新たに4周遊ルート認定 外国人観光客の離島周遊促進
香港エクスプレス初就航 6社目の海外便
石垣—香港路線を新規開設した格安航空会社の香港エクスプレス航空(本社・香港)が16日午後、南ぬ島石垣空港に初就航し、乗客172人が来島した。石垣への海外便就航は6社目。同社は10月末までの夏ダイヤで週2~3便の定期運航するほか、11月から3月末までの冬ダイヤは週2便で通年運航する方針。同社のチャールズ・ジョンソンゼネラルマネージャーは「小さな島々で自然やマリンレジャーなどの楽しみ方は魅力。通年運航で香港から多くの人々を送客したい」と意欲を示した。
エ社の石垣就航は東京や大阪、名古屋などに続いて国内で7都市目。機材はエアバスA320型機(180席)で運航。飛行時間は片道約2時間。価格は片道1万円前後だが、今後は同社独自の特別価格で片道1000円台の販売も行う。
夏ダイヤは、6月末まで木、日曜日の週2便。7月~10月末まで火、木、日曜日の週3便に増便。冬ダイヤは現在調整中。
初就航で訪れた乗客は香港人観光客をメーンに日本人客の姿もあり、9割は個人客で若年層が目立った。
空港国際線ターミナルビルでは市観光文化課や市観光交流協会の職員が乗客に石垣島観光をPRする記念品を配布した。
石垣から香港行きの初便に搭乗した市内川平に住む久道藤晃さん(63)は「香港では食べ物や夜景を楽しみたい。直行便は利便性が高く、価格が安ければ毎週行きたい」と喜んだ。
同協会の高倉大事務局長は「就航により、香港での誘客が強化できる。香港を経由した欧米人観光客の誘客も見据えたい」と新たな可能性に期待した。
同課の大嵩久美子局長は「大都市の香港に短時間で行けるのは大きい。長い通年運航に期待している」と歓迎した。
泣いても笑っても最後の夏
▽…離島の名将、伊志嶺吉盛監督にとって、最後の舞台がきょうから幕を開ける。「一回戦負けでも準優勝でも甲子園に行けなければ同じ」と独特の言い回しで甲子園への思いを語る。名物だった選手への”直接指導”は時代の流れでなくなったが、替わりに罰走を取り入れた。名物監督を慕う生徒たちに監督は選手として、息子として正面から向き合う。泣いても笑っても最後の夏がプレーボール。
▽…陸上自衛隊配備計画をめぐる請願3件の審議が行われた17日の石垣市議会議員協議会室。この日は請願提出者の嵩田公民館と名蔵地区有志の会の代表が出席し、住民らも傍聴した。ただ、配備に賛成する与党委員からの質問は「地域の皆さんは説明会に行ったか」の一問のみ。もっと住民側に質問してもよかったのではないか。 ▽…本年度1回目の八重農市では、フードプロデュース科が新商品を販売。同校職員によると、チャーシューやテビチを漬け込んだベースのタレを殺菌し、チラガーにも使用。再利用で無駄がない上にテビチなどからしみ出たコラーゲンがチラガーに浸透し、栄養たっぷりで肌にもいい商品になっているという。市民からも注目を集めており、今後も八重農市から目が離せない。
どうすれば企業は生き残れるのか。先日…
どうすれば企業は生き残れるのか。先日、市内のホテルで開かれた石垣エスエスグループ(大浜一郎代表取締役社長)の創業50周年記念式典で、ふと思った▼大浜代表の祖父・寛行さん(故人)が1966年、石油小売事業を始めた。父・寛詳さん(故人)が事業を拡大、3代目の大浜代表が新分野の開拓を試みた▼現在、同社の売り上げは石油事業が30%、流通事業が30%、外食などその他事業が40%を占める。本業のほかに二つの柱をつくり、足腰を強くしてきた▼石油だけでここまで発展することはなかっただろう。時代の変化やニーズに柔軟かつスピード感をもって対応してきたことが今につながっている▼これまでの10年間、「義をもって人と交わる」をテーマに取り組み、次の10年のテーマの一つに「粒々辛苦」を掲げた。