センター試験も終わり、受験生は2次本番へ向けて緊張の毎日だろう。試験はいつの時代でも嫌なものだ。何しろ当日のたった数時間でこれまでの生活が全て判定されるのだから。しかしみんな同じ条件。黙って頑張る以外ない▼ここで一つ国語の解釈問題を出してみよう。KさんIさんNさんが集って何か大切な話をしたようなので、それに深い関係のあるOさんがNさんに「KさんIさんに会いましたか」と質問したところ、Nさんは「会ったつもりはない」と答えた▼問1。NさんはKさんIさんと会ったか、否か。問2。「つもりはない」というその「つもり」という言葉のこの文脈における役割を説明せよ。問3。Nさんはなぜ「つもり」と言ったのか。前問と関連させてあなたの考えを述べよ▼問4。もしその面会があったものと仮定したら、NさんはOさんにとって不利なことを言ったか、否か。問5。Nさんは正直者か、うそつきか、ずる賢いか、その他あなたの判断を自由に述べなさい。以上である▼ここで背景を明かすと、Kは官房長官、Iは石破幹事長、Nは仲井真県知事、Oは沖縄県民である▼この問に真剣に取り組まれた方々の解答はすべて正解である。そしてそれはそのまま解答者一人一人の見識の表明となっているだろう。(八重洋一郎)
センター試験も終わり、受験生は2次本番へ…
ロッテ、きょう石垣入り 大嶺兄弟はそろって1軍
2月1日から石垣市中央運動公園野球場などで1、2軍合同で春季キャンプを行う千葉ロッテマリーンズの選手が30日午後5時50分着の日本トランスオーシャン航空機で石垣入りする。南ぬ島石垣空港では、千葉ロッテマリーンズ石垣島協力会が歓迎セレモニーを行う。
石垣市出身の大嶺祐太投手と弟の翔太選手はそろって1軍メンバー。西武から獲得した和久井秀章投手、県出身の伊志嶺翔大選手、川満寛弥投手など1軍総勢45人、2軍21人の計66選手がトレーニングに励む。
2月16日にはロッテとオリックスとのオープン戦が行われる。
キャンプは1軍が2月1日から19日。2軍は1次キャンプを14日まで行い、その後、鹿児島県薩摩川内市で2次キャンプを行う。
消火開始!水届かず… 文化財防火デー
文化財を火災や震災などから守ろうと文化庁と消防庁が主唱する「文化財防火デー」(1月26日)にちなむ防火訓練が29日午前、石垣市石垣の国指定重要文化財の権現堂で行われた。訓練では権現堂内に設置されている屋外消火栓のホースが2本とも破れており、水が漏れて拝殿まで届かないという事態が発生。放水銃も周辺の木の枝が邪魔し、水が届きにくいことが課題として挙がった。
訓練は、権現堂拝殿裏に捨てられたたばこの残り火から火災が発生したとの想定で実施。初期消火にあたった清掃人が桃林寺に火災を知らせ、小林昌道住職や現場に急行した消防職員が消火作業に当たった
市消防本部の大工嘉広消防長は「ホースはすぐにでも取り換えてほしい。それ以外は発見後の初期消火も良く、無駄なくスムーズに進められ、おおむね良好だった」と講評。
玉津博克教育長は「きょう挙がった課題にすぐに対応したい。常に点検をしながら文化財を守らないといけないとあらためて感じた。気を引き締めていきたい」と話した。
小林住職は「ホースの不備などについては実際に火災が起きた時でなく、きょう分かって良かった。万全な状態で作業にあたれるよう整備が必要と感じた」と振り返った。
権現堂は八重山の仏教伝来、社寺建立のはじめとされており、1614年に隣接する桃林寺とともに建てられた。近世の本格的な社寺建築の唯一の遺構で1981年に国の重文に指定され、観光地の一つにもなっている。
文化財防火デーは,49年年1月26日に奈良県斑鳩町の法隆寺の金堂が炎上し,壁画が焼失したことをきっかけに制定された。
RAC与那国路線 那覇便が大幅増
日本トランスオーシャン航空(JTA)はこのほど、琉球エアーコミューター(RAC)が単独運航する与那国路線の2013年旅客数をまとめた。それによると旅客数は7万2829人で前年を3170人(4.55%)上回った。石垣―与那国便が減少したものの、与那国―那覇便が大幅に伸びており。JTAでは、RACが那覇便を隔日から毎日運航に切り替えたことで、利用率がアップしたとみている。
