きのうは大型台風8号が石垣島を直撃するのではないかというニュースで朝から持ち切りだった▼筆者の元には、那覇や本土の友人らから事態を心配する電話やメールが寄せられ、改めて自然の猛威に対する備えを考えずにはいられなかった▼石垣市内では暴風が吹き荒れる中、停電が発生し電気がつかない暗く不安な一夜を過ごした人も多いと思う。空と海のダイヤも終日欠航するなど、観光客をはじめいろいろと予定が狂った人たちには気の毒なことだった▼台風が過ぎ去った後の本格的な調査によって、八重山地区全体の被害状況が明らかになると思うが、サトウキビやパイン、葉野菜など農作物への大きな被害が予想されており、農家にとっては手痛い打撃である▼いまや気象情報の発達によって台風の姿がはっきりと見えるようになった。刻々と変化する巨大な雲の輪。それが足踏みしたり、時に小走りに急いだりする。まるで生き物のようであり、おまけに目までついている。その動きを読み取ることはできても行く手をさえぎることはできない▼台風来襲の厄日とされる二百十日はこれからで油断は禁物。自然災害をなくすことはできず、いかに被害を少なくし人命を守るかは安全へのあくなき追求以外にない。それは言うまでもなく日ごろの備えにほかならない。(鬚川修)
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