一つ一つの積み重ね、日々のたゆまぬ努力・改善を怠らないとの決意だ▼創業100年以上の老舗製造業の生き残り術を探った「千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン」(野村進著、角川書店発行)は「毎日毎日の積み重ねが300年になったわけでして」と11代目社長の言葉を紹介。老舗企業に共通する項目として「時代の変化にしなやかに対応してきたこと」「『町人の正義』を実践してきたこと」を挙げる。相通じるものがある。(比嘉盛友)
危うい石垣市の地方自治精神
■議論もないのに採決か
自衛隊配備計画で注目される石垣市議会は、開会前から、賛否両派の動きが活発化した。反対派の建設予定地近隣の嵩田公民館、名蔵地区有志の会、それに市民団体が中止等を要請。一方、賛成派の自衛隊配備推進協議会は配備推進を求めた。推進協の三木会長は「疑問に対して防衛省は誠意をもって答えている。いくらやっても十分でないという人はいる」と述べている。
また、議員の中には「反対のための反対、引き延ばしのため波状的に出てくるといつまでも結論が出せない」という発言者もいる。果たしてそうだろうか、配備計画について十分な議論がなされたとは到底思えない。防衛省は住民説明会で市民の疑問に十分に答えていない。今後も市民に丁寧に説明していきたいと述べているはずだ。
納得しているのは非公開で沖縄防衛局が開催した説明会に参加した与党議員や推進協だけであろう。このような発言は民主主義を否定する危険性さえ感じる。
自衛隊の石垣島配備着手を2年間前倒しという報道について沖縄防衛局の森浩久企画部長は報道を否定した。しかし、うがった見方をすれば、世論の動向を見極めているように思える。ところで漢那副市長は、この問題について反対派に問われ報道を否定したが、後に報道内容の事実は確認していないと発言を修正した。問題の重要性を認識しているのか副市長としての資質が疑われる。
■市民への責任転嫁
中山市長は「安全保障は国の専権事項。住民投票にはなじまない」としながら「議会の判断は尊重する」と述べた。
一方で「市民の中で議論や議場での議論が思ったほど高まっていないというのが率直な印象。同じような質問と答弁を繰り返しているだけで何をもって判断するのか今の時点では決めていない」とも述べている。これは責任を市民へ転嫁するものだ。情報もなく市民は何を基に議論をするのか。市は市民に自衛隊の情報を提供したことなどない。傍観者だ。情報は防衛省の説明会と、与党議員が作成した推進協議会パンフだけだ。
パンフはミサイル(誘導弾)の射程を約100㌔としている。しかし防衛省の真部整備局長や防衛省の住民説明会資料では数百㌔以上と述べている。どちらが正しい情報だろうか。
■二重基準の市長発言
市長にとって地元とは何だろう。野党議員の質問に基地建設に隣接する「地元3地区の反対だけでは対応を判断しない」との考えを示した。だが、辺野古基地移設問題では地元辺野古地区が賛成しているので移設に賛成するとの立場だ。(平得大俣)への自衛隊配備と他国軍隊を同列にして論議することはできないとも述べている。これは重大な発言だ。市長は3公民館の反対決議について「無視して物事を進めるものではない」というが詭弁(きべん)としか思えない。
今後、防衛省の住民説明会については、検討して必要があれば再度開催するが、現時点では考えていないという。市民の間に議論が深まっていないと言いながらのこの発言だ。傍観する市長と配備推進採決を急ぐ与党議員。石垣市の地方自治はこれでいいのか。
大勢の市民で大盛況
八重山農林高校(渡久山修校長、生徒308人)の生徒が農業学習の成果を地域にアピールする本年度第1回「八重農市」が17日午後、同校で開かれ、大勢の市民でにぎわった。