旅客数を路線別に見ると石垣与那国線は5万8274人で前年比3518人(5.7%)減。那覇与那国線は6693人(85.01%)増の1万4555人だった。
那覇便の増加についてJTA八重山支社の名渡山秋彦支社長は「毎日運航しているので、出張などの利用も増えたと思われる」と話した。
RAC機(DHC8—100型、座席数39人)はJTA機(B737—400型、同150席)に比べて座席が少なく、与那国町に住む男性(50代)は「急ぎの時にチケットがとれないこともある」、出張で島外に出かける機会の多い男性(40代)は「欠航や遅延が心配」との声もある。
RACでは機体の変更時期にきていることもあり、50人乗りの機体への変更も検討している。
一方、県八重山事務所のまとめによると、同町の13年11月までの観光入域客数は前年を3510人(11.8%)下回る2万6111人となっている。
JTAはこれについて、県が利用客の中に占める観光客の数を算出する混在率の違いで減少したとしている。
混在率は3年ごとに更新され、12年の93.6%に対し、13年は74.6%と、約2割程度の差が生じている。このため、搭乗客数が増えたにもかかわらず、観光入域客は減少する結果となった。
12年に適用された混在率は、同島で撮影が行われたドラマ「Drコトー診療所」の影響で観光客が増加した08年当時の率。13年は11年に更新された率が使用された。
全畜産農家に緊急支援 JAおきなわ
【那覇】JAおきなわ(砂川博紀理事長)は24日、那覇市のJA会館で会見し、飼料価格高騰に対する緊急支援を発表した。全農系配合飼料安定基金に加入する全畜種の農家を対象に今月から3月まで、1㌧当たり2000円を助成する。
大豆かすやトウモロコシなどの原材料を輸入に頼る配合飼料は円安などの影響から、価格の高止まりが続いている。支援は通常の飼料安定基金や国による補填(ほてん)とは別にJA独自に行う。
支援期間内の支援総額は約4500万円を見積もっている。
飼料1㌧当たりの生産者負担額(飼料安定基金の補助含む)は2013年7~9月で6万2850円だったが、同10~12月には6万5200円に増加した。14年1~3月は今回の支援で6万3400円に下がる見込み。
砂川理事長は「畜産は離島でも極めて重要な産業。生産力の向上や畜産基盤を維持するため全畜種を支援していきたい」と話した。
2013年入域観光客94万人を突破 県八重山事務所
2013年1年間の八重山への入域観光客数が94万2964人となり、これまで最高だった07年の78万7502人を15万5462人(19.7%)上回る過去最高を記録した。県八重山事務所が29日、12月の入域観光客数とともに発表した。入域観光客数は前年に比べて32.2%(22万9906人)増加。観光消費額は580億1000万円と同30.9%(137億2000万円)増加している。月ごとでは昨年3月7日の南ぬ島石垣空港開港後、4~12月の9カ月連続で月単位の過去最高を更新している。
2000㍍の滑走路を持つ同空港開港後、格安航空会社(LCC)2社の参入で、航空運賃が大幅に引き下げられ、若者を中心とした利用が伸びたほか、本土直行便機材の大型化なども利用増に結びついた。
同事務所や3市町が発表している入域観光客数によると、行政区別では石垣市が93万7024人で同32.3%(22万8497人)増と伸び幅が最も多い。
1人の観光客が複数の離島を巡る竹富町は105万7120人で同20.0%(17万6405人)増加した。島ごとでは、竹富島が45万7207人と同17.6%(6万8304人)増、次いで西表島が34万6401人で同21.6%(6万1406人)増となっている。
一方、与那国町は2万8359人で同13.9%(4534人)減となっているが、12~13年度で入域客に占める観光客の割合(混在率)を変更したことも減少要因となっている。
94万人台となったことに中山義隆石垣市長は「開港のインパクトもあって、これだけ多くの人に来ていただいて驚いている。今後も受け皿整備に向けてしっかりと取り組みたい」と喜んだ。
