都内で学ぶ沖縄出身の大学生から、アルバイト先のしゃぶしゃぶ店の様子を聞いた。客のほぼ半数は外国人。安くはない値段を取る店とあって、世界のあちこちで食べ歩きをしてきたという客も少なくない▼スタッフは、ネパールや中国、韓国など外国人が増加。外国人への接客を滞らせないため、日本人と外国人のスタッフがうまく重なるようにシフトを組む。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を使った取り組みなども奏功し、売り上げは増加中だ▼八重山を訪れた外国人観光客は今年上半期で12万7976人となり、前年同期比6・6%増。近年は外国人観光客の伸び率が国内観光客の伸び率を上回ることも珍しくない▼外国人観光客への対応で力を発揮するのは、八重山に住む外国人だ。法務省の統計によると、八重山には住む外国人は昨年12月現在で515人。中国、台湾、ベトナム、韓国、フィリピンのトップ5で過半数に達する▼八重山の住民約5万5000人余りのうち、有権者は4万3000人余り。八重山で暮らす外国人は住民ではあるが、有権者ではない▼それでも、同じ島で暮らし、一緒に働きもする。9日投票の3市町議選で当選した人たちが、有権者ではない人にどう目配りをするのか。その視野の広さに期待したい。(松田良孝)