フードプロデュース科は、新商品として甘みそと辛みそ味のチラガーとあぶりテビチを販売。チラガーは並んでいる人に試食を提供し、反応を探った。
同科3年の横山海斗君(17)は「初めてにしてはたくさん売れた。初めて試食してもらったが、それがよかったかもしれない。牛や豚の加工品は多いが、鶏が少なめ。個人的には今後、その部分の商品開発に挑戦していきたい」と意欲を語った。
同市に初めて来て、豚のだし骨やチーイリチー、スーチカーなどを購入したという安里里江さん=伊野田=は「安心して買える。パンがほしかったが、売り切れていて残念だった。もっと数があるといいなと思う」と話した。
この日は、八重山商工高校商業科の3年生約50人が同市を見学。米盛春香さん(18)は「思ったより人が多くて驚いた。自分たちで全部作っていると思うとすごい」、鷲尾玖美さん(17)は「親が待っている間、小さな子どもに風船をあげており、その気遣いが素晴らしかった」などと感想を語った。
初日、最優秀賞に40人挑む
第42回八重山古典民謡コンクール(八重山毎日新聞社主催)の審査が17日から、石垣市民会館中ホールで始まり、初日は最優秀賞の部の40人が挑んだ。受験者たちは緊張した面持ちで課題曲の「越城節」「たらくじ節」「しょんかねー節」「月ぬまぷぃろーま節」を歌い上げた。
コンクールは正確な八重山古典民謡の伝承普及を図るとともに卓越した新進歌い手の発掘や後進を育成し、八重山の音楽文化の発展につなげるのが目的。
ことしは奨励普及賞に6人、新人賞に67人、優秀賞に69人、最優秀賞に50人の計192人が挑戦。
審査終了後、3回目の挑戦という大堀則子さん(48)=石垣市野底=は「手応えはないが、最後まで歌い切れてよかった。昨年より進歩していればいいかなという気持ち。課題は分かっているので、一つずつ克服していきたい」。初挑戦の小渡大海(だいすけ)さん(23)=八重瀬町=は「何度やってもこの緊張感は慣れない。19日まで何も手につかないと思うが、やるだけやったので、あとは待つのみ」とそれぞれ感想を語った。
18日は午前9時30分から、最優秀賞41番以降と奨励普及賞、新人賞の部の審査を行う。
陸自推進の請願を採択
開会中の6月定例石垣市議会の総務財政委員会(平良秀之委員長、8人)は17日午後、議員協議会室で石垣島への自衛隊配備計画をめぐる請願3件を審議し、配備を求める石垣島自衛隊配備推進協議会(三木巌会長)の請願を採択し、平得大俣地区への配備計画中止を求める嵩田公民館(川満哲生館長)と名蔵地区有志の会(西原章惠代表)の請願を不採択とした。いずれも与党4人の賛成多数。20日の本会議で報告された後、採決される。
市議会の勢力は与党14人、野党・中立7人で、採決に加わらない知念辰憲議長を除くと13対7。大石行英、平良秀之の公明2氏が2014年9月の選挙の際、八重山毎日新聞社のアンケートに「国際観光都市を目指す石垣市にとって好ましいとは思わない」「外交努力を優先すべきだ」として反対の姿勢を示したほか、保守系議員の一部に「配備には反対ではないが、請願については住民の理解を深めてからでも遅くはない。慎重を期すべきだ」との意見もあることから、本会議で総務財政委の結論通りに採択されるかどうかは微妙な情勢だ。
総務財政委では、推進派の請願について野党側が「議員はすべての案件を付託されているわけではない」(福島英光氏)、「候補地の住民にとっては直接生活に関わる問題。主権者の市民の声を聞くべきだ」(石垣涼子氏)、「防衛省の情報が確定しない部分もある。なぜ採決を急ぐ必要があるのか」(宮良操氏)などとして継続審議を求めた。