八重山ビジターズビューローの宮平康弘理事長は「大変素晴らしいことで喜んでいる。開港初年度とあって急激に伸びているが、今の勢いを維持発展させていくためにも航空各社と連絡・調整し、冬場の魅力発信などに力を入れていかなければならない」と気を引き締めた。
今後の見込みについて同事務所では「昨年は3月7日の開港後、4月以降で単月の記録で過去最高を更新している。1~3月にフル稼働するのは今年が初めてとなるため、今年は昨年並みかそれ以上が見込まれる」としている。
天気もロッテに味方
▽…プロ野球12球団のうち、10球団が沖縄に集結する春季キャンプがあすから始まる。ロッテは石垣島で7年目のキャンプを始動するのを前に30日、総勢120人の選手、コーチ陣が石垣入りした。話題は初の1、2軍合同キャンプに初のオープン戦。週間天気もほぼ晴れペース。球場は多くのファンでにぎわいそう。
▽…石垣島クリエイティブ・フラッグには何人の応募があるか不安もあったが、杞憂(きゆう)に終わった。島内外から52組が参加を希望し、35組が選ばれた。彼らはいわば創造的集団。審査員によると、クリエイターとは、新たな価値を創り出す人。石垣島にどんな新たな価値を見いだしてくれるのか楽しみ。
▽…鳩間と西表上原で行われた竹富町の町政懇談会。町役場移転問題や住民投票に関する質疑もある中、年度内の落成が予定されている上原小学校体育館の内部施設充実期成会のメンバーからは「役場移転も大事だが、そのあたり(内部施設)に少しでも予算を割いていただければ」との要望も。
最近、街中でマスクをしている人をよく見…
最近、街中でマスクをしている人をよく見かけるようになった。風邪の予防と、風邪を他人にうつさないためのエチケットで、風邪がはやっている証だ▼八重山では先週(第3週)、インフルエンザの流行が警報レベルに達し、22日に県福祉保健部が警報を発令した。第4週(20日~26日)には、定点当たりの患者数が警報基準(30人)の2倍以上に当たる66人に達し、急速に流行が拡大しているようだ▼八重山保健所によると、管内のインフルエンザの罹患(りかん)者数は、5~9歳をピークに0歳から14歳に集中。先週は平真小学校、27日からは八重山農林高校2年生の1クラスが学級閉鎖となった。今後、保育園や小中学校などでの感染拡大が心配だ▼インフルエンザといえば、39度前後の高熱が数日間続くことがイメージされるが、中には熱が37度台の微熱程度と、本人も気づかない比較的症状の軽いケースがあるとか▼たとえ高熱がでなくても、熱やせき、鼻水など風邪の症状があれば、インフルエンザを疑い、病院で診断してもらう必要があるようだ▼報道では、今年のインフルエンザの種類はA香港型、B型、5年前に新型と騒がれたH1N1型の3種類が同時に流行しているとか。予防のためにマスク、手洗い、うがいを心がけることが必要だろう。(下野宏一)
「西表の生き物は島の宝」 創作劇で児童ら訴え
【西表】大原小学校(春山一夫校長)とおおはら幼稚園(園長・春山校長)の学習発表会が26日、同校体育館で開かれ、児童たちが学年ごとに多彩なプログラムを披露した。
1年生の「うまぬしゃー」に続き、6年生がはかま姿で「かぎやで風」を舞い、1、2年生は器楽演奏と手話ソングで息の合ったところをみせた。
3、4年生は生物保護を訴える創作劇「大切な仲間たち」を披露した。5年生はエイサーとダンスで見事なチームワークを発揮。園児らは縄跳びや竹馬、一輪車、フラフープで大きな拍手を受けた。 学力向上対策の取り組みも発表した。
春山校長は「子どもたちは自分にもできないようなことに挑戦し努力している。これからも変わらぬ応援を」と父母や地域住民に呼びかけた。(山城まゆみ通信員)
与那国でも操業開始 原料3600㌧見込む
【与那国】JAおきなわ製糖工場の今期操業が30日始まった。同社によると、収穫面積は88㌶。10㌃当たりの単位収量は4.09㌧で、原料は前期実績並みの3600㌧の見込み。操業期間は3月20までの50日間。初出荷は2月上旬を予定している。
工場には、前日から原料を満載したトラックが次々と乗り入れ、甘しょ糖度も13・8度と好調な滑り出しをみせた。28日に与那国入りした48人の援農隊もそれぞれの持ち場で作業を開始。島内に製糖シーズンの到来を告げた。
