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最終判断は住民投票で

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 ■またも住民投票条例不発

 石垣市議会の野党連絡協議会(長浜信夫会長)は先月25日の最終本会議に平得大俣への陸自配備計画の是非を問う住民投票条例案を動議として提出したが、与党の自公と保守系野党の反対多数で昨年6月議会に続きまたも不発に終わった。

 しかし中山市長も与党もなぜ住民投票を避けるのか。国防など安全保障の問題は「国の専権事項」であり、住民投票になじまないと市長は言うが、しかし島の未来を劇的に変え、市民の生命、財産に関わる問題の最終判断は市民の決断に委ねるべきだ。

 しかも去る3月の三つどもえの市長選では、対立する2人の候補が自衛隊配備の是非と住民投票での判断を争点にしたのに、当選した市長は争点化を避け、市長選で民意は明確に示されたとはいえなかった。

 従って市長の最終判断は自衛隊配備の是非に特化した住民投票を実施し、その判断に委ねるべきだ。

 ■最終判断前の入札許されぬ

 しかし自衛隊配備計画は、市民が強硬に反対し、市長も「最終判断はこれから」という中で、市長が配備に向けた手続き開始を了承した一昨年12月以降着実になし崩し的に進んでいる。

 防衛省は昨年5月に施設配置案を提示し、17年度に測量業務など7億円、本年度に用地取得費など136億円の予算を計上。今月には用地測量業務や補償物件調査、不動産鑑定評価など6業務の入札を行う予定といわれる。

 一方で市長は近く最終判断を行う布石としてか周辺住民や市民との意見交換会を強引に開催。市民の理解を得る努力への実績づくりをアピールしている。  これに対し石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会は「中山市長は最終決定ではないといいつつ、防衛省と出来レースで着々と配備計画を進めるのは市民を欺く卑劣なやり方だ」と強く反発。市民の反対を無視しての測量業務入札などの中止を求めている。

 確かに市長は「防衛省への市有地売却は議会が決めること」としながら、こうした手続きを一つ一つ認めることでなし崩し的に既成事実を積み上げ配備を進めるのはやめるべきだ。

 ■正々堂々と住民投票を

 市長は自衛隊配備容認の理由に日本を取り巻く安全保障の厳しさを強調するが、尖閣での中国側の強硬姿勢は日本の挑発に対する反動であり、日米に対する一種の示威行動だ。

 一触即発の事態にあのトランプ大統領でさえ北朝鮮攻撃を避けた。中国も百害あって一利なしの戦争を日本に仕掛けてくるとはとても思えない。それを抑止力どころか、むしろ有事には攻撃目標になる自衛隊をあえて石垣に配備する必要性があるだろうか。

 中国が尖閣や石垣に攻めてくると本気で思うなら、市長や与党は正々堂々と住民投票を受け入れ、市民にその脅威を問うべきだ。

 しかしそこで疑問は安全保障上の脅威は時の政権によって違うことだ。中でも安倍政権は憲法改正など自分の政治目的のために過度に脅威を強調。これを辺野古新基地や南西諸島への自衛隊配備などで日米同盟や軍備増強に利用しているというのが実態だろう。


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