一方、与党側は「情報をつまびらかにした途端、抑止力は意味を失う」(石垣亨氏)、「中国海軍が尖閣の接続水域に入ってきており、請願が提出されてから半年間、国防について市民も深く考えたと思う」(長山家康氏)、「中国は領土を拡張しようと海洋進出を図っている。防衛の空白地帯を埋める必要がある」などして賛成した。
傍聴席では議員のほか、市民18人が審議を見守った。
【速報】八商工、八重高を下し2回戦へ
第98回全国高校野球選手権沖縄大会(県高等学校野球連盟、朝日新聞社主催)が18日、全国のトップを切って開幕した。夏の甲子園への切符を懸け、63校が熱戦を繰り広げる。決勝は7月17日予定。
八重山高校、八重山商工高校、八重山農林高校の3校は開幕初日に試合が行われ、沖縄セルラースタジアム那覇での開幕戦で那覇高校と対戦した八重農は、8ー10で敗れた。一方、コザしんきんスタジアムで行われた八商工と八重高の八重山対決は8ー2で、八重山商工が勝ち、2回戦に駒を進めた。
【1回戦】沖縄セルラースタジアム那覇
八重農 010 110 302|8
那 覇 251 100 01×|10
投 手 八重農:登野城ー嘉弥真ー登野城ー東与那覇
那 覇:川畑ー松永ー宮國ー東江ー川畑
本塁打:宮城(那)
【1回戦】コザしんきんスタジアム
八商工 000 003 104|8
八重山 000 002 000|2
投 手 八商工:黒島ー森田ー平良海
八重山:仲山ー黒島ー新里ー黒島
本塁打:平良海(商)
球児たちの熱闘はまだまだ続く
▽…高校球児の夏が開幕した。梅雨も明け、夏空が広がる球場内は強い日差しが容赦なく選手たちを照りつけた。一方、観客や取材陣も炎天下、球児たちの1球を追った。地元も注目した八重山勢は八商工が八重高を下して2回戦に駒を進めた。八重農も敗れはしたが那覇を相手に善戦。終盤、追い上げをみせるナインの姿にスタンドの観客も声援を送った。大会決勝は7月17日。熱闘はまだまだ続く。
▽…「あがろうざ節を唄う集い」には大勢の市民や観光客が訪れ、ビールを片手に夏の風物詩を楽しんだ。初めて司会を任されたという河上美奈子さんは方言を交えながらスムーズに進行。主催した登野城五町内会の豊川雅行会長も「名司会!」とたたえた。中山義隆市長が「あがろうざ節」を歌う場面も。あいさつでは「リオオリンピックに出る新城幸也を応援しよう」と呼び掛け、地域の後輩の活躍を期待した。
▽…やしの実保育園の新園舎は、透明な雨どいを取り付け、園児がボールを流して視覚的に楽しめるなど、随所に子どもの目線を意識した 造りになっている。設計した那覇市の建築アトリエトレッペンの照屋寛公代表は石垣市出身。地元にかける思いは熱く、落成式では「建物は記憶装置」と力説。他にはないユニークな園舎。園児たちの記憶にしっかりと残ることだろう。
人生の最期の最期まで好きなことに没頭でき…
人生の最期の最期まで好きなことに没頭できたら、と思う。社会貢献も仕事も趣味も。それも健康で▼新川字会の元会長・故瀬名波致正さん(享年91歳)は在籍49年の八重山ライオンズクラブでも元会長▼自分はもう年で力のいる奉仕作業は無理だが映像記録と懇親会の盛り上げはできると、各種交流会ではビデオカメラを回しカラオケも率先マイクを握り美声を披露した。おかげで来期55周年を迎える同クラブは、交流活動の映像記録を手にすることができた▼仕事は鉄工所一筋。後継ぎの長男や妻には先立たれたがへこまず直近まで孫の指導兼アドバイザーとして共に旋盤を回していた。パインの全盛期には芯抜き機の製作と修理でもうかったこと、登野城小学校の同窓生が社長をしていた新聞社の印刷機のシャフトが折れ、深夜に起こされて修繕、翌朝の新聞発行に間に合わせたことなどを昨日のことのように目を輝かせて話していた▼趣味は凧(たこ)づくりで竹骨を細かく編み込んで作るピキダーはお手のもの。近年はシャクシメー(羽の開け閉めで凧糸を上り下りする遊具)の改良に励んでいた。旋盤を使ってすべりのいい部材を作り、いろいろ試していた▼いつかカラオケで「千の風になって」を凧好きな瀬名波さんと歌ってみたかった。合掌。きょうは父の日。(仲間清隆)
