせた3万7873㌶からなる地域を「奄美・琉球」とし、世界自然遺産登録を目指し、登録されれば国内で最大規模の世界自然遺産となる。今月1日には、国が推薦書をユネスコ世界遺産センターに提出、大きな節目を迎えた。
世界自然遺産に登録される条件として▽顕著で普遍的な価値を有すること▽完全性を満たしていること▽その価値が将来にわたって守られること-の三つが示されており、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネ、アマミノクロウサギ、アマミヤマシギなど国内希少野生動植物が生息する候補地のさらなる保護保全対策の充実が求められる。
奄美・琉球は、2003年の「世界自然遺産候補地に関する検討会」で選定された三つの候補地の最後の一つ。知床と小笠原諸島は、それぞれ05年と11年に登録されている。
西表島と沖縄本島北部地域は、登録に向け、16年4月に西表石垣国立公園を大規模に拡張し島の大部分を編入。本島北部のやんばるは、昨年6月にやんばる国立公園として新規に国立公園化した。
今後は、17年夏の世界遺産委員会諮問機関による現地調査および評価ののち、18年夏、世界遺産委員会による審議を経て登録可否が決定する。
石垣市 空き家対策協議会設立へ
石垣市は、2015年施行の特別措置法に基づき、空き家対策計画の作成や実施について協議を行う空き家等対策協議会の準備を進めており、早ければ年度内に立ち上げる予定だ。外部の専門家などで構成する組織。市は計画作成に向け2017年度で空き家の実態把握と所有者の意向確認のための調査を行うことにしている。
同法では、そのまま放置すれば▽倒壊・危険となるおそれのある状態▽衛生上有害となるおそれのある状態▽著しく景観を損なっている状態|などにある空き家を「特定空き家」として認定することができる。この場合、自治体は所有者に修繕や撤去について助言・指導、勧告、命令を出すことができ、応じなければ代執行も行えるようになっている。
市はこれとは別に、台風時の飛散防止などを目的に危険家屋の対策検討委員会を設けている。市内では20軒程度の危険家屋を把握しており、台風シーズン前には戸別訪問して注意喚起するなど対応。空き家対策協議会が設置されれば、法的拘束力を伴った対策が可能となる。
退職記念のプレゼント
▽…黒島小中学校であった千葉ロッテマリーンズの大嶺祐太投手と児童生徒たちとの交流では、同校の前上里徹校長も大嶺投手とキャッチボールを行った。本年度での退職を記念したもので、自身は竹富町の球技大会で黒島チームの監督を務めた経験を持つ野球好きの一人。「良い思い出になった」と喜ぶ目は児童生徒たち以上に輝いていた。
▽…排気量125CC以下のバイクと小型特殊自動車に装着できる石垣市の「ご当地ナンバープレート」のデザインが決定した。石垣島の朝日と星空を背景に野底マーペーやカンムリワシなどを1枚のパノラマに表現した。同ナンバープレートの導入は八重山で初めて。日ごろ、利用頻度が多い原付きバイクなどに装着したいものだ。事務局の市税務課によると交付は無料。島のPRに期待したい。
▽…新空港アクセス道路のルート予定地内にある宮良高山原の旧大浜町浄水場跡をめぐり、石垣市文化財審議会から文化財指定を求められている石垣市教育委員会が6日に同審議会と八重山土木事務所との意見交換会を開いていたことが分かった。審議会委員からは「市教委は審議会とともに考えていかないといけない。もっと話し合わなければいけない」との声も。より深い議論をするためにも話し合いの場は必要かもしれない。
「24時間戦えますか…
「24時間戦えますか…ジャパニーズビジネスマン」。バブル絶頂期にある栄養ドリンクのCMソングに起用された「勇気のしるし」の一節だ▼企業戦士として会社のために日夜働く、日本のビジネスマンを象徴した内容だ。オリコンシングルランキングでトップ10入りする人気で累計60万枚以上売れた懐かしいヒット曲だ▼先週、私用で出向いた先の東京の駅で、通勤、帰宅ラッシュに遭遇した。電車が到着する数分おきに改札口や駅構内で途切れることなく人の波が押し寄せ、その波を突っ切るのに一苦労。とてもまっすぐ目的の場所には行けなかった▼この状況が毎日繰り返され、電車内でもすし詰め状態を想像すると、会社にたどり着くまでに疲れ果て、とても朝からそう快に仕事ができそうもない。栄養ドリンクで元気を出し、1日ガンバロウと気合を入れるこのCMがはやったのもうなずける▼東京では久々に同級生に会い、この話をしたが、本人は東京郊外に住み、通勤ラッシュを避けるため、午前5時には家を出ていたという。快適な移動のためとはいえ、それはそれで過酷な日々だ▼満員電車に揺られて1時間以上もざらにある都会の通勤事情と比べれば、車で20分、30分の距離を遠いと考える石垣の通勤事情は、快適そのものかもしれない。(下野宏一)
