黒板メーカー日学㈱主催の「日学・黒板アート甲子園2018」で、八重山高校美術部の部員4人が応募した作品「KOKUBAND」が九州・沖縄のエリア賞に輝いた。14日午後、日学の吉田朋弘代表取締役社長が同校を訪れ、生徒らに賞状を授与。中心メンバーで3年の野底咲喜子さん(17)は「家族も喜んでくれて、本当にうれしい」と笑顔を見せた。
黒板で「面白いことをしたい」と考え、黒板と音楽バンドを語呂合わせした受賞作品は、クールな印象を演出するためにボーカルとギター、ドラムを演奏する高校生を白チョークのみで仕上げている。
色彩豊かな作品が多くを占める中、審査員から「白チョーク一本で豊かな明暗の階調を描き出し、力強い作品」と評価された。
制作したのは野底さんと3年の徳比嘉真綾さん(17)、2年の大田春陽さん(16)、同年の小浜藍さん(16)の4人。2月下旬に白紙に構図を下書きし、3月から黒板での制作を開始。約1カ月を掛けて完成させた。
受賞作品は、通常より大きい上下スライド式の黒板を使用したため、「下書きをそのまま黒板に写すと、遠くから見た時に板の境目にできるズレ」をなくすことに最も苦労した。徳比嘉さんが後方から指示を送り、他3人が少しずつ描き出した作品を生徒らは「一人じゃできなかった」と振り返る。
表彰式で、吉田社長は「素晴らしい作品をありがとう。これからも長く黒板アートを楽しんでほしい」と激励。受賞作品は今年9月ごろに刊行される「黒板アート甲子園作品集」に収められる予定という。
日学・黒板アート甲子園は、中高生を対象に、黒板を活用した創造性や芸術性あふれる作品の普及と魅力発信を目的に開催。第4回となる今大会は、全国から77校143点の応募があった。