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黒島で発見情報相次ぐ 日本最大のキシノウエトカゲ 

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宮澤勇気君が見つけたキシノウエトカゲ=5日、黒島研究所

 【黒島】4月に入ってから、黒島研究所(若月元樹所長)には国の天然記念物、キシノウエトカゲを見かけたとの情報が相次いで寄せられている。キシノウエトカゲは環境省のレッドリストで「絶滅の危険が増大している」とされる絶滅危惧Ⅱ類に分類されている。5日には島内で捕獲して同研究所に持ち込んだ黒島中学校3年生の宮澤勇気君が、友人たちとともに自動車などがあまり通らない場所で逃がした。

 島民らは珍しい生き物や弱った生物を見つけると、同研究所に持ち込むことが多い。宮澤君は見つけたキシノウエトカゲを手をかまれながらも素手で捕獲し、自転車で持ってきた。

 宮澤君は同研究所の職員からキシノウエトカゲが宮古島と八重山地方にのみ生息する日本最大のトカゲで、国の天然記念物だと教わり、現状変更ができないことから、計測をしただけで、友人たちとともに逃がした。

 同研究所によると、4月に入って石垣島や黒島でキシノウエトカゲの発見情報が多く寄せられ、見学に訪れた観光客がデジタルカメラで撮った写真を持ち込むケースも相次いでいるという。

 亀田和成学芸員によると「よく素手で捕まえた。確かに最近よく見かける。外来種のイグアナと勘違いし、『見かけたら積極的に殺せ』と指示している島民がいた。そのような発言が島民から出るほど近年はめったに見かけられなかったのだと思う。キシノウエトカゲは今が一年で最も活動する時期」と話した。


与那国祖納の十山御嶽 68年ぶり新築へ

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4月17日に解体される十山御嶽。6月末までに新しい拝殿がつくられる予定だ=3月21日午後、与那国島祖納地区

 【与那国】昨年8月の台風13号で大きな被害を受けた祖納の十山御嶽は、復旧費2000万円を確保するめどがついたことから今月中に復旧作業が始まる見通しだ。十山御嶽復旧実行委員会(会長・外間儀章町自治公民館連絡協議会長)が17日に拝殿を解体した後、ほぼ同じ形状の拝殿を新築、68年ぶりに造り替えることになる。6月末までに完成させ、7月24日の豊年祭に間に合わせる予定だ。

 同実行委によると、十山御嶽は、島内13カ所の御嶽の総本山で、島の安泰、無病息災、豊年満作、航海安全、大漁を祈願する大切な場所。現拝殿は1948年10月6日に建築され、これまで風雨に耐えてきたが、最大瞬間風速64・7㍍を観測した昨年の台風13号で屋根が大破するなど甚大な被害を受けた。

 このため、公民館連絡協議会は同年9月10日に実行委員会を設立し、募金活動を開始。現段階で約500万円が集まった。これに町が150万円を補助、台風被害義援金からも110万円の配分があった。残りについては企業からの寄付にめどがついているという。

 新しい拝殿は、壁をブロックから鉄筋コンクリートに強化する以外は現拝殿と変わらない。屋根は木造瓦ぶき。面積は約22平方㍍。神司との調整の結果、向きは変えずに現在の位置より西側に移動させ、奉納芸能を行う場所を広く確保する計画だ。

 外間会長は「十山御嶽は島のシンボル、住民の心のよりどころ。地域の伝統文化や伝統芸能を継続するためにも早く完成させたい。昨年の豊年祭では、台風13号の影響で2年に1度の大綱引きができなかったので、ことしは実施したい」と話している。

保育士の補助金を廃止 財政難理由に

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 公立保育所との給与格差を緩和しようと、認可保育園の職員に月額5000円を支援する石垣市独自の私立保育園職員改善費補助金は、本年度から打ち切られることが6日までに分かった。市は、国の補助金や県の事業に伴って保育士処遇改善費を確保できると判断、財政難を理由に本年度予算からカットしたが、現場から「全国的な保育処遇改善の流れに逆行するのではないか」と疑問の声が上がり始めている。

