「石垣って都会と変わらないね。ドンキーがあるのにはびっくりした」「楽しかったですか。んー、疲れた。早く帰ろう」▼先月、那覇に出向く際に、空港で耳にした県外の若い家族連れ観光客親子の会話である。石垣市が7月に実施した観光客アンケートで、回答者の「90%」以上が満足との報道に接したばかりだったので何か不満な事でもあったのかと気になってしかたがなかった▼表情からも思い切り観光を楽しんで帰るという雰囲気には見えなかった。アンケートでは、都会化や過度の環境開発に懸念を示す声が多く寄せられたことを考えると、若い家族の姿は将来の八重山観光の課題のようなものを与えてくれているのではないか▼右肩上がりの順調な観光に水を差すつもりは毛頭ない。ただ、好調な時にこそ、今のままで良いのだろうかと物事を精査する足元再確認の必要はないか。それが先行きを見通すことにもなり、危機管理として事前の対策につながると思えてならない▼石垣島は今、島の将来のあるべき道筋を左右する市議選が展開中である。政治意識のレベルの投影が選挙であるなら、有権者の選択はかつてないほどの重い意味を持っている▼先見性を持った真剣な判断、次代に誇れる石垣島は、主役である有権者の貴重な一票によってもたらされる。(鬚川修)
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