中山義隆市長が先月18日に防衛省の石垣市平得大俣地区への陸上自衛隊配備受け入れを正式表明後、配備予定地周辺の於茂登、開南、川原、嵩田の4地区に説明もなく面談にも応じないことに対し4公民館は21日午後、開南公民館で記者会見を開き、抗議した。小林丙次開南公民館長は「4地区の住民が対応できないパインやマンゴーの繁忙期に受け入れを表明したことは意図的としか思えない」と非難し、「水の問題など市民一人一人に関わることに関心を持ってもらい、市民全体で反対の声を挙げていきたい」と態度を示した。
会見には、4地区の住民15人が出席。市の受け入れ表明会見で、行政の分かりづらい説明に不満を示し、「石垣市は、本来自分たちがすべき環境アセスから逃げている」と批判の声も。
今回、果樹類の収穫最盛期を終え、落ち着いたことで会見を開いた住民たちは、中山市長の不誠実な行為として▽4地区住民との約束をほごにして謝罪も反省もなかった▽ことし3月の市長選で「ミサイル基地なら反対」とした詭弁(きべん)について▽あいまいな法的根拠。一方的で身勝手な意見交換会を開催した—などを挙げた。
出席者の一人は現状をいじめに例え、「学校でいじめがあると、関わってない人は飛び火しないように見ているだけ。それが地区単位で起きている。これは石垣島全体の問題。4地区以外の市民に『これでいいんですか』と問いたい」と訴えた。
今後は、反対住民が指摘する水源の問題について専門家の調査を実施予定。石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会の嶺井善共同代表は、以前、配備予定地に隣接する牛舎から検出された硝酸窒素が、「牛舎地下の石灰岩に浸透して、宮良川の大浜水源地でも検出された」と紹介。「基地から有害物質が出た場合、飲料水として使用されている大浜水源地に流れ込むことも予想される」と話した。
4公民館は水や環境など、市民生活に直結する問題を提起し反対への賛同を求めていく。