6月定例石垣市議会(知念辰憲議長)は20日、大石行英、米盛初恵、我喜屋隆次、今村重治の4氏が一般質問を行った。国際観光都市づくりの一環として当局側は、観光地などを花で演出するためのプロジェクトチームを立ち上げ、具体的な検討を開始する考えを明らかにした。大石氏の提案を受けた対応。換金可能なポイントを与える介護支援ボランティア制度の導入に向け、調査研究する意向も示した。大石氏は「花で迎え、花で送る国際観光都市づくりを」と南ぬ島空港滑走路側ののり面やアクセス道路、観光名所などへの花の植栽を提案した。
中山義隆市長は「いいアイデア。専門家らで委員会なりプロジェクトチームなりをつくり、そこで花の演出が可能か、適した花は何か選定作業を進めたい」と応じた。
ボランティア制度は、地方自治体が、介護支援に関わるボランティア活動を行った原則65歳以上の高齢者に対し、実績に応じて換金可能なポイントを付与する制度。介護予防のほか地域コミュニティーの強化などの効果が期待できるという。
米盛氏が導入の可能性について質問、宮良亜子福祉部長は「さまざまな効果が期待できる。市町村の裁量で実施でき、地域支援事業交付金を財源にできる。調査検討を進める」とした。
各業種で深刻な人材不足を受け、石垣市内で働く外国人について大得英信企画部長は「就労目的などで来ている外国人は250人程度と推測される。ホテル、建設業、クリーニング、マグロはえ縄などの技能実習生として働いている」と我喜屋氏に答弁。
我喜屋氏は、語学留学生の活用に向け、語学学校誘致の取り組みを確認。大得部長は「市全体として誘致に向けた、調査研究を進められればと思う」と述べた。
クルーズ船が沖泊した際、混雑するユーグレナ石垣港離島ターミナルへの対応について安里行雄建設部長は「ターミナル西側に専用通路を設置し、駐車場に誘導することで解消できないかと考えている」と施設改修を行う方針を示した。我喜屋氏への答弁。
【6月市議会一般質問要旨】
▶世界平和の鐘
大石行英氏=30周年記念事業の参加国の目標と取り組み、記念事業の概要は。
野底由紀子市民保健部長=設置16カ国を加え近隣地域20都市程度を予定。事業は12月10日の設置日と前日の2日間。市、世界平和の鐘の会沖縄県支部を中心に実行委員会を設立し、具体的な計画の企画立案、実施運営を行う。
大石氏=15カ国で紛争がある。核保有国は9カ国ある。世界各国に案内状を送ることが大事だ。
野底部長=実行委員会で調査検討し、決定したい。
▶前勢岳展望広場
大石氏=ローラー滑り台は使用禁止。1日も早い修繕を。
山田善博農林水産部長=修繕の要望が多い。プラスチックのローラーの修繕には200~300万円かかる。修繕しても2、3年後には同じことをくり返す。残すか撤去するか検討している。
中山義隆市長=担当部署と調整して予算措置ができるか検討したい。
▶子どもの居場所
米盛初恵氏=実態と課題は。
南風野哲彦こども未来局長=現在、登野城、真喜良、大川の3カ所で運営し、学習支援、食育支援、生活指導を実施している。新たな取り組みとして大浜地区に設置を予定している。
▶男女共同参画
米盛氏=性の多様性を認め合うまち石垣市宣言(仮称)への取り組みは。
野底部長=誰もが安心して暮らせる石垣市づくりに引き続き取り組んでいく。
▶星空保護区
米盛氏=認定を受け、今後の取り組みは。
大嵩久美子観光文化スポーツ局長=光害について各地域で説明会を開催したい。11月10日に「アースナイトデー」を開催する。ウェブサイトでPR動画を配信し、観光資源としてブランド化を図り、イメージの創出・定着を図りたい。
▶上水道
我喜屋隆次氏=安定的な水量の確保が必要。原水調整池1基当たりの建設費用は。必要とする調整池は何基か。
前濵猛志水道部長=23億4000万円。補助は2分の1。5基が計画されており、1基は整備された。掃除などの維持管理があるので最低3基必要ではないかと考えている。2機一緒に造るほうが安くつく。
▶ごみ処理施設
我喜屋氏=最終処分場の廃プラを掘り起こして焼却する延命化案になった場合、最終処分の容量が先に埋まり、クリーンセンターの施設更新が後になる可能性がある。どう対応するか。
前浜孝始環境課長=今のところ間に合うと考えている。間に合わない場合、最終処分場に1、2年くらい盛ることは可能。
▶市長の資産公開
今村重治氏=分離課税の項目の様式に関する部分が、2013年度以外に報告されていないが、なぜか。
大得英信企画部長=株式に関しては新たに報告すべき事象がないため、報告がないものと理解している。