明後日は「慰霊の日」。昨年のできごとを覚えておいでの方も多いだろう。摩文仁・平和祈念公園での全戦没者追悼式典。参列した安倍総理に「戦争屋、帰れ!」とヤジが飛んだ▼夕方、NHK全国ニュースを見てがくぜんとした。総理への罵声は完全に消去され、ヤジの事実も伝えられなかった。8月6日の広島平和記念式典でも同じことがあったという。平和への祈りの場で一国の総理に罵声が浴びせられる現実。ありのまま伝えてこそ報道の使命▼集団的自衛権の容認や安保法制を「数の力」で強権的に進める総理への、沖縄と広島の激しい怒りと抗議の意思表明。NHKの忖度(そんたく)は、総理批判をなかったことにした。事実を歪曲する行為だ▼6月は鎮魂の月。基地問題を主な争点とした県議選が終わり、次は参院選。私たちはいつまで基地のくびきから逃れられないのか。喧噪のなかでも、それぞれがそれぞれの場で平和や戦争について静かに思いをはせる月。記憶を風化させてはならない▼「慰霊の日」に改めて思う。強大な軍事基地があっても平和をつくれず、基地あるが故に住民の暮らしに安心安全がないことは、戦後沖縄のありようが示している。未来永劫この島々が平和で自然豊かに、穏やかに暮らすためにはどうすればいいか、考える一日にしたい。(慶田盛伸)
明後日は「慰霊の日」。昨年のできごとを
海洋少年団を結成へ 海保協支部が総会で承認
海上保安協会八重山支部(辻野ヒロ子支部長、法人会員44社、個人会員36人)は20日夕、市内のホテルで2016年度の総会を開き、同支部青年部(松田新一郎部長)から提案された海洋少年団の結成などを含む4議案を原案通り承認した。
海洋少年団は、幼稚園児から高校生までの男女団員が海を通した団体活動で社会生活に必要な道徳心や健康でたくましい人間育成を行う。今後は同青年部を中心に結成や活動を展開する方針。
総会で石垣海上保安部の宮崎一巳部長は「昨年度に完了した尖閣専従体制による巡視船と航空基地が連携し、マリンレジャー海難事故防止に向けた体制業務を推進する」と展望。
辻野支部長は「市民が安心して生活できるのは海上保安庁の努力。保安部と航空基地を応援していきたい」と激励した。
武松文香さんが優良賞 八重農から16年ぶり入賞
八重山農林高校(渡久山修校長)放送部の武松文香(あやか)さん(ライフスキル科2年)が、14、15日に那覇市で行われた第63回NHK杯全国高校放送コンテスト沖縄県大会の朗読部門で優良賞を受賞した。
同校の同コンテスト入賞は2000年の金城美由紀さんがアナウンス部門で優秀賞を得て以来16年ぶりの快挙。
受賞に武松さんは「決勝に進めるとは考えていなかったので素直にうれしい。将来は声優の道に進むのが夢」と語った。
同大会の朗読部門には142人が出場。予選を経て16人が決勝に進み、最優秀1人、優秀賞5人、優良賞10人を決めた。
武松さんは、審査講評で「自然体で素直な発表。内容がよく伝わるいい朗読」と評価された。
同校放送部は部員わずか3人。日頃は校内活動のほか、八重高と合同で練習している。
國光建設が知事賞 石垣市から2社2個人受賞
【那覇】県農林水産部(島尻勝広部長)は20日午前、県庁で優良建設業者等表彰式を行い、石垣市から知事賞に㈲國光建設(新里進代表取締役)、部長賞に㈲砂川興業(砂川健代表取締役)、優良技術者に國光建設の西泊宏明さんと砂川興業の大嶺行広工事主任が選ばれた。両社はそれぞれ石垣漁港1号物揚場改良工事、白保地区耕土流失対策工事を請け負った。
優良建設業者は適正な施工管理、優れた施工技術など、優良技術者は工事の現場代理人で模範となる人物に与えられる。
新里代表取締役は「作業の効率化などで工期の短縮が評価されたと思う。賞に恥じぬよう、今後も研さんしていきたい」、砂川興業の砂川代表取締役は「さらなるスキルアップを図りたい。今後は、若者たちの職場づくりにも取り組みたい」とそれぞれ話した。
就職は県外から県内へ 復帰後初めて逆転
