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長包の生涯歌でたどる 第10回宮良長包音楽祭

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「えんどうの花」など全28曲を披露した宮良長包音楽祭=1日、那覇市のパレット市民劇場

 【那覇】石垣市出身の作曲家、宮良長包の音楽を継承する「第10回宮良長包音楽祭」(沖縄日伊オペラ主催)が1日午後、那覇市のパレット市民劇場で開かれ、多くの観客が長包メロディーを楽しんだ。

 新人、中堅、ベテランの声楽家ら総勢70人余が出演。長包第1作の「笛」をはじめ「嘆きの海」「母恋し」「首里古城」「荒磯の歌」「園子の歌」など全28曲を披露。ソプラノ、テノール、バリトンの響きで観客を魅了した。

 同オペラ代表で琉球大学名誉教授の泉惠得氏は「とぅばらーま」を熱唱、混声合唱団「フォンターナ」が澄んだ歌声で「なんた浜」を聴かせた。

 音楽祭は、長包の生きた明治から昭和に至る生涯を歌でたどる構成で展開され、「えんどうの花」「安里屋ユンタ」の全体合唱でフィナーレを飾った。


県内初のハラール認証取得 ユーグレナ

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㈱ユーグレナと八重山殖産㈱が取得したハラール認定証(八重山殖産㈱提供)

 ㈱ユーグレナ(出雲充社長、本社東京)と八重山殖産㈱(志喜屋安正代表取締役)は3日、同殖産で生産している微細藻類のクロレラとミドリムシのハラール認証を県内で初めて取得したと発表した。

 認証は2013年12月5日付。ハラール認証は、豚やアルコールを食用にすることを禁じているイスラム教の定める方法で処理した食品であることを証明するもの。両社は今回の認証を受け、マレーシアなどイスラム圏への進出を本格的に目指すことにしている。

 2年掛かりで認証にこぎ着けた志喜屋代表取締役は「歴史あるクロレラとユーグレナを世界中に届けるのが当社の使命。その一つのツールとして同認証を取得した。今後はオーガニッククロレラに挑戦したい」とコメント。

 浅井康史常務取締役は「同認証取得は以前から顧客に求められてきた。今回、拓殖大学イスラーム研究所の指導により受けることができた」と喜びを語った。

 石垣輝彦課長は「地道な販促を継続し、沖縄の素晴らしさと県産品を国内外にPRしたい」と話した。

海底送水で要望相次ぐ 黒島・竹富町政懇談会

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海底送水による要望が相次いだ黒島地区の町政懇談会=4日午前、黒島伝統芸能館

 【黒島・竹富島】竹富町(川満栄長町長)は4日、黒島地区と竹富地区で本年度の町政懇談会を行い、両地区とも海底送水管や貯水タンク増設の要望が相次いだ。黒島地区は、本年度の超音波調査で新城島との間にある送水管で漏水の可能性が指摘されており、町水道課は目視調査の実施・修繕を行っていく。また、経年劣化に伴い、敷設替えまでの期間、毎年漏水調査を行っていく考えを示した。

 黒島への海底送水管は西表島を水源に新城島下地・上地を経由して1972~74(昭和47~49)年に整備。送水管の耐用年数は約40年と言われていることから、町では本年度、超音波調査を実施していた。

 同課の新城寛樹係長は「2014年度に海底送水管の敷設替えに向けた整備計画を作成し、国の認可を受けて15年度から実施設計、敷設替えを行っていく計画。耐用年数もあるため、敷設替えまでは毎年漏水調査を行い、維持管理に万全を期したい」と話した。

 石垣市から海底送水管で給水を受けている竹富島では昨年1月に漏水による断水が発生したことから、海底送水管の更新と西表島からの送水、貯水タンクの増設の要望が挙がった。

 貯水タンクも容量90㌧に対してピーク時の使用量は1日あたり400㌧以上となっており、新城係長は「整備計画の中で西表小浜経由で竹富島に送水する計画を盛り込んでおり、タンクの増設も送水管の敷設替えとともに国・県と調整しながら検討したい」と答えた。

