1年の豊作に感謝し、来夏世(クナツユ)の世果報(ユガフー)や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する四カ字(新川、登野城、石垣、大川)の豊年祭(オンプール)が30日に各御嶽で行われ、神司による願い(ニンガイ)や、神酒を振る舞う神事「ミシャグパーシィ」のほか、多彩な舞踊などが奉納された。優良生産農家への表彰もあった。4カ字が集合して大綱引きや勇壮なツナヌミンを行う郡内最大のムラプールは、31日午後3時半から、真乙姥嶽で行われる。
このうち、登野城字会(玉城学会長)は同日午前10時に、八重山の稲作伝来の神が祭られている米為(イヤナス)御嶽でオンプールを行い、「神穂花」「天恵豊」の旗頭を掲げた旗頭会が到着した後、関野民子神司と石垣直子神司が、豊作や字民の無病息災などを願った。
厳かに行われたミシャグパーシィでは、給仕役の男性4人が豊作を祈る歌を歌いながら神酒を注いで回り、客役の字民や字会顧問、旗頭会代表などが杯を受け、感謝の歌を返して飲み干した。ことしは初めて、旗頭会の青年らも歌の斉唱に加わった。
玉城会長はオンプールの中で「来夏世においても、神々の加護を賜り、無病息災、喜びと希望に満ちた平和で栄えのある年であるように」と祈願。その後、地域の児童生徒33人による太鼓、同婦人会29人による巻き踊りなどが奉納された。
同会は午後に天川御嶽でもオンプールを行い、字を挙げて多彩な奉納を繰り広げた。
大川字会は大石垣御嶽、石垣字会は宮鳥御嶽、新川字会は長崎嶽、双葉公民館は同公民館で、それぞれオンプールを行った。