来春卒業を見込む中高の新規学卒者を対象にした求人受け付けが20日、全国一斉に解禁され、八重山公共職業安定所(仲程通助所長)では郡内8社から12件、38人の求人票を受け付けた。企業の求人活動は7月1日に開始する。同職安によると、来春、郡内3高校と特別支援学校高等部の卒業を見込む457人(5月15日現在)のうち、97人が就職を希望。このうち51人が県内や郡内就職を希望しており、復帰後初めて県外就職希望を上回った。
新空港開港後、入域観光客の増加を背景に郡内経済が好転し、郡内の有効求人倍率も1.00倍以上で推移し、雇用情勢も活発化している。
一方、一部業種では企業側と求職者側のミスマッチによる人手不足が長期化しており、同職安では新規学卒者の郡内就職希望者の増加とマッチングが人手不足解消の鍵になるとみている。
県内と郡内就職希望者の増加について同職安の金城正和統括職業指導官は「郡内の経済状況が良くなり、県外就職と比べて賃金や労働面などで遜色ないことが要因」と分析。
新規学卒者の獲得に向けて20日午前、同所へ第一号の求人票を提出した社会福祉法人綾羽福祉会特別養護老人ホームまえさと茶寿苑の樋渡裕治事務長補佐(38)は「市内は福祉業界に限らず全体的に人材不足。高卒人材の資格取得などをバックアップしながら長期的な人材育成で定着させたい」と期待した。
同職安の仲程所長は「地元企業が地元の人材を育てることが企業成長に有効。ことしは人材確保のチャンス。早めに求人票を提出してほしい」と呼び掛けた。
参院選投票率が気がかり
▽…参院選は22日公示されるが、八重山地区では選挙の雰囲気が感じられない。国政選挙は盛り上がりに欠ける傾向があり、投票率は2013年7月の前回で47.61㌫と50㌫を割った。6月5日の県議選でも55.18㌫と前回より9.99ポイントも低下している。今参院選は、県議選直後という時期的にも悪い。投票率がどうなるか気がかり。
▽…大人顔負けのエークさばきをみせたあまかわ幼稚園の園児たち。八島小プールを使って行われたハーリー体験に園児たちは大興奮。水しぶきを上げる園児たちの姿には勇ましさを感じた。一方、プール内で子どもたちをサポートする保護者は額に汗を流して何往復もサバニを押して回った。園行事に保護者の協力は不可欠だが、「もう1回出発」という子どもたちの要望に苦笑いも。
▽…市立やえやま幼稚園で開かれた平和学習で紙芝居を通し平和の大切さを訴えた市文庫連絡協議会は、読み聞かせ以外にも多彩な活動を行っている。ことしで発足から30年以上がたち、現在は記念誌の制作も進めている。息の長い取り組みは二世代で世話になった親子もいるはず。記念誌の完成を待ちわびる人は多そうだ。
突然の“変化球”、何があったのだろうか。…
突然の“変化球”、何があったのだろうか。仕事柄、真相追究にますます疑念が募るばかりである▼20日の6月定例市議会最終本会議で、石垣島への陸上自衛隊の配備を求める請願が総務財政委員会の決定に反し与党の賛成少数で不採択となった▼採決では公明党の大石行英氏と平良秀之氏、自民党石垣市支部支部長の仲嶺忠師氏が退席、同支部幹事長の伊良皆高信氏、同党の今村重治氏が反対した。いずれも「もっと議論が必要」とし、議会としての判断は時期尚早との認識での行動と強調した▼一見すると最もらしい主張だがどうも分からない。仲嶺氏に至っては同日の朝、退席する意思を表明したというではないか。具体的な理由についても明かさず、同支部が一枚岩ではないことを露呈した格好だ▼さらには市議6人の脱退表明。本来ならばなぜこうなったのか。検証するべきだが思うようにならなかったからと「この体制のもとではともに行動できない」との対処は市民からすればまるで子どものけんかのようである▼いずれにしても今回の行動がパフォーマンスでないことを信じたい。政治の世界では、保身と前途のために上に立つ者がいればそれに従う者がいる。ヘイヘイ、ペコペコがどんなに危険か。当事者たちの今後の言動、良心に恥じぬ対処を求めたい。(鬚川修)
市長はこのさい断念求めよ
■予想外の展開に驚き