自衛隊配備で住民説明会 与那国町

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自衛隊配備関連の住民説明会に参加した町民ら=4日夜、町構造改善センター

 【与那国町】与那国町(外間守吉町長)は4日午後6時から町構造改善センターで自衛隊配備関連の住民説明会を開き、町民ら約150人が集まった。外間町長は「有権者の約1割が参加し、十分な説明会になったと思う。今後は合意形成を得られたとして、国と連携して配備に向けて取り組んでいく」と述べ、自衛隊配備に対する合意形成は図られたとの考えを示した。また、オスプレイの配備や米軍との共同訓練については「断固、反対していく構えだが、日米安全保障条約や日米地位協定が撤廃されないと難しい」と述べた。

 防衛省は本年度、駐屯地隊舎や敷地造成に向けた実施設計を発注。今後は用地の売却に難色を示している南牧場側との交渉を進める一方、同牧場以外での用地買収を進め、施設整備を急ぎたい考え。

 説明会は1時間45分にわたって行われ、陸上自衛隊沿岸監視部隊やその施設の概要、自衛隊配備を踏まえた「新たな与那国の島づくり」、沿岸監視部隊が配備されている北海道の礼文町の様子などについて町側が説明。

 外間町長は「配備に伴う形での島づくりをどう位置づけていくのか、皆さんの意見を聞きながら、防衛省への要請などに取り組んでいきたい」とあいさつし、自衛隊配備によるメリットとして▽隊員やその家族が入ってくることによる人口の増加▽スポーツ施設や公的施設の整備▽災害時における協力体制―などを挙げた。

 また、「(自衛隊誘致に伴う)デメリットは反対する人たちとの軋轢(あつれき)だと思う」と述べ、自衛隊誘致をめぐって町内が二分されている点に触れ、「今後もねばり強く理解を求めていきたい」と述べた。

 会場では、配備に反対する住民が「レーダーの人体への影響はどうなっているのか」「有事の際の町民の安全確保はどうなっているか」「地域振興について国と公文を交わしていない」などと述べた。

 一方で、賛成の住民からは「子や孫のため、将来の与那国をどうつくっていくかが大切。そのためにも振興策は重要」「大災害が発生した際、町の消防団だけでは対応ができない」といった意見もあった。

 また、町側が説明会を終了しようとしたところ、反対の住民から「説明が不十分」「時間が短すぎる」などの怒号が飛ぶなど、会場は一時騒然とした雰囲気に包まれた。

凧揚げに願掛け?

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 ▽…石垣島キャンプを行っている千葉ロッテ。今キャンプ初のオフとなった5日、新人6選手が凧揚げを楽しんだ。ロッテの今年のスローガン「翔破~頂点へ、今年こそ」と記された連凧は勢いよく空に上がり、途中で糸が切れるアクシデントも。ロッテがスローガンに掲げた快進撃を予感させるように、凧は空高く舞い上がった。

 

 ▽…県立八重山病院で電子カルテが導入されたが、まだ受け付けシステムが外来患者に浸透しておらず、混乱も見られた。一方、病院側では医師が電子カルテに慣れるのが課題。年配の医師はパソコンとにらめっこしながら、操作法を覚えているという。システムが円滑にいけば診療時間の短縮や患者の負担軽減にもつながることから、慣れるまではしばらく我慢が必要だ。

 

 ▽…暦の上で春の始まりとされる「立春」が過ぎたが、南の島は早くも初夏へ向かっている。数日前、民家の庭先でクチナシやリュウキュウシャリンバイの開花を見かけた。朝夕は肌寒いが、日中の気温はもう4月上旬並みの陽気。ヒカンザクラも葉桜に変わりつつある。沖縄がプロ野球キャンプのメッカといわれる理由もこんな暖かさにある。

