「語るに落ちる」は「問うに落ちず語るに落ちる」の略。問い詰めても口を割らないが、ほっとけばつい、うっかりしゃべってしまうことをいう▼自民党総裁選挙の石破茂元幹事長の「正直、公正、石破茂」という選挙スローガンが話題尽きない。安倍政権のモリカケ問題を蒸し返すような連想が浮かぶ▼石破氏を支持する竹下派の吉田参院幹事長が石破氏に対し「個人攻撃」として安倍氏批判を抑制するよう求めたと報じられた。これが個人攻撃なら、安倍首相は嘘つき、えこひいきの不公正な政権運営ということに。語るに落ちた▼その石破氏は自民党幹事長時代の13年、沖縄の自民衆参議員5氏と記者会見。「県外移転」の公約を捨てさせ、辺野古回帰を主導した張本人である。首をうなだれる議員に対し勝ち誇った石破氏のドヤ顔は当時、ネット上で「悪代官」と評判になった。沖縄にとっては、正直、公正でない方も悪代官も、どっちもどっちである▼県内29市町村議会議員の選挙、統一地方選が告示された。八重山3市町も57人が届け出を行い、激しい集票合戦を繰り広げている。それぞれ地域振興や子育て支援、福祉の充実など政策を訴えているに違いない▼政治家は言葉が命である。きれいごとは不要。言葉を聞き分ける耳をもつ有権者でありたい。(慶田盛伸)
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