市民を二分する自衛隊配備を求める請願は、与党分裂でよもやの不採択となった。こういう展開・結果は市民の多くが恐らく予想しなかったはずだ。
17日の総務財政委員会で多数与党が数の力で採決を強行したことから、20日の最終本会議も当然そのまま採択されるものと予想していた。
そこでなぜ市議会与党は、情報もまだ十分に開示されず、議論も尽くされていないのに採決を急ぐのか。しかもよりによって不戦と平和を誓う沖縄戦終結の「慰霊の日」を目前に、それも元米海兵隊員の女性殺害事件に対する追悼と糾弾で6万5千人が終結した怒りの県民大会の翌日に、あえて再び戦争につながる自衛隊配備を認める愚挙に出るのか。石垣市の中山市政には強権の「安倍政治」が乗り移ったのかと憤りを感じていた。
それが最終本会議は、その予想を覆して多数与党内から「もっと議論が必要」「時期尚早」と熟議を求める議員の造反があって、自衛隊配備推進協議会の請願は賛成少数でよもやの不採択となったのだから、多くの市民が驚き、議員の良識を再確認したはずだ。
特に配備請願採択を覚悟していた反対住民は思わぬ展開に驚き、“欣喜雀躍”した人も少なくないだろう。
■急いては事を仕損じる
今回の与党の採決強行は「急(せ)いては事を仕損じる」の典型的な結果になった。それは内紛で請願が不採択になった上、与党の自民党石垣支部は10人中6人の議員が、退席した支部長や反対票を投じた幹事長ら2人の対応に反発して支部を脱退し破綻したからだ。これは22日から始まった参院選に影響し、中山義隆市長の足元もぐらついたのだから最悪の結果と言える。
その中で反対を明確にせず退席した公明議員2人の対応は、平和の党としてすっきりしないが、自民議員の造反は自衛隊に対する多くの市民の不安、急進的な一部与党議員に対する懸念の声が届いたものと言え、それは論議すれば理解は深まることを示すものだ。
宮古島市は、下地敏彦市長の来年1月の市長選を意識した20日の唐突な自衛隊配備受け入れ表明や、その間の配備ありきの強引な市政が市民の反発や与党の不信も招き、防衛省は計画の見直しを迫られるなど配備優位の動きは現在、先行き不透明になっている。
■あすは「慰霊の日」
石垣市も今回の不採択は、市議会が判断は時期尚早と仕切り直しを求めたものだ。推進派は改めて配備を求めてくるだろうが、中山市長はこの際防衛省に配備断念を求めるべきだ。それは配備問題が自らの党にも亀裂を生んでいるように、市長が「日本一幸せあふれる石垣市」を望むなら余計な対立の火種やリスクは排除すべきだ。
きょう22日は参院選公示で、あす23日は「慰霊の日」。20万人余の命を奪った沖縄戦から71年なるが、沖縄に不平等な日米地位協定、米軍基地を押し付ける日米両政府の不条理は変わらず基地あるがゆえの残虐非道な事件事故でまたも県民大会が開かれた。
沖縄の特別な日である「慰霊の日」と重なる今回の参院選は、そういう安倍政権の沖縄差別を正す選挙だ。
石川選手が2階級制覇 オールジャパンアームレスリング
AJAF第15回オールジャパンアームレスリング選手権大会(オールジャパンアームレスリング連盟=AJAF=主催)が19日、埼玉県草加市のアコス南館で開催され、県代表として70㌔以下級に出場した石川勇作(38)=石垣市石垣=が県勢唯一の優勝を飾り、前回の65㌔以下級に続いて2階級制覇を達成、全国の頂点に立った。大会後、重圧から解放され、「ホッとした」と安堵(あんど)の表情をみせた石川は、最終目的地の“世界”を見据え、同団体が2年以内に開催を計画しているアジア大会での王者を新たな目標に掲げた。
「世界レベルの体の大きさなど考えると80、90㌔を相手に戦えないといけない」と今回、増量して1階級上で挑戦した。
予選3回戦までを各試合1秒足らずで圧倒し、臨んだ予選決勝は、昨年12月に沖縄大会で下した伊東祐俊=神奈川=が相手。相手の腕を手前に引き、力を封じ込める「つり手」に持ち込めず、伊東得意の横方向での力勝負で敗れ、敗者復活戦に回った。
