高校生が電波望遠鏡を使った天体観測やデータ解析などを体験する「美ら星研究体験隊」(同実行委員会主催)が13日、県立石垣少年自然の家で始まった。地元や県内外の高校生11人が15日まで3日間の日程で、国立天文台VER石垣島観測局と石垣島天文台で、最新観測装置を使い新たな星の発見を目指す。
同プロジェクトは、高校生らに研究を身近に感じてもらおうと2005年から行われており、ことしで13回目。日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」事業の一環。
生徒らは、国立天文台VERA石垣島観測局の電波望遠鏡を使う班と、可視光で観測する石垣島天文台の光学赤外線望遠鏡「むりかぶし」を使う班に分かれて観測を実施。研究員や大学院生の指導の下、生徒が主体となって作戦会議や準備、観測を進め、最終日に成果発表する。新たに星を発見した場合は記者会見を予定している。
同日午後の開講式で、廣田朋也助教授=国立天文台水沢VLBI観測所=は「研究者の人となりや研究現場などを実際に見てほしい」と参加者を歓迎。研究員らが各天文台施設の詳細などを説明した後、班分けを行い、夜に各施設で観測をスタートした。
栃木県から参加した熊倉有希さん(16)=國學院大學栃木高校1年=は「観測方法やデータのまとめ方を学びたくて参加した。将来は天文関係に就職したい」と目を輝かせた。
友人2人を誘って2回目の参加の知花耕太郎君(16)=八重山高校2年=は「地学部だし星が好きなので参加した。現場の研究の仕方などを見たい」と話した。
同プロジェクトはこれまでの開催で、生徒らは新電波星を七つ、新小惑星を一つ発見している。