 市によると、2015年度から始まった子ども・子育て支援新制度に伴い、国から認可保育園への補助金に保育士処遇改善費が含まれているほか、保育士の給与改善を支援する県独自の保育士ベースアップ支援事業(1億4205万円)が本年度から始まることを受け、認可園の整備などで増加傾向にある児童家庭課予算の伸び率を抑制するため補助金を廃止。前年度は1272万円を確保していたが、本年度からはゼロとなっている。

 県子育て支援課によると、独自の支援事業は保育士の処遇向上により待機児童解消に必要な保育士を確保するのが狙い。一括交付金を活用して認可園を対象に3年間補助し、園の経営改善とともに保育士の給与のベースアップを図る。これを補助終了後3年間継続することが条件。今後、事業を具体化させる。

 市は「保育士ベースアップ支援事業などの周知を図っていきたい」(児童家庭課)としている。

 これに対し、認可園園長の一人は「公立保育所との給与の差は大きいので市の補助金は継続してもらいたい。県の保育士ベースアップ支援事業はふたを開けてみないと分からない」、別の園長は「本年度の補助金の申請をしようとしたが、4日に補助の予定はないと通知を受け、びっくりした。国、県も保育士の処遇改善に取り組んでおり、市も継続すべきではないか」とそれぞれ話した。

2年連続全国6位 クルーズ船寄港回数

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昨年、クルーズ船寄港回数が全国6位となった石垣港=3月11日午前、同港

 2015年に石垣港に入ったクルーズ船の寄港回数は外航と国内を合わせて過去最高の84回となり、2年連続で全国6位だったことが国土交通省港湾局産業港湾課クルーズ振興室のまとめで分かった。県内の他の港では、那覇が115回で4位だった。外航クルーズ船だけでみると、石垣への寄港回数は79回となり、前年の3位(69回)から一つ順位を落として4位だった。寄港回数は増加したものの、全国の他の港で回数が増えたことが影響した。

 同振興室によると、石垣への寄港回数は過去5カ年間で全国7位以内を維持。13年には65回となり、那覇の56回を抜いて3位を記録している。

 クルーズ船で入国した外国人旅客数は全国で、13年は約17万人、14年は約41万人と推移し、15年には前年比2.7倍の約111万人。寄港回数は965回で、国内も含める1452回となり、いずれも過去最高。外国人旅客数の伸びは、円安や訪日ブームによるもの。

 外航と国内の寄港回数では、14年に国内551回に対し、外航が653回となり、初めて国内を上回っていた。

 同振興室によると、15年の港ごとの寄港回数は▽1位=博多(259回)▽2位=長崎(131回)▽3位=横浜(125回)▽4位=那覇(115回)▽5位=神戸(97回)▽6位石垣(84回)。

1番人気はミス八重山

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 ▽…健康食品販売会社メラルーカ(本社・米国)のマレーシア支社のメンバーら106人が7日、アクエリアス号で来島した。同社のインセンティブツアーで初めて訪問。下船した人たちは、歓迎の横断幕や船をバックに記念撮影。中でも1番人気はミス八重山星の砂の新里諒さん。新里さんも笑顔で応じていた。

 ▽…郡内小中高校の1学期始業式が7日、各校で行われ、児童生徒が新生活に胸を踊らせた。1日付で白保小学校の校長に就任した仲皿利治さんは「大皿、小皿、仲皿です」と3回言ってアピール。児童たちも早速覚えた様子だった。白保小は仲皿さんにとって祖父や父親も校長を務めており、縁のある学校。「地域の中の学校の典型。地域に根ざした教育、学校経営をしていきたい」と意欲十分。

 ▽…4月8日の釈迦(しゃか)の誕生日を前に行われた「子ども花まつり」。桃林寺花園会の嵩本安意会長によると、最近は参加する子どもも少なくなったという。花園会の会員も20年前は1000人を超えていたが、現在は700人程度に減ったとのことで、「昔は桃林寺しかなかったが今は他の寺も複数ある。選択肢が増えた」と述べた。