午後2時から工場内ヤードで外間守吉町長や生産農家などが参加して操業開始式を行い、原料取り込み口に神酒を注ぎ、今期操業の安全を祈願した。
船道哲男支店長は「安全操業に留意し、操業期間を無事乗り切ってほしい」とあいさつした。(与那国通信員)
羽田石垣線就航へ スカイ
【那覇】スカイマーク(西久保愼一社長)は29日、3月30日から那覇を経由する新路線「羽田-石垣線」を1日4往復8便運航すると発表した。従来の石垣-那覇、那覇-羽田便を一つの便名に統一して就航する。
4月30日までの運航ダイヤを国土交通省に申請し、このほど認可を受けた。機材はボーイング737型機(177人乗り)を使用。那覇での乗り継ぎ時間も従来と変わらず35分以上を予定している。
同社は「便名を統一することで、羽田から石垣島に行けるというように分かりやすくなる」と述べ、新路線の就航をPRした。
運航ダイヤは石垣発午前9時、羽田着午後12時55分、同11時50分、同15時50分、同15時20分、同19時15分、同18時、同22時25分。
羽田発は午前6時25分、石垣着午前11時15分、同8時40分、同午後13時25分、同12時45分、同17時15分、同15時40分、同20時10分。
早期の予約で運賃を割り引く「SKYバーゲン」を設定。予約60日前だと1万2800円。45日は1万3900円~、28日で1万5900円~、21日前では1万7900円~となる。4月30日までの搭乗運賃は2月1日午前9時30分から一斉に発売される。新路線の就航は、同社のホームページでも紹介している。
医療福祉の充実を 町政懇談会
【鳩間・西表】竹富町(川満栄長町長)の2013年度町政懇談会は30日、鳩間地区と上原地区で開かれた。両地区では住民の医療福祉分野に関する質疑や幼児教育の充実を求める意見が相次いだ。中でも、鳩間では西表島で診察を受ける際、定期航路で日帰りできないため、住民は受診時の船賃補助対象外となる石垣島の医療機関で受診していることが分かった。
町では医療機関のない鳩間、船浮、新城地区住民を対象に、西表島の診療所で受診する際の船賃補助を本年度から実施しており、町健康づくり課の與那覇忠課長は「他地区との関連もあるため、すぐには答えられないが、検討させてほしい」と述べた。
鳩間小中学校の存続について、通事建次公民館長は里親の有資格者確保が難しい状況を伝え、児童とその保護者を受け入れる施設整備を要望。川満町長は「初めてのケースで県外の事例を検証させてほしい」と述べた。
同地区ではこのほか、上原保育所に園児を通わせる際の船賃助成や幼児教育の充実を求める声もあった。
上原地区では中野わいわいホールの増築、上原港への現金自動預払機(ATM)の設置をはじめ、道路や港湾、下水道、防犯灯整備の要請が相次いだ。
また、保育時間の延長やPM2.5(粒子状物質)計測所の設置を求める意見もあった。
わいわいホール増築について川満町長は「必要性を感じており、一括交付金を使えるかどうか協議している」と理解を求めた。ATM設置についても「ゆうちょ銀行に設置を依頼したが難しいため、JAや民間銀行に設置してもらえるように町もお願いしていきたい」と述べた。
住民からは町税など各種支払いをインターネットを通じてクレジットカードで支払えるシステム形成を求める意見があり、根原健税務課長は「15年度に実現できるよう調整していきたい」と答えた。
今年こそ、日本一奪還へ ロッテ石垣入り
2月1日からの石垣島キャンプに参加する千葉ロッテマリーンズの選手64人と監督、スタッフら総勢121人が30日夕、空路石垣入りした。南ぬ島石垣空港では、千葉ロッテマリーンズ石垣島協力会や関係者、地元ファンら200人が出迎え、熱烈に歓迎した。7年目となる今年のキャンプは2月1日から19日まで、市中央運動公園陸上競技場を主会場に初の1、2軍合同で行われる。2月16日には、オリックスとの初のオープン戦が予定され、今季オープン戦の開幕を告げる。
空港ロビーで行われた歓迎式では、球団の山室晋也取締役社長や伊東勤1軍監督、青山道雄2軍監督、成瀬善久選手会長、大嶺祐太、翔太の6人に少年スネークの代表が花束を贈呈した。