「伊東も意識していた。警戒していたが、研究されていた」と動揺した石川だったが、代表決定戦で阿部守=新潟=に粘られるも力でねじ伏せ決勝へ。
決勝は、伊東との再戦。「攻め方を変えた」石川は、相手を自分側に引き寄せることだけを意識、肘がマットから離れる反則覚悟で力を入れると、案の定、ファウルの判定。だが「これでいける」と手応えをつかみ、相手を寄せ付けない強さをみせつけ2本先取し、全国制覇を成し遂げた。
大会前2カ月間、朝、晩のトレーニングに明け暮れた石川は「時間をつくってくれた家族の応援のおかげ」と感謝。今大会では「敗れた相手に攻め手を変えて勝てた」と収穫も得た。
結果は次の通り。
【ライト70㌔以下】
▽予選2回戦=石川勇作○-×斉藤健介(栃木)▽3回戦=石川○-×徳田拳王(神奈川)▽準決勝=石川○-×萩原孝樹(栃木)▽予選決勝=石川×-○伊東佑俊(神奈川)
▽敗者復活代表決定戦=石川○-×阿部守(新潟)
▽決勝=石川○-×伊東
▽優勝=石川勇作
【ライト90㌔以下】
▽予選1回戦=識名徹夫×-○金田拓也(愛知)
▽敗者復活1回戦=識名×-○江村剛志(千葉県)
慰霊の日を前に各校で集会 八重氏が不戦を訴え
23日の「慰霊の日」を前に八重山高校(小成善保校長)は21日午前、体育館で、同校OBで詩人の八重洋一郎氏を講師に迎え、講演会を開いた。
八重氏は、争いに関する文学作品を紹介し、「人は昔から復讐(ふくしゅう)を美化してきた。これまで戦争を支えてきた思想や価値観を廃棄しなければ、人類は滅亡してしまう」と訴えた。
生徒を代表して文化委員長の岩本海南斗さん(2年)が「戦争は人を殺してしまう。二度と起こしてはならないもの。平和に感謝して日々生きていきたい」と述べた。
坂東康太さん(1年)は「改めて人間は昔から戦争をしてきたんだなと思った。戦争は勝っても負けても、失うものは大きい」と感想を話した。
6.23平和週間文芸作品の表彰も行われ、応募45作品の中から4部門で優秀作品が決まり、その中から知念ゆうりさん(3年)の詩が最優秀賞に選ばれた。
各部門の優秀賞は次の皆さん。
▽短歌部門=鈴木穂乃加(3年)
▽俳句部門=新城弘峰(3年)
▽詩部門=知念ゆうり(3年)
▽4コマ部門=匿名希望
▽詩部門審査員特別賞=山田昇太(3年)
【参院選】参院選きょう告示 沖縄選挙区
【那覇】7月10日投開票の第24回参院選挙は22日公示され、18日間の選挙戦がスタートする。沖縄選挙区(改選1議席)には自民現職で沖縄担当相の島尻安伊子(51)=公明推薦=、元宜野湾市長で新人の伊波洋一(64)、幸福実現党県本部副代表で新人の金城竜郎(52)の3氏が立候補する。政権与党の自民が擁立する島尻氏と、名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が推す伊波氏の対決となる見通し。3陣営は立候補を届け出た後、那覇市内で出陣式や出発式を行う。
最大の争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設ついて、島尻氏は「普天間の危険除去へあらゆる選択肢を排除せず、全力かつ現実的に取り組む」と容認、伊波氏は「航空法に違反する世界一危険な飛行場。全面返還させる」と反対し、違いを鮮明にしている。金城氏は「日米両政府で合意したことを実行するべきだ」としている。
先島諸島への自衛隊配備では島尻氏が「中国軍艦による侵入など安全保障環境は厳しさを増している。自衛隊配備はやむを得ない」と容認、伊波氏は「地対艦ミサイル部隊などの配備は米軍の中国戦略に基づき南西諸島で戦争するためのものだ」と反対する。金城氏は「中国の侵略の意図を考えると、先島、県民を守るため必要」とする。
日米地位協定については3氏とも抜本改定を求めている。
比例代表区には、自民から元SPEEDメンバーの今井絵理子氏(32)、共産から党県委常任委員の真栄里保氏(59)、おおさか維新から前金武町長の儀武剛氏(54)、日本のこころを大切にする党からラジオパーソナリティーを務める手登根安則氏(52)が出馬を予定している。