本紙が「子どもの貧困」を最初に取り上げた…

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 本紙が「子どもの貧困」を最初に取り上げたのは2011年10月だった。本島地区で子ども支援に関わる13団体で「沖縄の子どもを貧困から守る連絡協議会」が発足したのを機に社説で取り上げたのだ▼今は6人に1人とさらに深刻化しているが、当時は7人に1人が貧困状態にあるとして同会が発足したが、八重山は同問題への関心が低いため、そこで3市町に実態調査の上で支援を求めたものだった▼あれから5年半、沖縄は16年度が「子どもの貧困対策元年」と言えるほどに、県をはじめ各市町村で本年度から対策事業が本格化。これを受けて連絡協議会も一定の役割は果たせたとして今年2月、解散した▼この間、国も13年に法律を制定し、昨年10月から企業に基金を求めたが広報費2億円に対し寄付は3月までに2000万円弱しか集まらず、安倍政権の本気度が批判された▼県が重点施策に掲げ対策を推進しているのは、県紙の連日のキャンペーンや県の調査で明らかにされた「沖縄が最も貧困が深刻」という事情がある▼その背景にはひとり親世帯の増と、企業が賃金の安い非正規社員を増やしている格差拡大があるだけに貧困は病気、事故、会社倒産などで誰もが陥る「明日はわが身」だ。貧困対策は格差是正と生活、教育など多様な支援策が必要だ。(上地義男)

八商工寄宿舎を建て替え 来月着工、来年に完成予定

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建て替えが決まった八重山商工高校の寄宿舎=6日午後

 1982年3月の建設から34年が経過した八重山商工高校(真栄田義功校長)の寄宿舎が建て替えられることになった。ことし5月に建設工事に着手し、来年3月の完成、同4月の供用開始を目指している。

 現寄宿舎は延べ床面積703平方㍍で鉄筋コンクリート造り2階建て。新寄宿舎も同様の造りで延べ床面積は765平方㍍に拡張する計画。

 同校によると、新寄宿舎の定員は現寄宿舎より20人少ない32人。現在の利用者が多い時でも35人程度であることから、規模の適正化を図った。2人部屋を16室整備する。

 インフルエンザなどの感染症にかかった生徒を一時的に隔離できる多目的室や、車いすの生徒にも対応できるスロープなども配置する計画。これまで生徒の部屋には付いていなかったクーラーを設置して学習環境を整えることにしている。

 現寄宿舎には前年度まで19人が入寮。3月1日に当時の3年生5人が退寮した後、1、2年生(現2、3年生)14人が利用していたが、建て替えのため、親戚や保証人の自宅などからの登校を希望した生徒を除く10人が今月6日から八重山農林高校(渡久山修校長)の寄宿舎を利用することになった。

 八商工商業科情報ビジネスコース3年の吉澤乃愛(のあ)さん(17)=竹富島出身=は「ちょうど建て替えの時期に当たり、新しい寮に住めないのは残念」と肩を落としたが、「(八重農の寮には)顔だけ知っていて話してみたいと思っていた人もいるので、その点は楽しみ」と笑顔。

 母親のやよいさん(46)は「アパートか親戚の家にと考えていたが、受け入れてもらいとても助かった。学校ごとに(授業などの)時間帯も違い、戸惑うかもしれないが、切磋琢磨(せっさたくま)できる部分もあると思う」と期待した。

 八商工機械電気科機械コース1年の髙山龍介君(15)=与那国出身=は「自転車で学校まで通うのは大変だが、頑張りたい。1年間、八重農の生徒とも楽しく過ごせたら」と話した。

夢抱き506人が校門くぐる 県立3高校で入学式

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笑顔でアーチをくぐり、入場する八重山農林高校の新入生たち=7日午後、同校体育館

 郡内小中高校の入学式が7日から始まった。八重山3高校(八商工定時制含む)は同日午後2時から、各校で入学式を開き、合わせて506人が希望と期待を抱きながら校門をくぐった。ピークの8日には小中33校で入学式が行われる。(4面に関連)

 郡内3高校にはことし、八重高240人、八重農108人、八商工全日制123人、同定時制に39人がそれぞれ入学。

 このうち八重山農林高校(渡久山修校長)では、緊張の面持ちで入場する新入生を在校生や教職員たちが温かく見守り、手拍子で歓迎した。

 渡久山校長は式辞で「高校時代は心身共に大きく成長する時期。心・体・智のバランスよい成長を心がけてください」と述べ、応援歌として日本学校農業クラブ連盟イメージソングの一節を紹介。