昨年暮れ、安倍首相は突然靖国神社を参拝し…

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 昨年暮れ、安倍首相は突然靖国神社を参拝し中国、韓国などを刺激し、しかもそれはバイデン米国副大統領の懸念を振り切っての行動であることが分かった▼先般、国会でそのことを問われて首相は日米同盟にはなんら影響しないと答弁していた。他人を傷つけて傷つけるつもりはないと言い、忠告を無視して影響はないと言うのだからこんな独善的なことはない▼首相の言動を見ていると私はいつも80年前、国際連盟の「満州国」否認決議に対抗してその総会を退場した松岡洋右(まつおかようすけ)首席全権を思い出す。その時の映像を何度も見たことがあるが、その少し上気した自信満々の姿が忘れられない▼彼は当時、軍部や右翼から「ジュネーブの英雄」ともてはやされたそうだが、彼のその時の行動で日本は一挙に世界から孤立したのである。そしてヒトラー、ムソリーニなどと日独伊三国同盟を結び、第2次世界大戦、太平洋戦争の敗北へと追い込まれる▼自信がありすぎ他からの批判を受けつけない指導者は危険である。その言動でもろに影響を受けるのはわれわれ一般市民なのだ▼例えば、台湾との漁業交渉に際して安倍首相が発した「今度は沖縄に泣いてもらおう」という一言が現在、沖縄八重山の漁民を大きく苦しめているのである。(八重洋一郎)

凧揚げ楽しむ ロッテのルーキー6人

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初のオフで凧揚げを楽しんだ新人の石川歩、吉田裕太、肘井竜蔵、井上晴哉、二木康太、吉原正平(右から)=5日午前、市中央運動公園陸上競技場

 春季キャンプ第1クールが終了し、初のオフとなった5日、千葉ロッテの新人選手ら6人が市中央運動公園陸上競技場で凧揚げを楽しんだ。

 正月に凧を揚げる八重山の風習を楽しんでもらおうと石垣市観光文化課が企画、八重山凧愛好会の協力を得て行われた。

 参加したのは石川歩、吉原正平、二木康太、吉田裕太、井上晴哉、肘井竜蔵の6選手。

 愛好会の添石邦男さんが「凧は向かい風がないと飛ばない。向かい風が強くなればなるほど力強く舞う。野球も同じだと思う。向かい風が強いほど、成長できるはず。今キャンプで困難に打ち勝てる強さを培って下さい」とあいさつした。

 この後、ロッテの今年のスローガン「翔破~頂点へ、今年こそ」「歓迎千葉ロッテマリーンズ」が一文字ずつ記された2種類の連凧や伝統凧の八角などを6人が大空に揚げた。

新博物館建設に着手 検討委

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八重山博物館内を見学する委員たち=5日午後

 新石垣市立八重山博物館(仮称)の建設を計画している石垣市は5日、博物館基本構想の策定に必要な事項について調査研究を行う「建設基本構想検討委員会」(石垣博孝委員長、委員19人)を設置した。検討委では、調査結果を踏まえて基本構想や内容、規模、建設候補地などを検討し、来年度の基本構想策定を目指す。

 5日午後、市民会館会議室で開かれた第1回検討委員会では、事務局の受託業者が事業概要や調査内容を説明した後、八重山博物館に移動。同館職員から収蔵品の状況などについて説明を受け、収蔵庫の現状を見て回った。

 同館の南側にあり、主に図書資料などを保管しているプレハブでは、職員が「電気や空調設備がないため、夏場の作業が困難。くん蒸も年に一度行っているが、簡易的な建物なので虫も入ってくる」と話した。

 次回は3月4日に2回目の検討委を開き、現況調査や先進地の事例などを踏まえながら協議していく。

 委員は次の各氏。

 ▽委員長=石垣博孝(八重山博物館協議会委員)▽副委員長=花井正光(元琉球大学教授)▽委員=上原静(沖縄国際大学教授)、田名真之(同)、照屋寛公(建築アトリエTreppen代表)、宮地竹史(石垣島天文台所長)、崎山陽一郎(八重山博物館協議会委員)、島袋憲一(同)、平野秋一郎(同)、前盛善治(市教委教育部長)、成底啓昌(市教委総務課長)、登野城勝(市教委文化財課長)、大得英信(市企画政策課長)、比屋根悟(市契約管財課長)、小菅丈治(県立石垣青少年の家)、糸洌長章(八重山古典民謡保存会)、上原有代(宮良婦人会)、豊川奈津子(石垣市織物事業協同組合)、藤田美保(石垣市商工会)