猫の飼い方 ルールづくり検討
石垣市環境課が、猫の飼い主に対するルールと野良猫へのエサやりに関するルールづくりを検討していることが分かった。自宅の庭が猫のふん尿で汚されたり、門前に出したごみが荒らされたりする被害を受けているとの苦情が寄せられているからだ。現在、飼い猫・野良猫に関するアンケートを行っており、猫に関するトラブルの実態と求められる対策を把握し、条例によるルールづくりが必要かどうか判断する考え。同時にごみの分別・処理に関するアンケートも実施しており、2017年度から開始する新たなごみ処理施設整備の検討に反映させる。
猫アンケートでは具体的にどのようなトラブルを抱えているか、どのような対策が必要かを聞いている。ほかに▽野良猫の繁殖抑制を目的とした公費による避妊去勢▽猫の殺処分ゼロを目的とした公費の収容・飼育施設▽「地域猫」制度の活用|などの必要性についても意向を確認する。
ごみアンケートでは、分別品目(12品目)を増やしたほうがよいか、十分な施設整備を行った上で減らしたほうがよいか、「もやさないごみ」か「資源ごみ」として扱っているプラスチック類を埋め立てるか焼却するか、など分別品目の見直しやプラスチック類の処理方法について問う内容となっている。
市のごみ処理施設については、一般廃棄物最終処分場が昨年3月末時点で埋め立て可能年数が約7年と試算されており、クリーンセンター(焼却施設)は供用開始から19年が経過して機器の経年劣化が顕著となっていることから、新たな施設整備の検討が求められている。市は17年度に検討委員会を設置し、建設予定地や施設規模などの検討に着手する。
同課は今月2日、無作為抽出した20歳以上の市民2000人に両アンケート用紙を発送。締め切りは22日。回答を集計した後、ホームページ上で公表する。「市民と密接に関係するごみの分別・処理、飼い猫・ 野良猫に関して市民の考えや要望を今後の施策に反映させたい」として協力を求めている。
【地域猫】地域住民の合意のもと、住民が主体となって飼い主のいない猫の世話をする県の制度。避妊去勢は県で実施するが、エサ代など飼育費用は住民が負担する。
思いやりの心育てよう
2016年度人権の花運動指定校の富野小中学校(宮良信浩校長、児童12人、生徒10人)で15日、人権の花の開花式(石垣市主催)が行われた。
同校では「育てよう美しい花とやさしい心」をスローガンに昨年4月から同運動に取り組み、児童生徒がサルビアやベゴニア、マリーゴールド、ペチュニアの4種類600本以上の花の苗を育て、命の尊さや人権を尊重する事の大切さを学んだ。
式で児童生徒を代表して土方海人君(中学2年)が「これまでにスローガンを考え人権モラルを学んできた。今後も、思いやりの心を育て自分自身を成長させよう」とこれまでを振り返った。
石垣人権擁護委員協議会の宮良清盛会長は「草花を育て命の大切さに気付いたのでは。学んだことを行動や行為で示してほしい」とあいさつした。
漢那政弘副市長が同校に感謝状を贈り、児童生徒はお礼に自分たちで育てたサルビアの花を参加者にプレゼントした。
土方海珊瑚(さんご)さん(小学5年)は「花を育てるのが難しかったが、最後はきれいに咲きうれしい。運動を通して、社会での男女差別やいじめが減ってほしいと感じた」と感想を述べた。
市制70年 ご当地ナンバープレート
石垣市は全国の市町村で導入が進んでいる排気量125CC以下のバイクと小型特殊自動車に装着できる「ご当地ナンバープレート」のデザインを15日午後、市役所庁議室で発表した。最優秀デザインは一般公募で、石垣島の身近な自然や動物、風景をプレート内で表現した石垣市野底に住むグラフィックデザイナー、コウ・ジャッキーさん(38)の作品が採用された。同ナンバーは石垣市市制施行70周年事業の一環で製作。市制施行記念日の7月10日から交付を開始する。
採用されたコウさんの作品は、1年半前に市内野底に移住して日ごろ見る朝日と星空の景色をパノラマで表現しながらカンムリワシや野底マーペーなどのシルエットを組み合わせたデザイン。
市は石垣島の知名度やブランド価値を高めようと初めてご当地ナンバープレートを導入。昨年11月に同プレートのデザインを決める選考委員会(委員長・平田睦事務局長、委員5人)を立ち上げ、同年12月から約1カ月間「本市にゆかりのあるデザイン」として一般から公募した。
デザインは県内外の12~73歳の人から36件の応募がり、同選考委員会が8日までに最優秀賞を含めた5点の作品を決定した。
