【波照間】祖先供養や住民の無病息災、豊作・豊漁を祈願する「ムシャーマ」が旧盆中日の24日(旧暦7月14日)、島を挙げて行われた。約200人が参加し、ミチサネ(仮装行列)、演舞、ニンブチャー(念仏踊り)、芸能などを奉納。舞踊では、西組による「世果報節」が8年ぶりに復活した。熱帯低気圧の影響で開催が危ぶまれ、定期航路が欠航し、郷友や観光客の姿は例年の3分の1程度と少なかったが、島民の強い思いで島最大の伝統行事を盛り上げた。
午前9時15分、波照間公民館でドラが打ち鳴らされると、西組(冨嘉・名石集落)、東組(北・南集落)、前組(前集落)の順にミチサネがスタート。ミルクがお供する子どもたちと先頭に波照間公民館まで集落内を練り歩き、道化役のブーブザー、馬ぬしゃ、イニシリのほか、ユニークな格好に扮(ふん)した島民が続いた。
公民館前の庭ではボー(棒)、テーク(太鼓)の演舞後、祖先に感謝し供養するニンブチャーが繰り広げられた。
午後からは、場所を舞台に移して芸能を披露。西組は一番コンギで笑いを誘い、東組の息の合った「五月雨節」、前組の「掬(すく)い」で会場を沸かせた。
笛の音に合わせて世果報を願う東組のコームッサ、竹富町制施行70周年記念事業で東京の国立劇場で披露されるシーシン棒も。6頭の獅子が邪気払いをし、無病息災を願った。
金武清也公民館長はあいさつで「天候も悪く、船の欠航というアクシデントで一部来賓の参加もかなわなかったが、年に1度祖先を迎えての行事を滞りなく行うことができた。皆さんに感謝申し上げたい」と述べた。
石垣在郷友会の男性(70)は「毎年、祖先供養のためにムシャーマに合わせて島に戻っている。歴史ある伝統行事を誇りに思う」と話した。
■8年ぶり「世果報節」披露ムシャーマの舞台芸能で西組