就航60周年を祝う 日航の沖縄-東京路線

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くす玉を割り沖縄-東京線就航60周年の節目を祝う日本航空の植木義晴社長(右から4人目)と関係者=5日、那覇空港国内線

 【那覇】日本航空(JAL・植木義晴社長)は5日、沖縄-東京線就航60周年を迎え、那覇空港国内線旅客ターミナル内で記念セレモニーを行い、節目を祝った。同路線は、祖国復帰前の1954(昭和29)年2月5日に国際線として開設。初年度の週2往復、年間利用者約2500人から現在は、1日12往復約3万人が利用するなど、同社の主要路線となっている。

 植木社長は「沖縄-東京は戦略上、重要な路線。70周年に向けて日本トランスオーシャン航空、琉球エアーコミューターとともに沖縄の振興発展に貢献していきたい」と述べた。

 セレモニーでは、植木社長や日本トランスオーシャン航空(JTA)の佐藤学社長、JALとJTAのスタッフらが「ご搭乗ありがとうございます」の横断幕を掲げて羽田から沖縄着の乗客を迎えた。初便の沖縄着と羽田行きの搭乗客には、メモホルダーなどが入った記念品が贈られた。

 沖縄観光コンベンションビューローの上原良幸会長は「還暦となり歴史を感じる。100周年を目指してさらなる沖縄観光の発展につながればと期待している」、県観光文化スポーツ部の湧川盛順部長は「沖縄の観光振興を今後とも日本航空と連携して取り組みたい」とそれぞれ就航60周年を祝福した。

電子カルテに一時混乱 八重山病院

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電子カルテの導入を知らない患者などで一時混雑した八重山病院の受付カウンター前(同院提供写真)=3日午前8時ごろ

 県立八重山病院(依光たみ枝院長)は3日から、患者のカルテ(診療録)を電子データ化した「電子カルテ」を稼働させたが、システムの周知不足のため、病院入り口に設置された再来受付機での受け付けが必要となる再診予約患者の間で、混乱が生じている。

 再診予約患者は従来は直接、診療科窓口で受け付けをしていたが、電子カルテ導入に伴うシステム変更で、診察券を再来受付機に投入し、案内票を受け取ったうえで各診療科で受診する仕組みとなった。

 システム変更から2日が経過した5日、同院では、変更を知らない再診予約患者が直接予約先の診療科窓口に行き、機械での受け付けを促されるケースがあった。

 子どものワクチン接種で来院した女性は「最初は戸惑ったが、カード一枚で受け付けができてシンプル。案内票も分かりやすい」と感想。

 依光院長は「慣れればこれまでよりも速く、スムーズに診察することができ、患者サービスにつながる」と述べ、利用者に理解を求めた。

 初診や予約のない再診の患者、再診の予約をしたが、診察券のない患者は従来通り総合受付窓口での受け付けとなる。

 電子カルテの導入は医師らが端末上で患者の情報や診察内容を把握することが可能となり、診察時間の短縮にもつながる-と同院では話している。

操業ルールに不満続出 日台漁業取り決め

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操業ルールの説明会に出席する漁業者ら=5日午後5時すぎ、八重山漁協会議室

 石垣島北方海域に台湾漁船との共同利用水域が設けられた日台漁業取り決めをめぐり、マグロはえ縄漁がピークを迎える4~7月の間、4マイル(7.4㌔)の船間距離で操業するとの内容で日台漁業委員会が1月24日に合意した操業ルールについて、水産庁資源管理部の枝元真徹部長らが5日夕、八重山漁協(上原亀一組合長)を訪ね、マグロはえ縄漁業者らに説明したが、参加者から不満や反発の声が続出した。枝元部長らは、今期の操業実態を踏まえ、改善につなげていく意向を伝えた。

 日台が合意した操業ルールは三角水域東側の一部海域で適用される。八重山漁協所属のはえ縄漁船が同海域で操業したい場合、操業開始の5日前までに漁協を通して蘇澳区漁会に連絡。これを受け台湾漁船は、日本側と同じように4マイル(7.4㌔)の船間距離を置いて操業するという内容だ。日本側の操業は、原則として1回の通報で1週間となる。