県選管よると、有権者数は21日現在、18、19歳を含め115万5811人。八重山郡内は石垣市3万8568人、竹富町3449人、与那国町1204人となっている。
6月の県議選に続き、7月10日に参院選が
6月の県議選に続き、7月10日に参院選が終わった。だが、新聞やテレビでは首都東京で舛添要一氏の辞職に伴い14日告示される都知事選に向けた候補者をめぐる混迷が連日、報道され、選挙への関心が高まりそうだ▼一方、ことし8月23日に告示される竹富町長選は、現職の川満栄長氏が早々と3選出馬を表明する中、野党が対抗馬擁立に難航している。議員や元校長、一般人などうわさは飛び交っているが、各島の思惑などもあり、13日までに一本化できずにいるのが現状のようだ▼複数の野党議員によると、今週中には一本化し、当事者から出馬への承諾を取り付けたいという。野党の難航で、有権者の間で「無投票」もささやかれ始めていただけに、告示まで1カ月半を切り、与野党の候補者が出そろいそうな雰囲気だ▼竹富町最大の懸案事項、庁舎移転は、先の新庁舎建設位置を問う住民投票で西表島大原が多数を占め、その道筋は示された▼だが、庁舎移転の手順や手法などをめぐり、町議会野党が反発し、議会で2度にわたり新庁舎建設関連費が否決されるなど、混迷を深めている▼今町長選で、住民投票の結果を踏まえ、何を争点として選挙戦が展開されるのだろうか。野党は誰を擁立するのだろうか。郡内のことし最後の選挙戦の行方が注目される。(下野宏一)
新城、悔い残る56位 第10S、山岳コースに苦戦
自転車ロードレースのツール・ド・フランスは12日、アンドラのエスカルデス=エンゴルダニからフランスのルヴェルまでの第10ステージ(197㌔)を行い、石垣市出身の新城幸也(ランプレ・メリダ)は 先頭から9分39秒遅れの56位でゴールし、総合123位。
このステージは標高1200㍍からスタートし、今大会最標高2408㍍のアンヴァリラ山頂を通過するコース。
レースは新城のチームメートのルイ・コスタが飛び出し、数人が追走。新城は後方からメーン集団に追いつくが、前に出ることができないまま集団の中でゴールした。
Teamユキヤ通信で新城は「きょうは何もできなかった。休養日明けにリズムが崩れる状態だったのかもしれない。標高が高かったことも関係しているかもしれないが、上りであんなに遅れたのは初めて。長い下り区間で復帰できたから良かった」とレースを振り返った。
また「チームとしては総合を狙うルイス・マインティスのタイムを失わないように守ることがミッションなので頑張る」とコメントしている。
特定健診、多数の受診を 25日まで各地域公民館など
石垣市市民保健部では生活習慣病のリスクなど早期発見につながる「集団健診(特定健診・がん検診)」の受診を呼びかけている。健診は25日まで市健康福祉センターをはじめ、各地域の公民館でも行われている。
特定健診は、メタボリック症候群に着目した生活習慣病予防の健診。同時に肺、大腸、前立腺がんなど「がん検診」を受けることもできる。
石垣市の2015年度の受診状況(国民健康保険加入者40歳~74歳)は受診率が51.1%(目標値53.8%)と、14年度の52.1%(同50.7%)を1ポイント下回り、目標値にも届かなかった。
16年度は受診率の目標値が56.9%。11日時点の受診者は対象1万354人に対し1209人(11.6%)となっている。
同センター保健事業係の新城明美さんは「生活習慣病は動脈硬化を引き起こし、心血管や脳血管の疾患、腎不全の原因になりやすい。年に一度受診することでリスクを減らすことができる」と述べ、受診を呼びかけた。
費用は国保加入者で40~74歳。75歳以上は無料。20~39歳は自己負担1000円。がん検診は有料。問い合わせは同センター(88−0089)。
健診日程(午前8時30分~午前11時、午後1時~午後3時)と対象地区は次の通り。
