平久保地域の過疎化からの脱却と、地域活性化につなげようと平久保小学校とひらくぼ幼稚園の保護者はこのほど、「平久保校区に子どもを増やそうプロジェクト」(吉田友厚実行委員長)を立ち上げ、同地域で第1弾となるチャリティー祭りを7日、開催した。同プロジェクトは、平久保の良さをPRするイベントなどの開催に加えて、最重要課題の集合住宅の建設や、受け皿となる空き家などの整備を行政に働き掛け、平久保地域ならではの魅力を全国に発信してファミリー層の移住を促進していきたい考え。
平久保地域では現在、4世帯の子どもたちが平久保小とひらくぼ幼稚園に通っており、児童5人、園児2人の計7人。宮古島から生後3カ月で平久保に移住した平久保公民館の島尻昇館長(62)によると、当時は小学生だけで約150人はいた、と言い、児童数は激減している。
吉田委員長ら保護者はそれぞれが営む観光事業を生かして、安価で利用できるチャリティーイベントを企画。実行委員の戸田直之さんが経営するホテルでは、平久保の農家が提供したトマトを使った八重山そばの冷製パスタ風や、特製野菜カレーの2品を各500円で提供、約250人が味わった。収益金は平久保小学校区の子どもたちの教育や体験学習などに活用する。
この日は市民や観光客など多数が訪れ、サバニやバナナボート、ヨナグニウマの乗馬などを満喫。フェイスブックで見て子どもと参加した大浜在住の40代の女性は「利便性はないが、自然の豊かさや地域とのつながりが密な部分は、子どもが伸び伸びと育ついい環境。このようなイベントがないと平久保に来る機会はなかなかない。毎年やってほしい」と感想。初めてサバニに乗った山崎睦月君(10)は「こぐ時に抵抗があって難しかったが、楽しかった。また乗りたい」、東盛真佑季さん(8)は「楽しみにしていた。沖の辺りは波が強かったが、海がきれいで広かった。また来たい」と笑顔で語った。
吉田委員長は「島の人にも普段できない体験をしてもらいたかった。応援してくれる意見をいただきやってよかった。夏と秋の年2回開催したい。今後も面白いアイデアを形にしていけたら。持続的、伝統的な取り組みにしていきたい」と意欲。島尻館長は「少ない人数で運営できるのかと思ったが、移住した若者たちが頑張ってくれている。若い人たちの発想が地域の発展と活性化につながっていけば」と期待した。