 日本側が事前に通報したのに操業していないことを台湾漁船が確認した場合、台湾側は八重山漁協に連絡した上で船間距離1マイル(1.852㌔)で操業することができるようになっている。

 説明会は非公開で行われ、県農林水産部の新里勝也水産課長によると、「ルールが適用される範囲が狭い」「5日後のことが分かるか。5日前の通報は机上の空論だ」との批判があった。一方、操業期間中は水産庁の取締船を配置し、ルールを徹底するよう要望する意見もあった。

 通報期間について日本側は2日前を要求したが、台湾側は海域を空けるのに時間を要すると主張、5日前で合意した。一方、日台の漁協同士あるいは漁船同士の連絡体制はまだ確立されておらず、早急な構築が求められているという。

 上原組合長は「連絡体制を早急に確立し、どれくらい利用する漁船があるかを調査したい。今回のルールは満足できるものではないが、次につながる一歩にしたい。こちらとしても可能な限り三角水域全域で操業ができるような取り組みを展開したい」と話した。

石垣市教育委員会は、8年前から省エネを目的に…

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 石垣市教育委員会は、8年前から省エネを目的に、各学校現場で節減した光熱水費のうちの一定額を学校に還元する「学校予算還元プログラム」に取り組んでいる▼同プログラムは「パチッと消灯、地球のウインク」をキャッチフレーズに2006年度からスタート。節減額の80〜60%が学校に還元されるため、各学校では、教室移動時など電気をこまめに消したり、水道の水を大切に使うなど、全校を挙げ節水・節電に取り組んできた▼このうち11年度は節減額1257万円のうち1057万円が還元され、学校現場では貴重な資金として、備品購入費などに充てている▼だが、近年、そのシステムが危ぶまれている。電子黒板の全校配布など、電気を使用する機器が増え、光熱費がかさむようになってきた反面、各学校の取り組みで節減効果が出た分、市教委の光熱費予算が減額され、本年度は、節減した学校に対し、還元する原資がないという皮肉な結果に▼同プログラムに取り組むことで、児童生徒の節減に対する意識は確実に高まったことだろう。これが学校だけにとどまらず、自宅や社会に出ての実践につながることを期待したい▼ただ、学校で子どもたちの節減への取り組みに張り合いが出るよう財政当局には予算面での配慮が必要だろう。(下野宏一)

オヒルギ被害は人災

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 ▽…土砂の堆積でオヒルギの根が呼吸できず、枯死した吹通川上流のマングローブ。自然災害とされているが、エコツーリズムの関係者によると「決壊しやすい場所に林道を造ったせいだ。今回のオヒルギの被害は人災」と話す。公共のための工事とはいえ、あらゆることを想定して取り組まなければ、貴重な島の自然は取り返しのつかないことになる。 

 ▽…西表島の国有林の利用ルールについて意見を交わした西表島森林生態系保護地域保全管理委員会。希少動植物が採取され、インターネットを通じて販売されている現状もあり、奄美・徳之島の事例を挙げてパトロール強化を求める要望もあった。モラルの問題でもあるが、販売用に採取する人もいるようで、最も身近な地域住民の監視の目が抑止策に最適とか。

 ▽…全国で認知症患者は約240万人おり、2020年には300万人を超えると推定されている。6日、八重農で開かれた認知症サポーター養成講座の中で「悪い例」として演じられた認知症患者に対する感情的なやりとりを演じた芝居。案外、身近で見られる光景のように感じた。認知症キャラバンメイトいわく「共感することが大事」。良い例の芝居は認知症を理解し、患者に向き合う対応だった。

砂川さんが百選に 八商工3年

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第27回現代学生百人一首で入選者100人に選ばれた八重山商工高校3年の砂川明香さん=6日午後、同校校長室

 全国の学生の物の見方や生活感覚を詠んだ短歌を募集するコンテスト「第27回現代学生百人一首」(東洋大学主催)の一般の部で、八重山商工高校商業科情報ビジネスコース3年の砂川明香さん(18)の「じーじーの/三線片手/よみがえる/過ごした記憶/しずくがぽろり」が入選者100人に選ばれた。同校からの入選は初めて。

