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巨大水槽の運用を開始 県水産海洋技術センター石垣支所

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沖縄県水産海洋技術センター石垣支所が新設した大型ハタ類研究用の大型水槽=17日午後、同センター敷地内

 沖縄県水産海洋技術センター石垣支所(平手康市支所長)は2月7日に敷地内に設置した、養殖研究対象である大型ハタ類の採卵技術を研究するための水深5㍍の500㌧水槽2基と同3・1㍍の200㌧水槽1基の運用を17日開始した。水槽は県内の研究施設では最大級。ハタ類の安定的な採卵が可能になれば、養殖市場への計画的な稚魚供給が期待できる。同支所は2020年度を目標に、タマカイ、ヤイトハタ、チャイロマルハタ等の自然採卵技術の確立、人工採卵技術の向上を目指す。

 大型ハタ類は沖縄でアーラミーバイと呼ばれる白身の大型魚。水面に対して垂直に泳ぎながら産卵を行う特性があり、同支所は自然産卵に対応するため、従来より深い水槽を用意した。

 取り扱う大型ハタ類のうち、最大3㍍に成長するタマカイに関する研究はまだ日が浅く、自然採卵技術は未確立。後天的に雌雄性転換するヤイトハタは雄の確保が難しく、自然採卵は可能だが不安定という。また、チャイロマルハタも含め、全て人工採卵が可能だが、親魚への負担が大きい。同支所は収容魚数や雌雄比など大型ハタ類の自然産卵に適した条件や、人工採卵の負担軽減技術などを探る。

 17日午後、同支所は水深3㍍の旧水槽から水深5㍍の新水槽に140㌔級のタマカイの雄8匹、雌2匹を移動した。平手支所長は「栽培漁業センターが養殖現場の求めるタイミングで稚魚を提供できるようになるためには、まず研究所が安定的な採卵技術を確立しないといけない。貴重な親魚を長持ちさせるために、人工採卵技術も向上させたい」と目標を語った。

 運用を開始した500㌧水槽は水深5㍍、縦12・7㍍、横7・8㍍、200㌧水槽は水深3・1㍍、縦10・4㍍、横6・2㍍。施設の延べ床面積は600平方㍍。総事業費は2億4231万9600円。一括交付金で整備した。


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