沖縄の記録写真31点紹介
約60年にわたり沖縄に関わる諸問題を追求し続けているジャーナリストで映像作家の森口豁(かつ)氏の写真展「アメリカ世の記憶」(森口豁と八重山・オキナワ実行委員会主催)が18日から大浜信泉記念館1階ロビーで始まった。26日まで。
戦争で村がなくなった本島摩文仁、真壁、喜屋武の三つの集落・旧三和村を撮影した1957年の「砲弾を浴びた村」や、島と島の間1㌔を竹馬で通学した久米島の少年たちを撮影した66年の「渡洋通学」をはじめ、「先祖の墓は基地の中」「『らい』と呼ばれた老女」など刺激的なモノクロ写真31点が展示されている。
開催時間は午前10時~午後6時。また25日午後6時半から森口氏による「ドキュメンタリー映画とトーク」が同記念館で開かれる。
2日目は3部門に83人
第42回八重山古典民謡コンクール(八重山毎日新聞社主催)は2日目の18日、石垣市民会館中ホールで最優秀賞と奨励普及賞、新人賞の審査を行い、着物やはかま、制服などに身を包んだ受験者たちは緊張した面持ちで審査に臨んだ。
この日は最優秀賞の10人、奨励普及賞の6人、新人賞の67人の計83人が挑戦。会場周辺や楽屋の前では、本番に向けて最終調整を行う受験者の姿が見られた。
新人賞に挑んだ大浜中学校1年の川口彩葉さん(13)は「練習してきたことが出せた。手応えはある。合格していると信じたい」、大泊来寧(らいね)さん(12)は「調弦はうまくできたが、二揚の高音が少しずれた。心配しているが、先生からは上手にできていたと言われたので自信を持ちたい」、西白保悠月さん(同)は「ちょっと調弦がずれたが、それ以外はできたのでよかった。郷土芸能部で地謡をしており、今後も三線を生かせるように頑張っていきたい」と語った。
最終日の19日は、午前9時30分から優秀賞の部69人を審査する。終了後、全部門の合格者が発表される。
唄い継ごうファームレウタ 登野城五町内会
登野城五町内会(豊川雅行会長)主催の「第9回マフタネーぬアコウ木ぬ下ぬ あがろうざ節を唄う集い」が18日夜、登野城のアコウ木の下であり、出演者21人がとぅぬすく村に昔から伝わる子守歌(ファームレウタ)を切々と歌い上げた。
集いは登野城発祥の「あがろうざ節」を後世に引き継ぎ、字民の交流を深めるのが目的。
同会によると、毎年飛び入りで参加する人もおり、ことしは遠くは北海道から2人、岐阜県から1人が出演した。
華千の会與那國久枝八重山のおどり稽古道場こっこーま教室に通う子どもたちや、八重山民俗舞踊光扇会・田場絹枝舞踊道場の門下生が舞踊を披露し、集いに花を添えた。
踊りで初めて参加したという石垣第二中学校1年の満名瑳南(さな)さん(12)は「集いは知っていたが、あがろうざ節は知らなかった。緊張したが上手に踊れたと思う。楽しかった」と感想。
札幌市から初めて参加した橋本英樹さん(55)は「苦労して育ててきた子どももことしで高校3年になり、大人(うふんちゅ)になってほしいという願いを込めて歌った。本場なのですごく緊張したが、気持ちよかった」と語った。
多良間田、先人の残した貴重な足跡
▽…八重山在多良間郷友会のメンバーが19日、平久保半島東にある多良間田跡に案内板を設置した。多良間田は1752年編さんの「宮古島記事」で伝承として記されていることから、それより前に多良間の人たちは通っていたことになる。郷友会にとって多良間田は、先人の残した貴重な足跡。誇りでもある。炎天下の作業も何のその。
