先日、とある団体のサンセットクルージングに家族4人で参加する機会があった。大型の旅客船でユーグレナ石垣港離島ターミナルを出港し、名蔵湾を周遊する3時間弱のコース▼波は穏やか。ゆっくりとした航行なので揺れもほとんどない。船酔いを心配していたわが子も元気いっぱい。船内で飲食しながら時折デッキに繰り出し、海に浮かぶ島々の景色を楽しんだ▼メーンのサンセット。西の空には雲がかかっていたが、タイミングよく、水平線に平行した部分だけ雲が切れた。日が沈む。空はあかね色。久しぶりに見る夕焼けは美しかった▼小3の次男も「きれい」と言ってくれた。子どもは花より団子。船酔いさえしなければと思っていたので意外。うれしかった。人間が自然の景色を美しいと感じるのは、自然に対する畏敬の念から来ているのだろうか。ふと感慨深く思ったりもした▼夕日に限らず、海、山の自然が八重山にはまだ残っている。加えて伝統芸能の宝庫でもある。そんな島々のいいところを見せたり、体験させたりする機会をできるだけ多く子どもたちに提供したいものである▼進学や就職で島を離れても、「やっぱり島がいい」とUターンする動機になるかもしれないし、戻らなくたって心のよりどころになるはずだから。(比嘉盛友)
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