同協会会長の中山義隆石垣市長は「7年目で初の1、2軍合同キャンプ。大嶺兄弟もそろって一軍でキャンプスタートでき地元としても、うれしく思っている。島を挙げて応援したい。今キャンプで心身を鍛えて、新石垣空港から旅立ち日本一を奪い取ってください」と激励した。
山室社長は「今期は大嶺兄弟を中心に選手全員が大活躍して、今年こそ頂点へたどり着けると確信している。皆さんの島を挙げての応援が、われわれの強い力になっている。今季も頑張る」と、日本一奪還に決意を示した。
1SHIGAKI26の大城文博会長は「1、2軍合同で、どんなキャンプになるのかワクワクしている。空港にも子どもたちやファン、マスコミが大勢詰めかけ、1年目のとき以来の雰囲気だ。26としても楽しめる盛りだくさんのイベントでキャンプを盛り上げたい」といよいよスタートするキャンプに胸を膨らませた。
島の生態系を守れ
八重山には独自の生態系があり、カンムリワシやイリオモテヤマネコ、ヨナグニサンなどの希少種が天然記念物として保護されている。その一方で、与那国島では環境省のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠA類のヨナグニマルバネクワガタや同Ⅱ類のアオナガイトトンボといった希少種が絶滅の危機にある。今後、土地改良などで生態系が壊されることも懸念され、希少種を守るため天然記念物に指定し保護していくことが求められている。(高良新輝記者)
これら希少種が天然記念物に指定されていないことについて、町教育委員会文化財担当の村松稔さん(36)は「話は何度か出たが、希少種などの周知が不十分な上に町民の関心も低いため、そのまま尻すぼみになっている」と経過を話し「今後は専門家を招いて講演会などを開き、希少種の重要性を知ってもらうことで将来的には天然記念物化につなげたい」と話す。
与那国は地理的に台湾に近いため、郡内でも他の島々では見られない固有種や台湾との共通種が分布している。
世界最大級のガ「ヨナグニサン」は県指定天然記念物に指定され、同町内のアヤミハピル館で繁殖やその生態系を紹介している。
このほかにも島内には100種以上の希少種や固有種が生息しているが、天然記念物に指定されている種は少なく、保護も十分ではないのが現状。
2009年の自然保護学会では沖縄大学地域研究所特別研究員の下地幸夫氏が論文で「ヨナグニマルバネクワガタが商業的な目的で乱獲され、絶滅の危機にひんしている」と訴え、保存に向けた早急な対応を求めている。
11年には環境省が種の保存法に基づきヨナグニマルバネクワガタを「国内希少野生動植物種」に指定。捕獲や譲渡が原則禁止された。
だが、規制については与那国空港などでチラシを啓示し、採取禁止を啓発する程度で具体的な保護や繁殖などの取り組みは行われていない。村松さんによると、昨年、繁殖地で同クワガタはほとんど見られなかったという。
村松さんは「地域の希少な生き物を学ぶ教材にしようとしても数が少なく、子どもたちが触れる機会もめったにない。保護するだけでなく、増やしていくことも必要ではないか」と話す。
環境省石垣自然保護官事務所によると、天然記念物に指定され、保護増殖事業の対象となれば、個体の増殖や生息環境の保護も可能になるという。今後は保護だけでなく、繁殖させていく取り組みも求められる。
千葉ロッテキャンプ開幕
■沖縄に球春到来
1日からプロ野球の2014年春季キャンプが始まった。県内には、期間中に国内プロ12球団のうち10球団が集結。本島で8球団、石垣、宮古で各1球団が春季キャンプを行う。本島では韓国のプロ6球団もキャンプを構え、沖縄に今年も球春が到来する。
今年は、昨年、初のリーグ優勝、日本一に輝いた東北楽天の久米島キャンプが注目を集めそうだが、北谷の中日ドラゴンズ、宜野座村の阪神タイガース、名護市の北海道日本ハムファイターズなど、各球団が各地で特色あるキャンプを展開。話題は満載だ。
