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台風8号 停電に住民、不安な一夜

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台風8号の被害を恐れ、石垣市健康福祉センターに避難し、不安な時を過ごす住民ら=10日午後2時ごろ、同センター

 非常に強い台風8号の接近に備え、八重山3市町は10日朝から各地に避難所を開設した。同日午後8時までに石垣市では54世帯91人、竹富町黒島で1世帯2人、与那国町では4世帯6人が避難した。最大瞬間風速が、石垣島で3年前に記録した観測史上最大の71㍍に匹敵する70㍍と予報されたため、住民らは「怖い思いをしたくない」と避難所を訪れ、「被害がないことを願う」と祈るような気持ちで台風の通過を待った。石垣島北西部を中心に最大約950世帯で停電も発生、住民は不安な一夜を過ごした。

 市は同日午前、市健康福祉センター、川平小中学校、伊原間中学校の3カ所に避難所を開設。桴海、桃里、伊原間、平久保、野底の北部5地区には避難勧告を発令したが、北西部では避難住民はいなかった。

 センターでは通常、子どもセンターを開放しているが、多くの避難者が訪れると想定して、今回は集団検診ホールも使用、子どもセンターを高齢者と障がい者のスペースにあてた。

 避難者は飲料水や食料、寝具を持参して来所、不安顔でスマートフォンやテレビの台風情報を確認、憔悴(しょうすい)して横になる住民もいた。

 娘と孫の4人で正午過ぎに避難した女性(63)=新栄町=は、過去に台風で家のガラス窓が割れ、眠れぬ一夜を過ごしたという。「孫もいるので怖い思いをして一夜を過ごすよりも避難を選んだ。ここなら安心。今回の台風は尋常でないとニュースで知っていたので、9日から避難準備を進めていた」と落ち着いた様子で話した。

 交際相手と訪れた男性(38)=川平=は「家の前が海で、高潮に警戒して避難した。被害がないことを願いたい」と心配そう。

 共同住宅から避難してきた女性(76)=新川=は「最大瞬間風速が70㍍も吹くと聞いたので避難した。風が強いと住んでいる建物も揺れるため、怖くて眠れない」と落ち着かない様子だった。

 石垣市と宮古島市の避難所には沖縄セルラー電話㈱(au)が災害対策事業の一環として本島から職員各2人を派遣。ブースを設けて充電器、通話・テザリング機器を無料で貸し出す支援を行った。

 事業活性化推進室の金城一樹主任は「これから夜中にかけて充電を必要とする方が増えると思う。携帯電話の利用サービスをなるべく途切れさせないようにしたい」と話した。


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