 今回は全国から小学生の作品も含めて総数5万6202首の応募があり、県内からは砂川さんを含む3人が入選した。

 砂川さんの作品は、8歳の時に他界した祖父が使っていた形見の三線を弾くたびに、一緒に過ごした日々を思い出すことを詠んだもの。授業の取り組みで作ったという。

 砂川さんは「最後の部分で最初は『涙』がぽろりだったが、直接的すぎるので、『しずく』に変えた」と振り返り、「思いをそのまま書いたのが伝わり、入選できてうれしい」と喜びを語った。

 砂川さんは福岡大学への進学が決定しており、「三線を持っていき、文化を伝えられたらと思う」と笑顔をみせた。

「よみがえれマングローブ」 吹通川上流

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オヒルギの苗を植える野底小の児童ら=6日午前、吹通川上流

 環境省の「マングローブ生態系回復のための実証実験」の一環として野底小学校の児童42人とのそこ幼稚園の園児9人が6日、石垣市野底の吹通川上流でオヒルギの苗約50本を植えた。

 吹通川のマングローブは石垣市の天然記念物に指定されており、オヒルギやメヒルギ、ヤエヤマヒルギが自生しているが、2010年10月23日の記録的な大雨で野底浄水場付近の道路が決壊し、大量の土砂が堆積した川の上流では、オヒルギの根が土砂で呼吸ができず枯れている。今回の植樹は被害に遭ったオヒルギの再生を図ろうと行われた。

 児童たちは、エコツアーふくみみの大堀健司代表の案内でカヌーに乗って上流に向かい、オヒルギの苗を1本1本ていねいに植えた。

 砂川大河君(4年)は「うまく植えることができてよかった。元気に育ってほしい」、奥松凛さん(6年)は「石ころが多くて大変だった。オヒルギが成長しやすい環境になってほしい」とそれぞれ話した。


ガイド制度の導入を 西表島森林生態系保護地域

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西表島森林生態系保護地域の利用ルール策定に向けて活発な意見を交わす地域保全管理計画委員会=6日午後、南の美ら花ホテルミヤヒラ

 林野庁九州森林管理局は6日午後、石垣市内のホテルで第3回西表島森林生態系保護地域保全管理委員会(座長・芝正己琉球大学教授、委員8人)を開き、「奄美・琉球」の世界自然遺産登録を見据えた保全管理計画の策定に向けて意見を交わした。委員会では、利用ルールについて意見を交わすとともに、実効性を確保するためにもガイド制度の導入を求める意見が上がった。

 西表島森林生態系保護地域は西表島の国有林の84%に当たる2万471㌶で設定されており、中心部の9999㌶が保存地区、その周囲を取り囲む1万471㌶を保全利用地区に指定している。

 この日の会議では、森林管理局から同地域の利用のあり方や利用できるルート、横断道のテント設営箇所、緊急避難候補地、外来植物種対策、モニタリング案が示され、委員らが活発な意見を交わした。

 現地の状況について西表島エコツーリズム協会の徳岡春美事務局長は「ガイド業者は合計で60ほどあると想定している。カヌー組合に加入している業者は把握できるが、加盟していない業者もおり、今シーズンからさらに業者が増えるという話もあり現状が把握できていない」と述べた

 県猟友会八重山支部の高田見誠副支部長も「狩猟期間中の西表にはイノシシ用のワナが設置されており、ルートから外れるとワナにかかったイノシシと遭遇する危険がある」と懸念を示した。

 琉大の伊澤雅子教授は「利用ルールをつくっても、実際に現地に入るとどこまでが保全利用地区でどこからが保全地区なのか分からず、分かるのは現地のガイドだけ。ガイド制度をつくらなければ利用ルールの実効性がなくなってしまう」とガイド制度の創設を求めた。

 同局では11月に第4回委員会を開いて骨子案を提示し、来年12月には保全管理計画をまとめたい考え。

観光地をバリアフリーに 県がサポーター講座

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段差を想定して車いすの使い方を学ぶ観光従事者ら=6日午後3時半ごろ、石垣市健康福祉センター