このほかに、今年も読売ジャイアンツが13日から那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で2次キャンプを展開。終盤には、国内、韓国球団を含めた練習試合やオープン戦も数多く予定され、沖縄はキャンプ一色に染まる。㈱りゅうぎん総合研究所が算出した13年の県内のプロ野球キャンプの経済効果は81億6100万円。沖縄にとってキャンプは2月の一大イベントだ。
■初の1、2軍合同キャンプ
石垣市では、伊藤勤監督率いる千葉ロッテマリーンズが1日から19日まで、中央運動公園野球場を主会場に初の1、2軍合同キャンプを展開する。08年以来、7年連続となるキャンプだ。選手64人と監督、スタッフら総勢121人が1月30日夕、来島。日本一奪還に向け、石垣島キャンプから一歩を踏み出す決意を新たにした。
市出身の大嶺祐太、翔太兄弟も初めて、そろって1軍メンバーに入った。地元キャンプでしっかりと体をづくり、技術を磨き、首脳陣にアピールし、開幕1軍を勝ち取ってほしい。
16日には、同球場で宮古からオリックス・バファローズを迎え、初のオープン戦が開かれる。前売りの内野席、外野席は早々と完売。16日は当日券を求め、早朝から並ぶ市民の姿が見られそうだ。
そこで期待するのが、大嶺兄弟の出場。球団にはぜひ、配慮してもらいたい。そうすることで、市民の盛り上がりも違ってくるだろう。
■キャンプ盛り上げに工夫を
同研究所がまとめたロッテの石垣島キャンプの経済効果は、08年2月の初回が13億4300万円。観客3万1950人(うち島外客9000人)。市民の3人に2人が球場に足を運び、大きな盛り上がりをみせた。
だが、2年目以降は、市民の関心の薄れとともに経済効果、観客とも減少。昨年は持ち直しの兆しが見えたものの経済効果は5億6200万円、観客数1万8300人(同2500人)と初年度と比べ、物足りない数字だ。初の1、2軍合同キャンプを盛り上げるためにも市民、観光客に球場に足を運んでもらう対策が必要だろう。来場スタンプを作り、規定数を集めるとグッズ類をプレゼントする企画や、保育所や学校単位で来場を呼びかけるのも一つの手だ。
南ぬ島石垣空港開港後、LCCの参入で航空運賃の低価格化が実現し、全国から気軽にこられる環境も整った。これまで以上のキャンプの盛り上がりを期待したい。
地道に
▽…八重山農林高校の技術講習会で焼き鳥の肉のさばき方やくし打ちなどを指導した卒業生の上原直記さん。生徒たちは見よう見まねでやってみるものの、取らなくてもよい部分まで切り取ってしまうなど四苦八苦の様子。上原さんは「まだ難しいかもしれないが、自分も最初そうだった。地道に頑張ればできるようになる」と生徒らを励ました。
▽…例年、寒空の中で行われることが多い黒島東筋集落の旧正月大綱引き。この日は晴天に恵まれ、夏日のような気温の中で行われ、関係者も「最高の天気」と喜んだ。石垣島地方気象台によると、石垣島地方は午後1時すぎに24・3度の最高気温を記録しており、1日から始まった千葉ロッテマリーンズのキャンプ成功のためにも、好天が続くことを願うばかり。
▽…生年祝いの式典が行われ、97歳と85歳の生年者に記念品などが贈呈された。車いすや介助が必要な高齢者がいるなか、ミニバイクを運転するパワフルなおばあちゃんもいる。携帯電話もしっかりと使いこなし、若者にも負けていない。健康のひけつは歩くことらしい。元気なカジマヤーを迎えるためにも日ごろの運動を心がけたいものだ。
友利養護教諭に文科大臣表彰
八島小学校(吉濱剛校長、児童272人)の友利良子養護教諭(55)がこのほど、文部科学大臣優秀教員表彰を受けた。
同表彰は学習指導などの教育実践で特に顕著な成果を挙げた教員に贈られる。
友利養護教諭は家庭や地域と連携した保健学習や、命の大切さについて考える授業を行っているほか、2007年度から八島ピアっ子の取り組みで「島野菜人形劇」を考案するなど食育の大切さを校内外に発信するなど幅広く活動。
また、特定非営利活動法人(NPO法人)「Love Peer Priceやいま」の理事として設立当初からかかわり、思春期保健相談士として子どもたちのサポートも行っている。
友利養護教諭は1月30日、石垣市教育委員会と八重山教育事務所で受賞を報告し、「やるべきことをやろうとの思いでここまできた。これからも保健室に来る子どもたちの声をしっかり聞きながら取り組みを続けていきたい」と意欲を語った。