 德山純英PTA会長は「互いに助け合い、競い合いながら、八重農の歴史の一ページに皆さんの素晴らしい足跡を残してください」と激励した。

 新入生を代表して坪田琉花さん(ライフスキル科)は「高校生活を実りあるものにしたい。伝統と誇りを受け継ぎ、夢実現に向けて努力したい」と誓った。知念優太生徒会長(3年)は「困ったことがあったら先生や先輩にどんどん聞いてください。一緒に学校を盛り上げていこう」と呼びかけた。

 式後の激励会では、生徒会や郷土芸能部の部員たちが校歌ダンスや「まみどーま」を踊ったほか、15年ぶりに新調したくす玉を披露して新入生を祝福した。


西表石垣国立公園を拡張 平久保サガリバナ群落編入

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西表島に生息するイリオモテヤマネコ。同島はほぼ全域が国立公園となる(環境省提供)

 平久保半島のサガリバナ群落地の編入と西表島のほぼ全域への拡張を柱とする環境省の西表石垣国立公園の変更は15日、官報で告示され、正式決定する。公園区域は陸域で現行2万1958㌶の約1.9倍に当たる4万653㌶、海域で同6万9718㌶の約1.2倍の8万1497㌶にそれぞれ広げる。同省は15日に西表島で、5月21日に石垣島で記念行事を行う予定だ。

 今回の拡張では、約10年前から存在が知られるようになった久宇良と平久保のサガリバナ大群落地を編入する。大群落は石垣島と西表島にしか分布しておらず、全国的にも貴重。同省は「自然環境を守るとともに、今後は魅力的な観光資源として保護と適切な利用の取り組みがなされることを期待する」としている。

 西表島での拡張は、イリオモテヤマネコに代表される西表島特有の生態系や自然景観を保全強化するとともに、来島者の増加で一部地域の過剰利用に伴う自然環境の改変に対応し、世界自然遺産登録に向けた保護担保措置とするのが狙い。古見岳や崎山半島を含むほぼ全域が公園区域となる。

 石垣島、西表島の陸域公園面積はそれぞれ現行7025㌶から7121㌶、同1万4933㌶から3万3532㌶に広がる。

 海域の拡張は主に西表周辺。現行6万9718㌶から8万1497㌶になる。多種多様で良好なサンゴ群集が広がる海域としてヨナラ水道や鳩間バラス・宇那利崎まで拡張し、外離島を追加する。マングローブ林や海浜、干潟など多様な自然環境をもつユツン川や大見謝川も新たに編入する。多様な底生生物を育む干潟はイリオモテヤマネコの生息環境としても重要という。

ねば~る君のように大きくなって

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 ▽…登野城小学校の入学式で浦崎喬校長は式辞の後、茨城県名産の納豆をモチーフにしたキャラクター「ねば~る君」を登場させて体が2倍ほどに伸びる様子をみせ、「皆さんもねば~る君のように大きく育ってくださいね」とエール。うれしいゲストの登場に新入生も満面の笑みだった。

 ▽…春の全国交通安全運動の一環で行われた「飲酒運転根絶ボード作戦」。ことしはボードを掲げる児童たちがいないという異例の事態。関係者からは「参加のお願いができていなかったと聞いている。子どもたちがいればドライバーの目も引きつけられるのに」というボヤキも。結局参加したのは関係者15人ほど。大人の渋さで道行くドライバーに「飲酒運転ダメ!!」を訴える作戦?