 観光従事者が高齢者や障がい者にどのように接すれば気持ちのよいおもてなしができるかを学ぶ県主催の観光バリアフリーサポーター講座が6日、石垣市健康福祉センターで開催された。誰にもやさしい観光地づくりを形成しようと初めて行われたもので、20人近くが参加し、障がい者の講話やハンディキャップ体験を通して、バリアフリーの必要性について認識を深めた。

 講座ではまず聴覚障がい者の伊良皆公佑さん、視覚障がい者の平良常さん、自立生活センター南十字星代表の金城太亮さんから講話を聞いた。

 伊良皆さん、平良さんは「2020年の東京五輪とパラリンピックに向け、世界各国から訪れる障がい者や観光客が楽しく過ごせるようバリアフリーを進めていくことが大事だ」「川平などの観光地も歩きやすいと言われるバリアフリーを考えてもらいたい」と話した。

 金城さんは、川平公園などでバリアフリーチェックを行った結果を報告しながら「私たちが声を上げ、障がい者の気持ちや思いを伝えていくことが大事だ」と強調した。

 この後、参加者は車いすやアイマスク、高齢者疑似体験用の器具を使い、介助する際の声のかけ方などコミュニケーションの指導を受けた。

 宮良地区に近くオープンする予定のリゾートマンションで勤務する波照間清美さんは「リゾートマンションもすべてバリアフリー。施設だけでなく八重山の観光地にバリアフリーが広がれば、もっともっと石垣島を訪れる人が増えると思う」と感想を述べた。

 講座は、NPO法人沖縄県脊髄損傷者協会と「NPO法人まちなかわくわく」が県から委託を受けて企画運営した。

琉大ゴールド実証実験へ 新品種ウコン

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説明会で新品種の琉大ゴールドを手に説明するモハメド准教授(中央)=6日午後、経営企画会議

 琉球大学と㈱琉球バイオリソース開発との産学連携で開発された、琉球大学ブランドのウコン「琉大ゴールド」の実証実験が4月から石垣島で初めて実施されることになり、6日午後、同大農学部でウコン栽培に取り組むモハメド・アムザド・ホサイン准教授(48)が実験に興味を示す農家の8人に栽培方法を説明した。将来的には加工販売に意欲を示す4企業を加えて組合をつくり、栽培から加工、販売までを島内で行い、新しい産業として育成する方針。

 新品種の琉大ゴールドは、在来のウコンと比べてクルクミンの含量が7~20倍と多く、栽培期間が45日も短く、根茎が太く収量が高いのが特徴。

 根数が少なく、土落としなどの収穫作業が省力化でき、台風時の倒伏被害も少ない。

 品質面では、味や香り、色合いも良く、昨年2月29日付で農林水産省がウコンの新品種として正式に品種登録した。

 実証実験は、市内の1農家のほ場で4月から1年間実施し、その後、他の7農家でも本格栽培に取り組むことにしている。

 モハメド准教授は「石垣島の土はウコン栽培に適しており、気温など環境もいい。栽培にはコストが少なく、多くの収量が見込めるので農家への還元を高めたい」と期待した。

 今回の説明会は、同ウコンの栽培指導や事務管理をサポートする㈱経営企画(下地恵善取締役代表)=新栄町=が主催。

 同社の下地代表は「集まった農家で石垣ウコン事業協同組合を設立し、組合員の農家で栽培から加工、販売を一手に行い、島の新しい産業にしたい」と意気込んだ。

世界自然遺産登録を急げ

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■今は追い風だが

 平成25年の八重山観光は「南ぬ島石垣空港」開港効果で32%増の94万人を突破。本年も旬の観光地として100万人以上の観光客が見込まれ、当面は順調に推移しそうである。

 石垣市は「地域ブランド力の魅力度調査」で全国市区町村中10位の人気に加え、海外から川平湾が「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得。世界最大の英語ガイドブック「ロンリープラネット」で八重山諸島がシークレットアイランド部門で世界3位、さらに本年1月には世界的にも影響力が高い「ニューヨーク・タイムズ」紙が本年行くべき世界の観光地52カ所中、石垣島は18位に選出され、関係者を喜ばせた。八重山には今は内外から追い風が吹いている状態となった。