同校の吉濱校長は「子どもや保護者など一人一人に寄り添った保健室を目指し、健康教育を推進してきたことが高く評価されたと思う」とたたえた。
現施設隣接地に正式決定 市火葬場建設
新火葬場建設計画で石垣市は、位置選定市民検討委員会から報告のあった現施設の隣接地約5085平方㍍を建設場所に正式決定し、地権者の承諾を得て火葬場として追加する都市計画変更の手続きを進めている。4月以降、用地を取得し、2015年度の着工、16年度の供用開始を目指す。バラビ道の建設候補地をめぐって混乱した同計画が、ようやく実現できる見通しとなった。
建設地は、既存施設から市道を挟んで真向かいの農地。現施設を加えると、約8100平方㍍になる。隣接地に新たな施設を建設し、現施設の敷地に駐車場、緑地を整備する。現敷地は将来の建て替え用地になる。
基本構想によると、新火葬場は火葬・待合・管理の3部門で構成し無煙、無臭、無公害の施設とする。火葬炉は3基整備。新施設導入で、告別から収骨までの時間はこれまでの最長4時間から2時間20分に短縮されるという。
市環境課は3月までに都市計画変更の手続きを終え、4月以降に用地の取得作業に入る。同課によると、地権者2人は協力する意向を示しており、順調にいけば用地造成、実施設計を行い、15年度に着工する。
新火葬場建設地に隣接する農地の地主は「冬場は北風が強いので、利用者が北風を受けないような施設が望ましい。また、見晴らしがよいので海が見えるような配置にしてもらいたい」と話した。
現施設隣接地に正式決定 市火葬場建設
新火葬場建設計画で石垣市は、位置選定市民検討委員会から報告のあった現施設の隣接地約5085平方㍍を建設場所に正式決定し、地権者の承諾を得て火葬場として追加する都市計画変更の手続きを進めている。4月以降、用地を取得し、2015年度の着工、16年度の供用開始を目指す。バラビ道の建設候補地をめぐって混乱した同計画が、ようやく実現できる見通しとなった。
建設地は、既存施設から市道を挟んで真向かいの農地。現施設を加えると、約8100平方㍍になる。隣接地に新たな施設を建設し、現施設の敷地に駐車場、緑地を整備する。現敷地は将来の建て替え用地になる。
基本構想によると、新火葬場は火葬・待合・管理の3部門で構成し無煙、無臭、無公害の施設とする。火葬炉は3基整備。新施設導入で、告別から収骨までの時間はこれまでの最長4時間から2時間20分に短縮されるという。
市環境課は3月までに都市計画変更の手続きを終え、4月以降に用地の取得作業に入る。同課によると、地権者2人は協力する意向を示しており、順調にいけば用地造成、実施設計を行い、15年度に着工する。
新火葬場建設地に隣接する農地の地主は「冬場は北風が強いので、利用者が北風を受けないような施設が望ましい。また、見晴らしがよいので海が見えるような配置にしてもらいたい」と話した。
旧正月恒例の大綱引き 黒島
【黒島】旧正月の1月31日、黒島の東筋と仲本集落で、豊作と住民の無病息災を祈願する恒例の「旧正月大綱引き」が行われた。会場には地域住民や郷友会員、観光客も参加し、ツナヌミンや大綱引きで今年の豊作を祈願した。
黒島東筋部落会(比屋定修会長)は同日午後2時すぎから、黒島伝統芸能館前で旧正月行事を行った。地域住民に行事の開催を知らせるドラの音が鳴り響く中、「正月ユンタ」で会場を盛り上げ、南からヤリ、北からカマを持った勇者が青年たちが支える舞台の上に立って登場。勇壮なツナヌミンが披露された後、「北が勝つと豊漁、南が勝つと豊作」と伝えられている大綱引きが行われ、南の勝利で今年一年の豊作を祈願した。
綱引きで盛り上がりも最高潮に達する中、南からツクドゥン(農民の最高位)、北からミリクが子どもたちを引き連れて登場し、ツクドゥンに五穀の種子が託された。
大阪府交野市から介護の自主研修で訪れている大門秀幸さん(47)は「旧正月のイベントを初めて見させてもらって楽しい。Tシャツ一枚で正月行事を行える暖かさにも驚いた」と感想を話した。
仲本支会(宮喜一支会長)は同日夜、旧正行事を行った。