「ユッカヌヒー」(旧暦5月4日)の17日、郡内各地で漁業者の航海安全と豊漁を祈願する海神祭が行われた。このうち郡内最大の石垣市爬龍船競漕(きょうそう)大会(同実行委員会主催)は浜崎町の石垣漁港で開かれ、各組えりすぐりのこぎ手たちが力強いカイさばきを競った。本バーリーは東一、東二、中・西合同(中一・中二・西)の3組対抗で行われ、「上がり」と「転覆」を制した中・西合同が総合優勝、大会11連覇を果たした。「御願」は東二組が5年ぶりの優勝を飾った。
台風一過の晴天で日曜日ということもあり、会場には朝早くから、大勢の市民や観光客が訪れ、午前8時から始まった舟をそろえる「スネー」を見守った。
注目された上がりハーリーでは、西組と東二組が接戦を展開。2回目の折り返し後から西組が徐々に差を広げ、12秒差で制して雄たけびを上げた。西組が上がりを制したのは2012年以来6年ぶり。1番エークの具志堅用純さん(33)は「最後で挽回できるから根性負けをするなと先輩たちに言われていた。想定通りのレース展開だった」と振り返り、「みんなで頑張って練習して取れた優勝。西組として連覇を重ね、中二組の1番エークだった渡久山朝秀さんの上がり5連覇の記録を超えたい」と意欲を語った。
開会式で上原亀一大会長は「海神祭の継承と発展は先人漁業者や水産業の振興にご尽力いただいた方々の多大な支援と協力のたまもの」とあいさつ。前年度総合優勝を飾った中二組の宮良当洋さんが「日ごろ鍛えた技を十分に発揮し、航海安全と大漁を祈願して正々堂々戦うことを誓います」と力強く選手宣誓した。
各組の女性部と新川、真喜良、八島の3小学校の児童ら約375人は、舞踊やダンスなどで大会に花を添えた。
市の爬龍船競漕は、明治初期に糸満地区から移住した漁業者が1906(明治39)年に開催したのが始まりとされ、ことしで112回目を迎える。
【本バーリー結果】
▽御願=①東二組(13分42秒88)②中・西合同(中二組、13分57秒65)③東一組(14分38秒25)
▽転覆=①中・西合同(中一組、10分26秒19)②東一組(10分32秒90)③東二組(10分58秒19)
▽上がり=①中・西合同(西組、13分50秒06)②東二組(14分02秒37)③東一組(15分08秒35)