▽14日=大川・石垣(市健康福祉センター)▽15日~17日=全地域(同)▽20日=双葉・真喜良(双葉公民館)▽21日午前=大田・富野・米原・吉原・仲筋(吉原公民館)▽21日午後=栄・兼城・下地・多良間・伊土名(兼城公民館)▽22、23日=大浜・磯辺(大浜公民館)▽24、25日=全地域(市健康福祉センター)
入賞作品88点を紹介 児童・生徒平和への思い
第26回児童・生徒の平和メッセージ展(県主催)が13日から、八重山平和祈念館で始まり、図画、作文、詩で優良賞以上を獲得した88点や、市主催の「平和を考える作文・絵画」の入賞作品が展示されている。23日まで。
同日午前に同館で開かれた開会式で、同展を主管している県平和祈念資料館の原田直美館長は「皆さんが多くのことを学び、平和についてしっかり考えてくれることを期待している」と述べた。八重山教育事務所の﨑山晃所長、中山義隆市長(漢那政弘副市長代読)もあいさつした。
小学校低学年の作文部門で最優秀賞を受賞した半嶺和歩君(宮良3年)と、中学校の作文部門で優秀賞を獲得した大城花菜さん(石垣第二3年)はそれぞれ作品を朗読。
このうち「へい和の心」と題した作文で半嶺君は、母親が祖母から聞いたという戦時中の苦しい生活の話を聞いた経験から「弟と毎日のようにけんかをしていたが、しないようにしたい。自分のことのように誰かのことを考えれば、みんな幸せな毎日を送ることができる」と訴えた。
八重山平和祈念館の名城政広分館長、﨑山所長、小学校低学年の図画部門で最優秀賞を受賞した西村美音さん(真喜良2年)、同部門で優秀賞に選ばれた仲盛絢香さん(海星3年)らがテープカットを行った。
同展には宮良小の3年生や八重山地区入賞者の保護者らも訪れ、作品に見入っていた。
同展は午前9時から午後5時。入場無料。
安心して暮らせる老後のために
▽…約10年後の2025年には団塊の世代が75歳以上となり、認知症高齢者が急増すると予測されている。石垣市では高齢者を支える地域ケアシステムの構築が急務となっており、住民の理解と協力が必要という。年齢を重ねることは止められず、いつかは誰もが高齢者になる。安心して暮らせる老後を迎えるためにも、同システム構築に積極的に協力していきたいもの。
▽…おきなわ国際協力人材育成事業に八重山から高校生2人が派遣される。事前学習では異国を疑似体験するゲームが行われ、ラオスに派遣される大久勝利君(八重高3年)は「食料が不足している地域にミドリムシや青汁のような栄養価の高い製品をうまく輸出、寄付ができればと感じた」という。独自の視点でより具体的なアイデアがあるのは頼もしい。派遣先でもいろんなことを得てもらいたい。
▽…テニスの九州ジュニア選手権大会の女子ダブルスで準優勝となった下地美満と友寄愛加理。大雨の影響で、2日目と3日目の午前中は試合ができず、決勝戦は帰りの13日となったため、棄権した。決勝まですべて2-0のストレート勝ちだっただけに、悔しかっただろう。全国では、離島のハンディを乗り越えて結果を残してほしい。
立松和平さん、筑紫哲也さん、佐木隆三さん…
立松和平さん、筑紫哲也さん、佐木隆三さんというように、ここ数年、八重山と関わりの深い著名人の訃報が続いている。先日11日は「いしがき市民大学」の初代学長を務めた永六輔さん(享年83)の悲報が届いた▼市民大学は「文化でまちおこしを」と2001年から4年間続いた。当時永さんは沖縄でもラジオ番組を担当しており、その縁で学長を引き受けていただいた▼永さんといえば放送作家、作詞家、タレント、ラジオのパーソナリティーとしてマルチに大活躍中の有名人だっただけに、反響は大きかった▼石垣には10回近く訪れたが、いつも若いスタッフらを気遣い、明るく楽しい人だった▼一方で、同氏もまた10代での戦争体験から平和への思い入れが強い人だった。60年安保闘争では若手文化人らと「若い日本の会」を結成してデモに参加。近年はオスプレイや辺野古反対の沖縄の建白書に賛同、「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人にもなっていた▼同委員会は、安倍政権が南西諸島に自衛隊を配備するなど憲法9条を空文化して本格的に戦争体制を進めているとして「人間が人間を殺し合う戦争はもう絶対にしてはならない」と発足した。しかし残念ながら参院選の結果は、永さんらの懸念が現実になりそうな、さらなる危険ゾーンに入った。(上地義男)