香港出身のコウさんは「1年半前に移住して以来、野底で見てきた大自然の景色に市制施行を彩る意味のサンライズを取り入れた。石垣市のデザインに貢献できてうれしい」と作品への思いを語った。
中山義隆市長は「石垣島の良いところを1枚のナンバープレートに取り入れ、街全体が華やかになるデザイン」と評価した。
石垣市ご当地ナンバープレートの交付対象は50㏄以下の原動機付き自転車(白色)、小型自動二輪車の90㏄以下(黄色)、125㏄以下(ピンク)、小型特殊自動車(緑色)の4種類となっている。
全国のご当地ナンバー導入状況を調べる一般財団法人日本経済研究所によると、県内では宜野座村や西原町、南風原町、沖縄市、南城市が導入している。
受賞者は次の皆さん。
▽最優秀賞=コウ・ジャッキー(石垣市)▽優秀賞=下地京子(那覇市)、島尻哲明(石垣市)▽特別賞=大前夢生、生盛雄大(以上石垣市)
キビ生産増も期待
▽…石垣島製糖管内のさとうきびの2017/18年期春植え・株出しの植え付けが順調だ。雨が少なく収穫がスムーズに進んでいるためで、このまま行けば来期の収穫面積は拡大することが見込まれるという。生産量の増加も期待したいが、こればっかりは天気に左右されるため予想は難しいとか。
▽…伊豆諸島や小笠原諸島など11有人島の観光協会や行政で組織する東京諸島観光連携推進協議会が初来島、八重山ビジターズビューロー(YVB)との意見交換会ではお互いが抱える離島観光の課題について意見を交わした。一方、YVBも東京諸島で海外客に人気の観光商品にヒントをつかんだ。首都圏でも日本最南端でも離島が抱える悩みは共通。情報共有で離島観光の魅力アップを。
▽…3年前から開催されている中小企業施策説明会。県労働局など11団体が支援事業を説明した。後継者問題に取り組む県事業引き継ぎ支援センターは、西表島の「スーパー八重」の事例を紹介。店主が引っ越して存続の危機にあったスーパーを地元でシュノーケリングツアーを営む夫妻が引き継いだもので、同センターが間に入って短期間で事業継承を支援した。離島の生活基盤であるスーパーの危機を救った好事例と言える。
沖縄のプロ野球キャンプも後半戦に入ったが…
沖縄のプロ野球キャンプも後半戦に入ったが、ことしからは石垣でキャンプ10年の千葉ロッテに加えて新たに中日ドラゴンズも応援したい。それは常に沖縄の民意に寄り添い、いつも沖縄を応援する「東京新聞」の関連球団だからだ▼同球団は中日新聞が親会社だが、東京新聞も同新聞が親会社だ。基地問題で孤立しがちな沖縄を常に応援する東京新聞にはいつも感謝だが、ことしはさらにその潔い誠実な対応に敬服した▼正月早々の論説副主幹が司会で関わった在京の沖縄批判のテレビ番組に対し、「事実に基づかない論評があった。深く反省」「沖縄に対する本紙の姿勢に変わりはない」と中日新聞も一緒に論説主幹名で直ちに謝罪記事を掲載したのだ▼在京の新聞は東京をはじめ朝日、毎日の3紙は沖縄に理解が深いが、産経、読売、日本経済の3紙は逆に政府寄りだ▼特に産経はまるで安倍政権の機関紙のように翁長県政批判の急先鋒で沖縄の県紙とは真逆だ。読売も憲法改正に前のめりでほぼ同様であり、かつての「巨人・大鵬・卵焼き」も今や“アンチ巨人“だ▼ペナントレースは3月末からだが、ことしはロッテの8年ぶり日本一と中日の最下位からの巻き返しを応援したい。沖縄の基地問題も安倍政権の不条理で窮地にあるが、県民の再結束で逆襲したい。(上地義男)
ロッテキャンプ10年 19日に記念大撮影会
千葉ロッテマリーンズ石垣島協力会は、千葉ロッテの石垣島キャンプ10周年を記念し、選手や球団スタッフ、郡民、ファンらを写真に撮る「大撮影会」を19日午後3時から石垣市中央運動公園野球場で行う。参加無料。「野球場に集合しよう」と多くの参加を呼び掛けている=写真。
参加希望者は同球場の三塁側入り口に集合。写真は同協力会ホームページから無料ダウンロードできる。詳しくは同協力会事務局(市スポーツ交流課、82−1212)かホームページ。
交流願い甘い贈り物に 若夏会2施設へ北海道から
社会福祉法人若夏会(新垣重雄理事長)が運営する「おもと学園」「八重山育成園」に16日午後、北海道登別市にある就労継続支援施設「月とらいおん」(辻勲施設長)からシフォンケーキ20個のプレゼントが届き、利用者を喜ばせた。
2週間前から若夏会で臨時勤務している北海道出身の大澤邦昭氏(68)が辻施設長と知り合い。北と南の交流のきっかけになればと、大澤氏が橋渡しとなってケーキの贈呈が実現した。
ケーキは月とらいおんが製造販売しているもので、大澤氏は贈呈式で「ケーキは北海道産の小麦粉を使っている。店頭販売や移動販売を通して地域に浸透している」と紹介。
新垣理事長は「夕食や集まりの場で食したい。今後の利用者や職員の交流につながればうれしい」と話した。