【竹富】第57回竹富町戦没者追悼式(竹富町主催)が23日午前、竹富島にある竹富町出身戦没者慰霊之塔の前で行われ、島民や竹富小中学校の児童生徒、行政関係者ら約90人が参列し、鎮魂の祈りをささげた。正午の時報にあわせ町内の各島で防災無線からサイレンが鳴り、町民らは黙とうし恒久平和を願った。
式の中で西大舛髙旬町長は「町出身戦没者をはじめ、全戦没者のご冥福を心からお祈り申し上げる。戦争は人間の尊厳を踏みにじるもの。悲惨な戦争を風化させることなく次世代に伝え、八重山から世界へ平和のメッセージを発信することが私たちに課せられた使命である」と式辞を述べた。
同校生徒会長の上勢頭伶陽(りょうや)君=中学3年=は、笑い声の絶えない毎日に幸せを実感しながら「戦争について深く知り、世の中に関心を持ち僕たちの未来を僕たちで考えていきたい」と誓った。
沖縄遺族連合会八重山支部を代表して大山三幸さん(52)が追悼の言葉で御霊を慰めた。
この後、参列者全員で「月桃」を歌い、西大舛町長、竹富町議会の新博文議長、上勢頭篤竹富公民館長、同校児童生徒や遺族らが焼香した。
塔には、竹富町出身戦没者341人の名前が刻まれ、「ここはもはや汝が古里ぞ、帰りきて、御霊安かれ、この島とともに」と戦没者の魂を落ち着かせる鎮魂歌が彫られている。式の前には、西表島の祖納・干立「結の会」の会員らが折った千羽鶴も献納された。