 ▽…石垣島に住むトライアスリートたちはいずれも、仕事や家庭の都合をやりくりしながら練習に励んでいる。富崎義明選手に「なぜこんなに過酷なレースに挑むのか」との質問をぶつけてみた。トライアスロンをやらない人からするときつそうに見えるが、やっている本人たちはそうでないらしく、「気持ちいい。体を限界まで追い込むのが快感」。真っ黒に日焼けした顔から白い歯がこぼれた。

僕は介助犬、オメガ。19日で4歳になる。

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 僕は介助犬、オメガ。19日で4歳になる。腕時計メーカーにちなんだ名前は、子犬の僕を育ててくれたパピーウォーカーがつけてくれたんだ。「パートナーと同じときを過ごしてもらいたい」との思いからだと聞いている。気に入っているよ▼そのパートナーは真栄里に住む新開秀雄さん(51)。体が不自由な彼の手助けをするために僕が選ばれたんだ。昨年11月、初めて会ったとき、「毛並みがとってもきれいだね」と言われ、ちょっと照れたね▼それから僕と新開さんはトレーニングを開始。今年2月18日、介助犬ペアの認定試験に合格し、沖縄県初の介助犬として石垣島で新開さんと暮らしているんだ▼僕の仕事はいろいろあるけれど、新開さんが動けないとき、携帯電話やペットボトルを手元まで持ってくるのがメーンかな。ちゃんとできると「グッド」と褒められ、ご褒美としてフードがもらえる。食べるのが好きなので仕事は楽しいよ▼僕がいることで新開さんが安心して暮らすことができるんだ。僕たち介助犬は、病院や食堂などどこでも同伴できるからいつも一緒。これって幸せなことなんだよ▼そこでお願い。外で僕を見かけたときは▽見ない▽触らない▽話しかけない−を徹底してほしいんだ。仕事に集中したいからね。温かい心で無視してくれると、うれしいな。(比嘉盛友)

「尖閣増強」を考える

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■石垣海保、全国屈指の陣容へ

 海上保安庁はこのほど第11管区石垣海上保安部に尖閣警備専従部隊の配備を整えた。

 専従部隊の陣容は、最新型1000㌧級のくにがみ型巡視船新造10隻と、ヘリ搭載つがる型2隻の配置転換による12隻体制。乗員は約600人で、今月から本格的に稼働する。

 特徴は、新造巡視船を同一規格・設計・仕様とすることで、運用能力を高めたこと。通常、巡視船は「1隻1クルー」が固定され、乗員の休養のため帰港すると船体も休む。専従部隊では新造巡視船のうち6隻について「複数クルー制」を導入し8隻分の乗員をあて、帰港すると直ちにクルーが交代して船体は出港する。巡視船の稼働率を高くすることにより、専従部隊は12隻の陣容で14隻相当の対応能力を持つことになるという。

 これにより石垣海保は、全国で最大陣容の人員と、保有巡視船艇数を誇ることになる。

■地域への影響じわり 

 もちろん乗員600人は一気に増員したわけではない。海保が石垣市内のアパートを借り上げるようになったのは平成26年夏以降だった。

 市内のアパート需要は、平成16年から18年頃の「ミニバブル期」、移住ブームに合わせるように新築ラッシュが続いた。特に、真栄里地区への集中は目を見張るものがあった。それらはすべて埋まり、なお大幅に不足している。

 もちろん、海保は自らその需要を満たすべく職員住宅整備も進めている。新川小学校の南で整備中の職員宿舎は5階建て3棟60戸ほどか。工事関係者が出入りするなか、同時進行で入居が始まる慌ただしさだ。旧空港南側にも今後、単身者用200戸分の職員住宅建築を予定しているという。

 影響はアパートや職員住宅新築のみにとどまらない。平真小学校は昨年、2学級増加した。登野城小学校はこの4月、1学級増えてプレハブ教室が不足すると聞いた。登野城1町内は昨年来、アパート建築ラッシュである。

 これらは、「尖閣増強」のみが原因ではない。が、少なからず何らかの影響を及ぼしているとみるべきだろう。

 全国で地方の人口減少が続くなか、石垣市の人口は増え続け、もうすぐ5万人を超える。だが、地域がこれまで営々と築いてきた地域なりのコミュニティーや伝統文化、歴史あるいは自然との向き合い方、人々の暮らしはどう変化していくのだろうか。まちづくりはどう変わるか。地域からの検証を丁寧に進めることが必要だろう。

