非常に強い台風8号は10日、沖縄の南の海上を西北西に進み宮古島を直撃、石垣島地方には午後8時から午後9時にかけて最接近した。与那国島地方には同日夜遅く最も近づいたとみられる。石垣島地方気象台によると、午後9時までの最大瞬間風速は西表島で40・3㍍、石垣市伊原間で40・1㍍、登野城で39・8㍍を記録した。3市町によると、午後8時現在、計59世帯99人が避難している。人身被害の報告は入っていないが、農産物の被害が懸念される。市内では北西部を中心に最大950世帯で停電した。空と海のダイヤは全便欠航、11日午前中まで影響が予想される。
気象台によると、石垣島地方は10日昼すぎ、与那国島地方は10日午後9時ごろに風速25㍍以上の暴風域に入り、11日未明、同明け方にそれぞれ抜ける見込み。
8号は10日午後8時現在、石垣島の北東約80㌔の海上にあり、時速30㌔で西北西に進んでいる。中心気圧は940ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は50㍍、最大瞬間風速は70㍍。その後も西北西に進み、11日午前6時には東シナ海の北緯26度05分、東経121度10分を中心とする半径70㌔の海上に達する見込み。
8号は強い雨雲を伴っており、午後8時30分までの24時間雨量は新石垣空港で146・5㍉、登野城で134・5㍉を観測した。
市によると、看板固定や自動火災報知機の誤作動、行方不明情報で3件の消防出動があった。行方不明者はすぐに生存を確認し、大事には至っていない。このほか南大浜線が冠水、国道390号の宮良橋が倒木のため片側通行となっている。
気象台は午後8時58分現在まで石垣市と竹富町に大雨・洪水・暴風・波浪警報、与那国島に暴風・波浪警報を発令中。
八重山3市町は警報発令後、対策本部を設置、情報収集に当たるとともに避難所を設けた。石垣市は午前10時半、竹富町は終日、与那国町は午後1時にそれぞれ閉庁した。3市町とも11日から被害調査に入る。