▽…辞書引き学習法を指導した中部大学現代教育学部の深谷圭助教授は学習会の中で自身が監修した番組が20日午後7時25分から、NHKEテレで放送されることを紹介し、「慣用表現やことわざ、四字熟語などを覚える秘訣(ひけつ)を紹介する。ぜひ親子で見てほしい」と宣伝。「もし見られなかった場合も25日に再放送をするので大丈夫です」と間髪入れず伝え、猛烈アピール。
▽…大浜信泉記念館で19日行われたジュニア将棋選手権大会の選手権の部には小学生から高校生まで5人が出場した。5人のうち3人は當銘姓。聞くと、3人は兄弟だった。大浜中2年の洋介君は、高校1年生の兄を下して優勝。弟で最年少の征三郎君は惜しくも全敗に終わった。次回は2人の兄を目標にぜひリベンジを。
幼い頃によく聴いたわけでもないのに、…
幼い頃によく聴いたわけでもないのに、なぜか懐かしさを覚える民謡が「あがろうざ節」▼9年前から登野城五町内会が主催する「マフタネーぬアコウ木ぬ下ぬ『あがろうざ節』を唄う集い」が催され、アコウ木をバックに小中学生からお年寄り、今回は北海道や岐阜県から訪れたという愛好者ら21組が思いを込めて歌い上げ、それぞれ個性が表れていた▼登野城村のなかの香ばしい九年母の木(シークヮーサーの木)の下で、子守姉(むらーに)たちが集まり、子守できつくなった腕や腰をかばいながらも、大きくなって立派な人になるんだよ…という愛情深い歌詞が11番まである▼子守唄といえば、古謝美佐子、夏川りみが歌う『童神(わらびがみ)~天の子守唄』が全国的にも有名になった。でも県内各地に子守歌は数多く、八重山にも「あがろうざ節」のほか「ひるの子守唄」「コネマぬ泣くかー」「月夜の子守歌」などがある▼ファームレウタをちゃんと唄える人はどのくらいいるだろうか? とぅぬすくぴとぅ(登野城の人)でも「題名は聞いたことあるが、発祥の地とは知らなかったし歌えない」という人も▼方言や民話、ユンタ、わらべ歌もそうだが、幼子をもつ母親たちに島の子守唄を伝えるために、このような集いや催しは必要だと思うし、各地域で増えてほしい。(辻本順子)
ノリのいい楽曲で観客魅了
ナオト・インティライミと、きいやま商店が18日夕、石垣市民会館大ホールで初のコラボレーションライブを開き、来場した800人余を魅了した。
前半はきいやま商店が「ロックンロールびーちゃー」など11曲。後半に登場したナオトはコンピューターを使った電子音、キーボード、ギター、アカペラなど多彩なパフォーマンスで14曲を披露した。
内藤友美子(ゆみこ)さん(35)は、母親の武田千津子さん(57)と妹の晃子さん(31)=石垣市=の家族3人で来場、「お祭り好きな2組のノリのいいコラボで最高でした」と大喜び。
北海道からツアーで訪れた小川原拓(36)、美帆さん(33)夫妻は「きいやま商店は去年、札幌で初めてライブを見て好きになった」「ナオトも石垣島で見られてよかった。石垣島が好きになりそう」と話した。
78人が栄冠を手に 八重山古典民謡コン
第42回八重山古典民謡コンクール(八重山毎日新聞社主催)は最終日の19日、石垣市民会館中ホールで優秀賞の部69人の審査を行った後、全部門の合格者発表を行い、最優秀賞3人、優秀賞27人、新人賞42人、奨励普及賞6人の計78人が晴れの栄冠を手にした。合格者の発表会は10月22日午後6時半から、石垣市民会館大ホールで開かれる。
同日午後8時すぎ、合格者発表が行われた会場では、番号と名前を見つけた受験者が「あった!」「よっしゃ」と歓声を上げ、ガッツポーズをしたり、抱き合って喜んだりする姿が見られた。
金城英皓審査委員長ら審査委員は「目線が下向きの人や、天井を向いている人が多かった」「最優秀賞は『しょんかねー節』の前奏が非常に悪かった」「奨励普及賞では声の伸びがあり、将来が楽しみな人材がいた」などと講評した。
合格者は次の皆さん。
▽最優秀賞=小渡大海、南孝夫、前津伸弥