■「つくられた危機」

 それにしても、である。尖閣国有化前後の日中摩擦は人為的に「つくられた危機」という以外にない。24年、当時の石原慎太郎東京都知事が米国で都による「尖閣購入」を打ち上げたことが、危機を一層あおり出した。これに尖閣基金創設で呼応したのは中山義隆石垣市長だった。

 「つくられた危機」は安倍政権に利用され、「島しょ防衛」を名目とした陸上自衛隊の南西諸島配備に連なっている。与那国島に続く石垣島への部隊配備計画。規模は約600人で詳細は不明なままだ。

 石垣市民はこの「つくられた危機」に自ら進んで加担した中山市長に対し、もっと怒ってよい。陸自配備への賛否で市民と地域を分断し、危機の渦中にさらしているのだから。その検証もまた必要である。

「飲酒運転はダメ!!」地区安協らボード作戦で訴え 全国交通安全運動

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飲酒運転はダメ!!」のボードを掲げてドライバーに訴える関係者=八島町の国道390号沿い

 6日にスタートした春の全国交通安全運動にちなみ、「飲酒運転はダメ!!」とのボードを掲げて飲酒運転の根絶を訴える「ボード作戦」が8日午後、八島町の国道390号沿いで行われた。石垣市交通安全推進協議会と八重山地区交通安全協会、八重山警察署が実施したもので、関係者約15人が地元や観光客のドライバーに呼びかけた。

 八重山署管内でことし3月末までに発生した飲酒運転の検挙数は20件(20人)。飲酒絡みの人身事故は発生していない。

 地区交通安全協会の野原佳裕会長は「昨年の教職員事故から1年余りが経過したが、飲酒運転は犯罪。飲酒する側の自覚と飲んだら乗らないという信念が必要」と訴えた。同署交通課の友利元和課長は「飲酒運転は重大事故に直結する。根絶に向けて地道な活動を大事にしたい」と語った。

郡内小中33校で入学式 新1年生ら新生活へ一歩

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手をつなぎ、笑顔でアーチをくぐり抜けて入場する登野城小学校の新1年生たち=8日午前、同校体育館

 郡内小中学校の入学式がピークを迎えた8日、小中33校で合わせて1192人の新1年生が新生活への一歩を踏み出した。

 このうち登野城小学校(浦崎喬校長)では、午前9時30分から体育館で入学式を行い、郡内で2番目に多い新入生98人がペアで手をつなぎ、にこやかに入場した。浦崎校長は式辞で「誠実」「勇敢」「礼節」の校訓を紹介し、「在校生はしっかり守っている。皆さんもそうできるようになってください」と述べた。

 新入生保護者代表の宇江城正史さんや金城功師PTA会長もあいさつした。

 砂川耀一郎児童会長(6年)は「困った時は優しく教えるので、何でも聞いてください。楽しい学校生活にしていこう」と呼びかけた。

海底光ケーブル、10月までに敷設 「情報格差、解消される」

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 【那覇】沖縄本島―多良間―与那国―波照間のルートで総延長750㌔の海底光ケーブルを敷設する工事の安全祈願祭が8日午後、那覇埠頭(ふとう)で行われた。県の離島地区情報通信基盤整備推進事業によるもので、10月までに敷設を終える計画。海底光ケーブルが与那国島まで敷設されるのは初めて。陸上部の超高速ブロードバンド環境整備事業と併せて2016年度中には各家庭に高速回線が引き込める環境が整う。海底ケーブル敷設船「すばる」(総トン数1万㌧、最大積載ケーブル長7000㌔)の船内見学もあった。

 今回敷設する海底光ケーブルと既設のものを接続することで伝送路がループ化され、自然災害や機器の故障などで経路の一部に障害が発生しても安定的な運用ができるという。

 竹富町にはすでに海底光ケーブルが接続されているが、町内の通信網は速度の遅い非対称デジタル加入者線(ADSL)環境のまま。各家庭に光ファイバーを引き込める環境を整備するスケジュールについて、県企画部総合情報政策課は「事業対象である13市町村が残っており、17年度以降で順次進めていく」としている。

 安全祈願祭に出席した外間守吉与那国町長は「長年の悲願が達成され、離島の情報格差是正が解消される」と述べた。川満栄長竹富町長は「大容量の回線が入ってくると、大きな成果が各産業に表れると思う。今後、西表島の世界遺産登録もあり、世界に情報を発信する基盤になる」と期待した。