石垣ー羽田線中型機導入
日本トランスオーシャン航空㈱(JTA、丸川潔代表取締役社長)は16日から8月31日まで、羽田ー石垣路線の1往復2便に中型機を導入する。同路線への中型機運航は3年目。石垣路線では初めて無料のWIーFIによる機内インターネットサービスを提供する。
機材は日本航空㈱のボーイング767ー300型機(261席)。現在は小型機のボーイング737ー400型機(145席)が1日2往復4便を運航しているが、中型機の導入で提供座席数は116席増ととなる。貨物もコンテナ輸送が可能で積載能力は約1.8倍に拡大する。
機内は全席皮張りシートで、普通席の足元スペースが最大5㌢広がる。
同社は、夏休みの多客期に中型機を導入して八重山への誘客強化を狙う。JTA八重山支社は「夏季繁忙期で供給量を増やして需要を取り込みたい。リラックスできる機内空間を利用してほしい」としている。
「マイヌミソ」造りに挑戦
【西表】竹富町教育委員会の社会教育学級「美原人(みはらんちゅ)学級」(屋宜加陽子代表)は13日、美原公民館で「マイヌミソ(米みそ)」を造る活動を行った。美原産の新米を使った麹に茹でた大豆と塩、泡盛を混ぜたマイヌミソは、来月中旬の旧盆のころにはおいしく食べられそうだという。こみゆサロン(崎原文子代表)のメンバーも参加した。
使用した麹は、10日に研いだ米を11日に蒸して麹菌を漬けておいたもので、13日午前10時ごろに完成。同学級の参加者は、みそ造りベテラン崎原文子さん(77)の指導を受けながら、ゆでた大豆を潰したり、塩と泡盛の計量をしたりして準備に当たった。
久しぶりにみそ造りをした本原富子さん(79)は「マイヌミソが食べられるなんてうれしいね。出来上がるのが楽しみ。油みそも造れるね」と話していた。
参加者からは「マイ油みそ」を持ち寄って味見会をしようという提案もあった。
初乗り上限額は510円 タクシー運賃改定
郡内のタクシー運賃改定に向け、県ハイヤー・タクシー協会(湖城秀實会長)と沖縄総合事務局運輸部は14日午後、市健康福祉センター2階会議室で地元関係者を招いて公聴会を開き、八重山地区の小型車と中型車を統合する普通車タクシーの初乗り料金の上限額を510円とする方針を明らかにした。郡内の運賃改定は8年ぶり。同運輸部は8月下旬に新運賃の認定を行い、9月初旬に施行する考えだ。
同運輸部によると、現行の初乗り運賃(1.167㌔㍍)は小型で430円、中型で460円となっており、510円の引き上げで最大80円アップとなる。距離の加算額と待ち料金についても改定される。
改定されると、石垣空港から石垣市役所までの運賃は、現行の小型で2770円から4270円、同空港から川平湾までは4450円から6990円となる。料金改定で10.93%の増収率が見込まれている。
同運輸部は現在、下限額の調整を行っている。
懇談会には市内のタクシー事業者や地域住民代表、市観光交流協会や市商工会、石垣市の担当者が参加。「市民が乗れる範囲内の料金が望ましい」「高齢者に対する割引制度の導入」、「乗務員のマナー改善」などを求める声があった。
県ハイヤー・タクシー協会八重山支部の請盛真実支部長は「レンタカー車両の増加や社会的需要の変化、不安定な燃料価格などの要因が運賃改定に直結。これを機に乗務員の教育徹底を行い、苦情を解決したい」と運賃改定に理解を求めた。
湖城会長は「今回のご意見を八重山支部と協議しながら(運賃改定に)取り入れたい。公共交通機関として利用者の増加につなげたい」と述べた。