▽優秀賞=新城清貴、渡部淳司、青木雅美、船道裕貴、宮良千広、宮良長博、杉山順子、國場美紀、竹内由紀子、平田こころ、マテウシュ・バナシュキエビッチ、西原佑香、宮良あゆみ、戸島靖志、稲垣光正、家永功子、吉川忠男、大泊聖来、益田和之、山盛淳子、比屋根徳人、田渕鈴夏、近藤嘉紀、新垣まゆこ、松田泉、永田尚、新山章吾
▽新人賞=世持愛菜、菅原文子、渡部祥穂、川端隆志、新城まや、三島千尋、大仲哲也、島仲勇、、我那覇好活、大泊来寧、加藤芙実子、新城由也、仲里勝巳、宮根帆音、髙田昌也、小池直子、久高奈津子、玉城万夕、西白保悠月、川口彩葉、玉城由美子、當眞里菜、藤野育子、青柳陽介、寄田有紀子、大濵俊晴、高倉由美、堀いずみ、飯島かほる、平地正人、門藤俊江、古武真理、加藤千草、慶田盛好、中井カンナ、知念誠、宮城光平、中島功、濱村萌音、神谷若帆、前盛喜代佳、村上創
▽奨励普及賞=宇根底寿馬、仲道大翔、山田美月、野原裕太、世持新菜、吉本琉煌斗
川満氏が出馬表明 竹富町長選
8月23日告示、同28日投開票の竹富町長選で3期目を目指す現職の川満栄長氏(62)は19日、石垣市内ホテルで記者会見し正式に出馬を表明、「継続は力なり。3期目を勝ち抜き、町役場の西表大原への早期移転を成し遂げ、町民の期待に応えたい」と決意を語った。役場移転では手続きをめぐって議会と対立しており、川満氏は「議会が正しいのか、私が正しいのか、町民にぜひ判断してもらいたい」と述べた。
役場移転問題では、基本方針の策定と実施設計などの業務を並行して進めようとしている川満氏に、議会野党側が基本方針を先に策定すべきだと反発。3月と6月の議会で相次いで調査建設費を盛り込んだ一般会計補正予算案が否決されていることから、移転事業の進め方が今選挙の焦点となりそうだ。
川満氏は「役場は築46年。耐力度調査で危険家屋と診断されており、一刻の猶予も許されない。選挙で民意が出れば前に進む」と語った。
川満氏は会見で「2期目の公約103項目は97%の達成率」として▽船賃低減▽中学生までの通院費無料化▽妊産婦の船賃ゼロ・宿泊費増額▽出産祝い金の増額▽3製糖工場の整備―などの実績を強調。
3期目の重点施策として役場移転のほか、波照間航路の安定就航と空路再開、世界自然遺産登録、竹富島の水牛ステーション移転、子育て支援などを挙げ、「人と自然と文化が共存共栄、共生する日本一豊かなふるさと、竹富町づくりを協働で全力で取り組んでいく」と述べた。
川満氏はこの日は13の基本政策を打ち出し、後日、具体的な項目を発表する予定だ。
川満栄長(かわみつ・えいちょう)。1953年6月30日、西表上原住吉生まれ。琉球大学短期大学部卒。1990年から5期町議を務め、2008年の町長選で初当選。現在2期目。
自民石垣市支部が空中分解
▽…6月定例石垣市議会での石垣島への自衛隊配備を求める請願をめぐり、自民党石垣市支部が空中分解した。支部長が採決の際に退席、幹事長ら2人が反対したため、残りのメンバーが「いっしょにやってられない」と反発した。公明党2氏も退席した。22日には参院選が公示されるが、どう戦うのだろうか。
▽…復帰後初めて郡内の新規高卒者の就職希望が県外から県内・郡内志向へと変化した。人手不足に陥っている企業側も郡内の貴重な新規高卒者の獲得に向けて20日の求人受付解禁日から一斉に動きだした。マッチングが実現すれば、人材難の解消と同時に若年者の育成で長期的な労働力の確保、現場社員の世代交代が図られる。”企業の高齢化”へ陥る前に、計画的な雇用が必要だ。
▽…3氏だけの登壇となった6月定例与那国町議会の一般質問。さまざまな質疑はあったものの、午後3時ごろには終了し、異例の速さとなった。毎回、議員からの質問に緊張感が張り詰める当局側もホッとした表情。質問と回答を明確にし、コンパクトにまとめることで実現した今回の速さ。以前の与町議会を知る人にとっては驚きだ。