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クロマグロ規制強化「死活問題だ」 水産庁説明

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大型クロマグロの漁獲枠について、水産庁職員の説明を受ける漁業者ら。抗議、反発の声が噴出した=2日午後、八重山漁業協同組合

 今月から始まった資源回復が必要なクロマグロの沿岸漁業への規制強化で、法律に基づき都道府県別に設けた30㌔以上の大型魚の漁獲枠について、水産庁の職員が2日午後、八重山漁業協同組合(上原亀一組合長)で説明会を行った。出席した漁業者からは、国側の一方的な漁獲枠の取り決めだとして「なぜ現場漁業者の意見を聞かないのか」「沿岸で操業する零細漁業者には死活問題だ」などと抗議の声が噴出した。

 日本が加盟する中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)による大型魚の配分枠は4882㌧。今回、国はこれを年間で大中型まき網漁に3063.2㌧、はえ縄など国全体の沿岸漁業には732.7㌧を配分し、さらに都道府県別にも配分枠を決定した。

 漁獲枠の約60%が配分されたまき網漁法については、一日に約100㌧捕ることが可能なため、資源管理の面での問題が指摘されているが、今回の漁獲枠決定では、過程も短期間で不透明な部分が多いとして、全国で大部分を占める沿岸漁業者から反発の声が上がっている。

 水産庁職員は「これまでの実績に基づいて漁法と各地域の配分枠を決めた」と説明。漁業者は「なぜまき網にメスを入れないのか。これでは生活できない」と訴えた。

 これに対し、水産庁の職員は、漁獲金額を下回らないよう補填(ほてん)する策として漁協共済の活用を勧めたが、出席者は「お金がもらえればよいという問題ではない」と怒りをぶつけ、「資源管理に反対している者は一人もいない。決め方や進め方がおかしい」、「資源管理というなら、まき網にもっとメスを入れないのか」と疑問を呈した。

 はえ縄漁業を営む高橋拓也さん(46)は「まき網漁が始まる前に、どれだけ質のいいマグロが捕れるかが勝負でやっている。まき網をすべて否定するわけではないが、おかしいの一言に尽きる。フェアではない」と訴えた。

 八重山漁協によると、今期4~6月のクロマグロ漁獲本数は387本、72㌧。マグロを漁獲する漁船数はひき縄59隻、集魚灯23隻、はえ縄が21隻となっている。

 県内漁業者の懸念の声を受け、県と県漁連は6日、農林水産大臣に見直しを求めて要請する予定。


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