 漢那政弘石垣市副市長は「沖縄本島と変わらない情報通信環境が整備されて災害にも強くなり、離島の不利性の一つが解消される」


”民あっての国王”

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 ▽…大浜村の英雄・オヤケアカハチ。波照間島で生まれたとされているが、人物像など多くはいまだ謎だ。英雄の活躍をたたえる「アカハチの歌」は、後世に歌い継がれている。アカハチが生きた時代は510年前の琉球王府時代。先島地方に豪族がひしめき合った激動の時代といわれている。「民あっての国王」というアカハチが残した言葉を考えたい。

 ▽…忘勿石之碑への進入路が完成した。これまでは同碑までは海岸沿いを歩いたが、砂に足をとられて歩きづらい部分もあっただけに進入路の整備は大助かり。だが、急勾配の階段が多いのは不便だ。一度造ったものをいまさら変えるのは難しいが、造る前に高齢者や障がい者への配慮が必要だったのでは。

 ▽…10日午前8時の号砲を待つ石垣島トライアスロン大会。大阪府から出場する中野尚子さん(58)は過去2回は台風と母の看病で出場できず。「私は初めての石垣だけど、バイクは(2回とも)前もって送っているので3回目」と苦笑い。雨が降らないかが心配で「路面状況が分からないので落車には十分気をつけたい」と話した。

石垣市に女性部長が2名誕生したことや県庁…

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 石垣市に女性部長が2名誕生したことや県庁の八重山関連の人事異動で有力ポストに適任者が配置されたことを喜んでいる▼かつて西表島北岸道路の計画(ほぼ完工)が上がった時に、そんな立派な舗装道路を造ったら移動が高速化し日帰り観光が増えてヤマネコの交通事故も多くなると事業を茶化したことがある。当時「ヤマネコと住民のどちらが大事か」との論争も激しかった▼復帰後、八重山は土地改良やダムなど工事ありきの大型公共事業がめじろ押しで自然を苛んで来た。時代は変わり政府も防災と新幹線延伸などを除くと自然環境に負荷をかける開発型新事業には慎重だ▼八重山でも電線類地中埋設など防災や修景目的の事業でないと住民からの賛同は得にくくなっている。となると今後は整備済みインフラの維持管理、改修、改築などを計画の柱として事業化していく時が到来したものと理解すべきではないか▼その意味で八重山土木事務所長に維持管理班の責任者として住民と身近に接していた方が昇任したことを歓迎したい。観光の島の顔である道路並木や植栽の維持管理費を堂々と予算計上し徹底管理してほしいと願うものである▼護岸もグンバイヒルガオやアダン、オオハマボウなどの自然防潮林に戻す再生工事を先端防災事業として試したい。(仲間清隆)

「闘いは正念場」 東京での活動を報告

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多くの市民ら参加した石垣島への自衛隊配備を止める住民の会の東京行動報告会=9日夜、市健康福祉センター

 去る3月30日に防衛省に1万1271人分の署名を提出し、石垣島への自衛隊配備計画の撤回を求めた「石垣島への自衛隊配備を止める住民の会」(共同代表・下野栄信、上原秀政、仲座初枝)は9日夜、石垣市健康福祉センター視聴覚室で「東京行動」の報告会を開き、自衛隊配備に反対する市民ら70人以上が参加した。下野共同代表は「自衛隊配備反対のたたかいはことしこそ正念場」と述べ、団結を呼びかけた。

 東京行動では、下野共同代表らが3月29日に国会正門前で開かれた安保法制廃止を訴える集会に参加。自衛隊配備計画が進められている宮古島市の市民団体とともに「宮古・石垣・与那国に自衛隊はいらない!」と訴えた。

 翌30日には、東京永田町の第2衆議院議員会館で、26日に石垣市内で行った市民集会で採択した自衛隊配備計画の撤回を求める決議書と1万1271人分の署名を中谷元防衛大臣宛に提出。同日夜には中央区銀座の京橋プラザ区民会館で「宮古島・石垣島の自衛隊配備を止めよう!3・30東京集会」に参加した。