 東京オリンピックが開催される6年後には過密になっている那覇空港の第2滑走路完成が予定されている。完成によって輸送力が飛躍的に増大し沖縄県が目標としている1000万人観光客実現の可能性が高まり、同時に八重山観光もこれまでのシェア実績から150万人観光客時代を迎えることになる。

 石垣港湾整備、ゴルフ場建設、水族館建設など観光インフラの整備、「お・も・て・な・し」のソフト面向上など受け入れ課題は多いが、緊急の課題は八重山の魅力の原点である自然環境保全だろう。多くの観光客が訪れることによって地域の経済力は向上するが、同時に自然への負荷も増加し、対策を放置すれば自然環境が崩壊し、八重山の魅力を一瞬にして失ってしまう。

 

■異常事態宣言

 観光客やレンタカー等の増加に伴い、カンムリワシやイリオモテヤマネコなど貴重な小動物の事故死が頻発している。中でも国の特別天然記念物で絶滅危惧種に指定されているイリオモテヤマネコの場合は深刻で、推定100匹程度の生息数にかかわらず昨年は6件発生、本年はすでに2件が発生し、環境省、西表野生生物保護センターは「異常事態」を宣言、住民やドライバーに注意を呼び掛けている。

 竹富町は注意喚起看板を設置し、パトロールを行うなど一定の努力はしているものの、住民全体で生物環境を守る取り組みが十分とは言い難いだろう。

 

■登録への行動が急務

 平成15年、環境省と林野庁は世界自然遺産候補地に関する検討会で知床、小笠原諸島、琉球諸島の3地域を推薦候補地に選定し、すでに知床と小笠原は世界遺産に登録済みだが琉球諸島は手続きが大幅に遅れている。平成25年1月に関係省庁連絡会議で「奄美・琉球」を暫定リストに登録することを決定し、12月には対象地域を奄美大島、徳之島、沖縄本島北部のやんばる地域、西表島とした。

 今後は保護計画の策定、推薦書の提出等を経て最短で2年後の夏に開催される世界遺産委員会での登録を目指すとしている。しかし八重山諸島での世界遺産登録に向けての取り組みは弱く、行政や議会の行動が見えてこない。

 登録はあなた任せの国の仕事ではなく、経済の原動力である観光と環境を両立させる重要な地域課題であることを深く認識し、速やかに官民挙げて行動する必要がある。

先日、久しぶりにヤギ汁を食べた。…

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 先日、久しぶりにヤギ汁を食べた。高血圧の薬を飲み始めて以来食べていないのでおそらく6、7年ぶりかもしれない。先月琉大の砂川勝徳教授らの研究チームが「ヤギ肉は血圧を上げない」とお墨付きを与えたので安心して久方ぶりに食した次第▼沖縄の伝統食のヤギ料理は滋養強壮・疲労回復に良いと重宝される一方で、「血圧を上げる」と風評があり、敬遠する人も少なくなかった▼それを砂川教授らが「血圧上昇の原因はヤギ肉でなく、料理に使う塩」と長年の風評を覆したのだからそれは朗報だ▼どんな料理も安心して食べられるし市内に5カ所ほどある専門店は自信をもって提供できる。生産者は需要が増えて飼育頭数を増やせる。ヤギで島おこしを目指している多良間村には大きな励みだろう▼においや味にクセがあり観光客の評価も分かれるヤギ料理。しかしトライアスロン大会でたびたび石垣を訪れた今は亡き皇室の宮様は、なぜか大好きで物々しい警備の中、夫妻でよく市内料理店に通っていたという▼八重山のヤギ飼育は現在約900頭と伸び悩んでいる。「ベースマ(わが島)のヤギがミネラルも豊富で一番うまい」と“ヤギの島”を自認する波照間も、かつて300頭余が200頭弱に減った。研究成果は“ヤギ文化”に追い風となりそうだ。(上地義男)

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