 報告会では東京行動の様子を映像で紹介。下野共同代表が「宮古、石垣、辺野古に基地は造らせない」と訴える映像が流れると、報告会の会場では大きな拍手が上がった。

 報告後の意見交換では参加者から「東京の人たちは辺野古のことは知っていても石垣島の自衛隊配備については知らない人が多かった。もっと情報を発信すべきだ」、「市民のなかでも関心が低い。平得大俣地区に配備されるということは島全体が標的になるということを市民に伝えていく必要がある」などの意見があった。

 今後は防衛省が4月末に予定している住民説明会に参加し、6月までに反対署名を1万5000人分集めることを目指している。

忘勿石之碑へ続く進入路が完成 本年度中の供用目指す

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急勾配で40段の階段がある進入道路=9日午前、忘勿石之碑付近

 【西表】西表島東部の南風見田海岸に建立されている「忘勿石之碑」までの進入路がこのほど完成した。これまで海岸沿いに8~10分ほどかかっていた碑までの道のりが、進入路を活用することで2~3分で行けるようになり、新たな観光地としての誘客が期待されている。その一方で、進入路には急勾配な階段が多く、「足の悪い高齢者や車いすの人は利用できない」と不満の声が挙がっている。町商工観光課によると、今後は駐車場の整備も行い、本年度中の供用開始を目指す。

 同碑は1992年に建立されて以来、忘勿石之碑保存会(平田一雄会長)が毎年、終戦記念日に慰霊祭を開催。参加者は海岸沿いを歩いて碑に向かっていたが、満潮時には砂浜が海水に漬かり、近くの岩場を登らなければたどり着けないことがあった。

 進入路は同碑保存会などからの要望を受け、町が国の一括交付金を活用して整備した。

 全長108.2㍍、幅員1.5㍍。合成木材の板張りを使ったボードウオーク遊歩道で、モニュメントのアーチも設置されている。建設予定箇所の一部に岩盤があり、基礎部分などを変更したことで、階段が多くなり、急勾配のきつい場所では階段が40段もあった。

 平田会長は「こんな急勾配では高齢者や障がい者だけでなく、一般の人でも危険。修学旅行や団体観光客など多くの人が訪れた際に転んでしまってたくさんの人を巻き込んだ大事故になりかねない」と述べた。

 今回の進入路の建設について、町商工観光課は「岩盤があって掘削できない場所があり、また、県の保安林でもあるため伐採できない部分もあった。つづら折でスロープなどの考えもあるが、十分な国有地を確保するのが難しく、予算的にも厳しかった」と説明した。

きょう号砲 石垣島トライアスロン

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エントリーの手続きをする参加者ら=9日午後、市民会館展示ホール

 石垣島トライアスロン大会2016(同実行委員会主催)は10日午前8時の号砲でスタートする。昨年は天候不良でスイムが中止。南の浜町の人工ビーチで初めて行うスイム1.5㌔にバイク約42㌔、ラン10㌔の合計53.5㌔のコースにエイジ611人、3人一組のリレーは53チーム(159人)が出場。合わせて770人が過酷な鉄人レースに挑む。

 大会を前に9日午後3時から市民会館展示ホールで大会エントリー受け付けが行われ、選手たちはTシャツやレースナンバー、スイムキャップを受け取り、当日のレースに備えた。

 午後4時から大ホールで行われた競技説明会では大会事務局からリタイアの仕方や、スイムのみ競技を途中で切り上げることができるスキップ制度の説明があり「安全が第一優先。無理はしないで」と呼びかけた。

 事務局によると出場最高齢は80歳、70歳以上は13人が出場する。40~49歳代が118人で最も多く、全体の36%を占める。外国人も8人がエントリーしている。

 会場の外では八重山自転車協同組合(知名定男組合長)の会員が参加者のバイクの点検を実施。

 ブレーキの調整をしてもらった中村尚子さん(58・大阪府)は「ホテルで、組み立ててここまで乗ってきた」と話し、「石垣島大会は三度目。過去2回は台風と母の看病で参加できなかった。想像以上に海がきれいで驚いた」と述べた。

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